持ち運べるポータブルPC「Steam Deck」を使うときに気を付けたいこと(1/3 ページ)
Valveが手がけるポータブルゲーミングPC「Steam Deck」が、日本でも話題を集めている。ゲーム配信プラットフォーム「Steam」に特化したモデルではあるが、比較的安価でWindowsを導入できるなど懐が深いのも魅力だ。まずは本体とストレージ回りをチェックした
「Steam Deck」は、Valveから発売された小型ゲーミングPCで、PCゲーム配信プラットフォーム「Steam」のゲームを気軽に持ち運んでプレイできるのが特徴だ。
日本では2022年8月から予約販売が始まり、12月から出荷が行われた。直近では予約なしでの購入が可能になったが、既に在庫なしで予約受付中になるなど、いまだに高い人気を集めている。
Steam Deckはストレージ容量などの違いで3モデルが用意されている。
ストレージの容量 | 価格(税込み、以下同様) |
---|---|
64GB eMMCモデル | 5万9800円 |
256GB NVMe SSDモデル | 7万9800円 |
512GB NVMe SSDモデル | 9万9800円 |
軽くはないものの両手で握りやすいボディーを採用
Steam Deckは、AMDのZen 2アーキテクチャを採用した4コア8スレッド/2.4〜3.5GHz動作のカスタムチップを搭載し、グラフィックス機能はRDNA 2ベースで1.0GHz〜1.6GHz駆動のCPU内蔵GPUを利用する。OSは「SteamOS 3.0」(Arch Linuxベース)、デスクトップOSは「KDE Plasma」だ。このAPUと16GBのメモリ(LPDDR5)は3モデル共通となる。
7型の液晶ディスプレイは、アスペクト比16:10の1280×800ピクセル(216ppi)表示に対応する。輝度は最大400ニトで、タッチ操作にも対応しているが、表面処理は光沢タイプだ(512GB版のみ「プレミアム防眩エッチングガラス」を採用)。
無線LANはWi-Fi 5で、Bluetoothは5.0をサポートする。
1280×800ピクセル表示に対応した、7型の液晶ディスプレイを採用する。写真は256GB版で、512GB版に採用される「プレミアム防眩エッチングガラス」は備えていない。左右にボタンとスライドパッド、アナログスティックが配置されている
ボディーサイズは約298(横)×117(奥行き)×20〜49(厚さ)mmで、公称の重量は約669g、実測値は696g(256GB版の場合)だった。近頃人気を集めるWindows搭載のポータブルゲーミングPCと似たようなサイズ感で、重量もAYANEO AIRの約398gには及ばないが、ONEXPLAYER mini Proの約620gと近く、こちらも他の機種と似たような重さと言える。本体左右にグリップが用意され、指でしっかりとホールドできる作りも同様だ。
普段、Nintendo Switchを利用している人ならば、二回りほど大きくして分厚くなったボディーを想像してもらえると近いイメージかもしれない。
インタフェースはシンプルだ。天面部分に3.5mmのイヤフォンジャックと、USB Power DeliveryとDisplayPort Alternate Mode対応のUSB Type-C端子を1基備え、他には底面にあるmicroSDメモリーカードスロットのみとなる。
一方のコントローラーは豊富だ。正面右側にA/B/X/Yボタンを、左側に十字キーが配置され、左右のトリガーはL1/L2とR1/R2のみで、R2/L2がアナログ入力に対応する。基本動作は、Aボタンが決定、Bボタンがキャンセルとなる。
左側下部にある「STEAM」ボタンを押すと、本体の設定などを行う「STEAMメニュー」を表示し、右下にある「…」ボタンは「クイック設定」で、画面の明るさや音量ボリューム、機内モード、Wi-Fiのオン/オフなどを変更可能だ。
正面の左右下部にスピーカーを内蔵している関係でサウンドは良好で、ヘッドフォンをしなくても没入感を得られる。
Steam Deckが他のハンドヘルドゲームマシンと異なるのは触覚フィードバック付きスライドパッドの存在だろう。左右に配置されており、これを使っての操作も可能となっている。また背面にもR4/R5、L4/L5ボタンを配置し、ここに機能を割り当てれば中指や薬指を使って操作できる。
Steam Deckには通常のSteam画面(Gaming Mode)の他に、デスクトップ環境「KDE Plasma」が用意され、キーボードやマウスをつなげば通常のPCのように扱うこともできる。
Steamのアカウントを持っている人ならば、手持ちのゲームを本体ストレージかmicroSDメモリーカードにダウンロードし、ゲームをプレイする。バッテリー駆動時間は公称で2〜8時間となっているが、実際にプレイすると目に見えて容量が減るイメージで、本腰を入れて長時間ゲームを楽しむなら、電源かポータブルバッテリーは欠かせない。
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