コラム
さすがに約50万円は…… 「Apple Vision Pro」の廉価版は登場するのか? Proというネーミングの意図は(3/3 ページ)
米Appleが発表した「Vision Pro」は約50万円という価格で登場する。Proということは安価なモデルが登場するのだろうか。
Appleが仕掛けたこと
そのためには、今回のVision Proが搭載した片目あたりの解像度が4Kを超えるマイクロOLEDパネルの採用や、デスクトップクラスの性能を誇るM2と新開発のR1チップ、視線トラッキング、LiDAR、深度センサーなどの搭載、周囲とのインタラクティブな体験を生み出す「EyeSight」など、現時点で考えられる全てを“全部載せ”する必要があったのではないか。
Vision Proを紹介する映像の中で、高い価格設定である製品の割には個人ユーザーのパーソナルな利用シーンが多く見られたことが印象に残っている。プレゼン中はユーザーとしての利用シーンにワクワクしたが、冷静に振り返ってみれば、これは開発者に向けて「こういう世界を実現するために(コンテンツの)開発を頼みますよ」という圧が感じられる(開発者会議なので当たり前ではあるが)。
Apple自身も約50万円という価格設定で一般に普及するとは思っていないだろう。まずはVision Proの優位性で開発者とアーリーアダプター層の心をつかみ、コンテンツを開発してもらうこと。そして先進的なユーザーがVision Proに搭載されたどの機能を好んで使うのかを確かめて、必要性が実証された機能や仕様を絞り込んだ普及機を開発する──。
そんなロードマップを描いていてくれれば、新たな体験を心待ちにしている多くの人にもAppleが理想とする次世代コンピュータのビジョンを魅せることができそうだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
Apple、“空間コンピュータ”をうたうMRヘッドセット「Vision Pro」発表 価格は約50万円
米Appleが新カテゴリーとなるMRヘッドセット「Vision Pro」を発表した。
AppleがM2 Ultraを発表! MacのApple Siliconへの移行が完了
AppleがWWDC23において、M2ファミリーの最後のチップとして「M2 Ultra」を発表し、新型Mac StudioとMac Proで採用する。同時に、MacのApple Siliconへの移行完了を宣言した。
どんなWindowsノートPCよりも薄くてパワフルでファンレス! M2チップ搭載「15インチMacBook Air」が6月13日に登場 19万8800円から
AppleがM2チップ搭載のMacBook Airに15.3型ディスプレイを備えるモデルを追加する。6月13日の発売を予定しており、6月6日から販売予約を受け付ける。
M2 Ultra搭載の新型「Mac Pro」発表
Appleがプロユース向けの新型「Mac Pro」を発表。SoCに新しい「M2 Ultra」を搭載し、PCI-Express(PCIe)拡張に対応した。
Mac Studioが初の大型アップデート M2 Ultraを搭載し最大3倍高速に
AppleがWWDC23において、プロ向けの小型デスクトップPC「Mac Studio」を刷新。新たにM2 Ultra/M2 Maxを採用した。
普段使いの利便性を高めた「macOS Sonoma」は2023年秋登場 低遅延の「ゲームモード」も
AppleがmacOSの新バージョンをリリースする。Apple Siliconをより生かす新機能が搭載される他、ゲーマーの取り込みを意図した「ゲームモード」も実装される。
「tvOS 17」発表 Apple TV 4KでFaceTimeやビデオ会議が利用可能に
米Appleが6月5日(現地時間)、Apple TV向けの最新OS「tvOS 17」を発表した。tvOS 17では、新たにFaceTimeが利用可能になり、テレビの大画面でビデオ電話を楽しめる。2023年後半に、Cisco WebexやZoomなどのビデオ会議アプリがtvOS向けに提供される。
Apple Watchで「メンタルヘルス」も管理! 「watchOS 10」が2023年秋にリリース パブリックβは7月から配信予定
Appleが「Apple Watch」向けの新OSを2023年秋にリリースする。OSバージョンが2桁に達することを受けて、UI(ユーザーインタフェース)を刷新する他、メンタルヘルスの管理機能など、新しい機能も複数追加される。


