7.2万円を超える価値がある!? ワッパ良好な「Ryzen 7 7800X3D」のパワーを先行チェック!:4月14日発売(3/4 ページ)
L3キャッシュを大増量したAMDの「Ryzen 7000X3Dシリーズ」のエントリークラス製品の発売日と想定価格が発表された。ハイエンド製品から遅れて出てきたエントリー製品だが、「ゲームを快適に楽しむ」という観点では最良の製品かもしれない。発売に先んじて、その実力をチェックしてみよう。
3DMark 10
続けてゲームで用いる3Dグラフィックス機能をテストできる「3DMark」を使って、Ryzen 7 7800X3Dの“底力”をチェックしてみよう。各テストの総合スコアは以下の通りだ。
- Time Spy(DirectX 12ベース/WQHD描画)
- Ryzen 7 7800X3D:1万8336ポイント
- Ryzen 9 7950X3D:1万9416ポイント
- Core i9-13900K:1万9416ポイント
- Time Spy Extreme(DirectX 12ベース/4K描画)
- Ryzen 7 7800X3D:8670ポイント
- Ryzen 9 7950X3D:9840ポイント
- Core i9-13900K:9914ポイント
- Night Raid(DirectX 12ベース/フルHD描画)
- Ryzen 7 7800X3D:7万4669ポイント
- Ryzen 9 7950X3D:8万6635ポイント
- Core i9-13900K:9万3269ポイント
- Fire Strike(DirectX 11ベース/フルHD描画)
- Ryzen 7 7800X3D:4万2875ポイント
- Ryzen 9 7950X3D:4万5450ポイント
- Core i9-13900K:4万3101ポイント
- Fire Strike Ultra(DirectX 11ベース/4K描画)
- Ryzen 7 7800X3D:1万3185ポイント
- Ryzen 9 7950X3D:1万3372ポイント
- Core i9-13900K:1万3239ポイント
筆者は当初、「いくら3D V-CacheでL3キャッシュが多くても、Ryzen 7 7800X3Dは厳しいのではないか……?」と思っていたが、思った以上に健闘している。Ryzen 9 7950X3Dと比べて4万円、Ryzen 9 7950X(11万7800円)と比べても4万6000円安いCPUで、これだけのパフォーマンスを出せるのなら、魅力的な選択肢といえるのではないだろうか。
ゲーム性能に特化した自作PCを作りたいけれど、予算の捻出が難しい――そんな人にピッタリなCPUといえそうだ。
FF14ベンチマーク
「Ryzen 7 7800X3Dは、本当にリアルなゲームでも強いのか?」と考える人もいるかもしれない。そこで、実際のゲーム、あるいは実際のゲームと同じエンジンを利用するベンチマークテストを実行してみよう。
手始めに、比較的軽めの「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク(FF14ベンチマーク)」を試してみる。今回は始めから画質を「最高品質」設定とした上で、「フルHD(1920×1080ピクセル)」「WQHD(2560×1440ピクセル)」「4K(3840×2160ピクセル」の3解像度でスコアを計測した。結果は以下の通りだ。
- フルHD
- Ryzen 7 7800X3D:3万5354ポイント
- Ryzen 9 7950X3D:3万1810ポイント
- Core i9-13900K:3万2071ポイント
- WQHD
- Ryzen 9 7800X3D:2万8343ポイント
- Ryzen 9 7950X3D:2万6193ポイント
- Core i9-13900K:2万6392ポイント
- 4K
- Ryzen 7 7800X3D:1万4565ポイント
- Ryzen 9 7950X3D:1万4548ポイント
- Core i9-13900K:1万4644ポイント
驚いたことに、何と全ての解像度でRyzen 7 7800X3Dがトップに立った。さすがに4K解像度では僅差だが、フルHD/WQHD解像度では少しポイントが開いている。
もちろん、過去のテストと比べてドライバー群の最適化が進んだ結果なのかもしれないし、FF14ベンチマークが他コアCPUのメリットを生かしづらいという特性ゆえの結果である可能性もある。とはいえ、良好な結果であることには変わりない。
FF15ベンチマーク
では、より負荷の大きいゲームではどうなるだろうか。「FINAL FANTASY 15 WINDOWS EDITION BENCHMARK(FF15ベンチマーク)」も実行してみよう。こちらも画質を「高品質」とした上で、フルHD、WQHD、4Kの3解像度でスコアを測った。結果は以下の通りだ。
- フルHD
- Ryzen 7 7800X3D:1万7096ポイント
- Ryzen 9 7950X3D:1万7612ポイント
- Core i9-13900K:1万7226ポイント
- WQHD
- Ryzen 7 7800X3D:1万3257ポイント
- Ryzen 9 7950X3D:1万3266ポイント
- Core i9-13900K : 1万3262ポイント
- 4K
- Ryzen 7 7800X3D:7585ポイント
- Ryzen 9 7950X3D:7437ポイント
- Core i9-13900K:7429ポイント
こちらのテストでは、Ryzen 7 7800X3Dが4K解像度においてトップに立った。フルHD/WQHD解像度でも、過去のテストと遜色のないスコアを残している。
Ryzen 7 7800X3Dは、ある意味で「クロック全振り」とは違う文脈でゲームに最適なCPUの1つといえそうである。
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