PC以外の売上高が4割を超えるもPCと共にユーザーと併走して課題を解決――檜山新社長が語るレノボ・ジャパンの2023年度(1/2 ページ)
レノボ・ジャパンとレノボ・エンタープライズ・ソリューションズが、2023年度の法人ビジネスの戦略説明会を開催した。就任後初めての記者説明会に臨んだレノボ・ジャパンの檜山太郎社長は何を語ったのだろうか。簡単にまとめよう。
レノボ・ジャパンとレノボ・エンタープライズ・ソリューションズは5月30日、2023年度(2023年4月〜2024年3月)の事業方針説明会を開催した。説明会ではレノボ・ジャパンの檜山太郎社長とレノボ・エンタープライズ・ソリューションズのジョン・ロボトム社長が登壇し、報道関係者にそれぞれの会社の概況と2023年度の方針を説明した。
檜山社長といえば、レノボ・ジャパンにやってくる前は日本マイクロソフトで執行役員常務としてコンシューマー向け事業をけん引し、さらにその前は東芝でPC事業などに携わってきた人物である(※1)。今回の事業説明会は、レノボ・ジャパン社長としての檜山氏の“デビュー戦”でもある。どのような話をしたのだろうか。
(※1)東芝のPC事業は、現在のDynabook
「アフターコロナ」で変わった世の中と会社のミッション
檜山社長は冒頭、本社周辺(東京都千代田区)の人通りがコロナ禍を経て元に戻ってきたことを指摘した。確かに、秋葉原を始めとする都市部の繁華街では人混みが増え、かつてのにぎわいを取り戻しているように思える。テレワークを取り入れた企業が、オフィスワークに“回帰”する動きも見られる。
一方で、檜山社長は「個人だけでなく企業も、新しい生活様式や働き方の追求を続けているように見える」と語る。確かにオフィスワークに回帰する企業もある一方で、物理的なオフィスを全廃または縮小した上でテレワークを前提する勤務体系に切り替えた企業もある。テレワークとオフィス勤務を弾力的に併用できる「ハイブリッドワーク」を取り入れる企業も出てきた。
オフィスワークに回帰した企業でも、業務の効率化や法令上の要請から一定の「デジタルトランスフォーメーション(DX)」が求められる。企業経営者の多くも、その重要性は理解している。
このことはレノボ自身も同様で、同社はコロナ禍前からテレワークに取り組んでいるが(参考記事)、従業員1人1人が生産性を高め、成果を発揮できる働き方を模索している所だという。
Lenovoグループでは2019年から「Smarter Technology for All(すべての人にテクノロジーの恩恵を届ける)」というコーポレートミッションを掲げている。檜山社長は、コロナ禍を経てその意味が微妙に変わっていると感じるという。
コロナ禍前は「製品や技術を届けること」自体がミッションのコアだったが、コロナ禍を経て「(届けた製品や技術が)ユーザーのためになっているのか、ユーザーの効率をより高められるか、ユーザーの成功につなげられるか」が主眼になっているという。
Lenovoグループは、クライアントPC市場において世界シェア1位であることが知られている。日本ではNECパーソナルコンピュータ(NECPC)や富士通クライアントコンピューティング(FCCL)も、出資比率的には同グループの一員だ。
……のだが、実はグループの売上高に占める非PC事業の割合は43%にまで達しているという。「PC以外のビジネスも増えてきている」(檜山社長)という状況だ。法人向けのサービス事業を中心に、今後も非PC事業の売り上げを伸ばしていく計画だという。
Lenovoグループの近況をまとめたスライド。意外かもしれないが、売上に占める非PC事業の割合は4割を超えている。レノボ・ジャパンの大和研究所(横浜市西区)は、ノートPC「ThinkPad」の開発拠点として世界にも知られている
(参考記事)
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