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約3.3万円の差は意外と大きい? NECPCのAndroidタブレット「LAVIE Tab T11(液晶モデル)」の実力をチェック!(2/3 ページ)

NECパーソナルコンピュータのAndroidタブレット「LAVIE Tab T11」に、液晶ディスプレイを搭載するスタンダードモデルが登場した。先行して登場したハイエンドモデルとの直販価格の差は3万3000円だが、どのくらいの差があるものなのだろうか。実際に試してみよう。

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カメラは必要十分な画質

 カメラはイン(画面)側が約800万画素の固定フォーカス、アウト(背面)側が約1300万画素のオートフォーカス(AF)センサーとなっている。

 最近は低価格スマートフォンでも複数カメラを搭載し、きれいな写真が撮れるようになってきている。ゆえにあえてタブレットのカメラで撮影しようと思う人は少ないかもしれないが、カメラが使えると書類のスキャンや二次元コードの読み込みなどにも使えて便利なのは確かだ。画質的にもスナップ程度であれば問題はない。

 イン/アウト側のどちらも「美白モード」や「背景ボケ」にも対応している。必要十分な画質は確保できているので、Web会議も十分にこなせる。

 なお、本機に指紋センサーは搭載されていないが、インカメラによる簡易的な顔認証は利用可能だ。

背面
アウトカメラはシングル構成となる。背面のデザインは、T1195/FASとよく似ている
顔認証
インカメラを使った顔認証も可能だが、設定画面にもある通り簡易的なものとなる
撮影してみた
アウトカメラで植物を撮影してみた。これだけの画質で撮れるなら、タブレットのカメラとしては十分といえるだろう

PCのサブディスプレイとして活用できる機能を搭載

 外部インタフェースは、USB 2.0 Type-C端子、microSDメモリーカードスロット、3.5mmイヤフォン/マイクコンボ端子、スタンドカバー付きキーボード用のポゴピン接点を備える。

 USB 2.0 Type-C端子は充電端子を兼ねており、周辺機器の接続(USB On-The-Go)にも対応している。一方で、映像出力(DisplayPort Alternate Mode)には非対応だ。「どうしても映像を出力したい」という場合は、Wi-Fi(無線LAN)経由でChromecast、またはChromecastと互換性のある映像投影デバイスを利用しよう。

カードスロット
microSDメモリーカードスロットはトレイ式で、着脱の際に別途ピンを用意して取り出す必要がある

 逆に、T1175/FASはPCのサブディスプレイとして利用できる

 プリインストールされている「つながる!LAVIE for Android」というアプリを起動して「ディスプレイをつなげる」を選択すれば、「つながる!LAVIE」をインストールしたLAIVE PC(2022年1月以降に発売されたモデル)のセカンドディスプレイとして利用可能だ。接続はワイヤレスだが、レスポンスも良好で非常に手軽に使える。

 ちなみに、この機能は汎用(はんよう)規格である「Miracast」を使って実現している。動作保証の対象外だが、他のWindows PCでも設定を工夫すればセカンドディスプレイとして利用可能だ。

 本体スピーカーは、左右に2基ずつの計4基搭載を備えている。「Dolby Atmos」にも対応しており、対応コンテンツではサラウンド再生も行える。T1195/FASとは異なりJBLの監修を受けたものではないが、迫力と音質共に十分だ。

つながる!LAVIE
つながる!LAVIEを利用すると、LAVIE Tab 11をWindowsのサブディスプレイとして利用できる
ディスプレイ
T1175/FASは、Windows上で「2000×1200ピクセル」のワイヤレスディスプレイとして認識される

「生産性モード」も健在 ただしキーボードと連動せず

 先述の通り、OSはAndroid 12Lをプリインストールしている。ホームアプリは「Smart Launcher」というものだが、Google Playにある同名アプリとは別物である。

 Smart Launcherは、画面下部にドック(お気に入りトレイ)を備えており、よく使うアプリを最大で6つ登録できる。これとは別に、最近使ったアプリも2つ表示でき、使い勝手は良好だ。

Smart Launcher
Smart Launcherの画面。iPadOSとよく似た雰囲気のドックを備えている

 T1195/FASにもあった、タブレットをPC風に使える「生産性モード」も健在だ。通知パネルのクイック設定から有効にすれば、PCと似た感覚で操作を行える。

 ただし、T1175/FASの生産性モードは、スタンドカバー付きキーボードとの“連動”には対応していない。手動での切り替えとなるので注意したい。

生産性モード
生産性モードでは、アプリがウィンドウで表示される。3つ以上のアプリを同時に表示できるので便利だ
パネルスイッチ
生産性モードの切り替えは、通知パネルのクイック設定から行える。ちなみに、通知パネルが画面右端に表示されるのは、OSがAndroid 12Lだからだ

純正アクセサリーも充実

 T1175/FASで利用できる純正アクセサリーもチェックしておこう。

4096段階の筆圧検知に対応する「デジタルペンG」

 まず、専用のスタイラスペン「デジタルペンG」だ。最大4096段階の筆圧検知に対応しており、手書きメモを取る際はもちろんのこと、簡単なお絵描きにも十分に使える。直販価格は9878円となる。

デジタルペンG
デジタルペンG

 スペックだけを見ると、T1195/FAS用の「デジタルペン2」(直販価格1万1880円)と同じだが、充電が有線式(USB Type-C)であることと、置き忘れ防止通知機能がないことが差分となる。

 基本的な使い勝手は、T1195/FASにおけるデジタルペン2と変わらない。しかし、本体の処理性能に差があるせいか、筆記の追従性が若干悪いように感じた。字を書いている最中に描画しなくなり、ワンテンポ遅れてまとめて反映(表示)されるということもあった。

 この「描画遅れ」は、要注意ポイントである。

USB Type-C端子
ペンの充電はUSB Type-C端子から行う
ペン入力中
ちょっとしたメモ書き程度であれば全く問題なく使える。ただし、ペン入力のスピードが速くなると、描画が追いつかない場面もあった。安定したペン入力を期待するなら、上位機種のT1195/FASの方がベターだろう

かっちりとハマる「スタンドカバー付きキーボード」

 「スタンドカバー付きキーボード」は、背面カバーとポゴピン接続のキーボードがセットになった製品だ。直販価格は1万6280円となる。

 背面カバーは、マグネットによる貼り付けではなく、しっかりとはめるタイプである。好みは分かれそうだが、側面も保護されるのが大きなメリットだ。

スタンドカバー付きキーボード
スタンドカバー付きキーボードは、ケース部がしっかりとはめるタイプとなっている。側面もしっかりと守れることがメリットだ

 カバーの上部には、デジタルペンG用のペンホルダーも用意されている。不要であれば、ホルダーは収納しておくこともできる。ペンを購入してない場合でも、ホルダーが邪魔になりにくい点はいいアイデアだと思う。

ペンホルダー
ケースの上部にはデジタルペンG用のホルダーも装備されている
しまえるペンホルダー
いったん本体をケースを取り外す必要はあるものの、ペンホルダーはしまっておくこともできる(下)

 ポゴピン接続のキーボードは、ごく普通のメンブレンタイプである。剛性も高く、キーピッチは約1.8mm確保されている。適度な反発もあるので、見た目以上に打ちやすい。

キーボード
キーボードはメンブレンタイプである。右端のキーのサイズが少し小さくなっているものの、極端に変則的な配列ではない
キーボードを外す
キーボードはカバーから独立しているので、カバーをスタンドとして使う際も便利に使える

スタンドとしても利用できる「タブレットカバー」

 「タブレットカバー」は、画面も保護できるタイプである。T1175/FAS(とTAB11/202)の専用品で、直販価格は6578円となる。

タブレットカバー
タブレットカバーは、オーソドックスな画面保護機能付き(ブックスタイル)に見えるが、画面側にある溝にギミックが隠されている

 このカバーの画面側には、少し太めの溝がある。この溝に沿って折りたたむと、タブレットスタンドとして利用できる。よく考えられたギミックだ。カバーの本体側には、デジタルペンG用のペンホルダーが用意されている。

スタンドとしても利用可能
カバーの画面側のちょっと変わった溝は、折りたたむことでスマホスタンドとして利用できる。意外と安定感は高い
ペンホルダー
タブレットカバーにもペンホルダーが用意されており、収納もできる(下)

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