普段使いの利便性を高めた「macOS Sonoma」は2023年秋登場 低遅延の「ゲームモード」も:Intel Macもサポート
AppleがmacOSの新バージョンをリリースする。Apple Siliconをより生かす新機能が搭載される他、ゲーマーの取り込みを意図した「ゲームモード」も実装される。
Appleは6月6日(米国太平洋夏時間)、Mac向けの新OS「macOS Sonoma(ソノマ)」の概要を発表した。開発者向けのプレビュー版は同日から、パブリックβ版は7月中に配信される。製品版は2023年秋に登場する予定だ。
なお、プレビュー版やパブリックβ版を利用する際はNDA(秘密保持契約)への同意が必要で、Appleが既に公開しているものを除いてスクリーンショットを含む情報を第三者に話したり見せたりすることは禁止されている。
macOS Sonomaの概要
macOS Sonomaは「生産性と創造力を高めるまったく新しい機能を搭載」したという。
スクリーンセーバーには、世界の名所を収めたスローモーション動画が追加されており、ロック画面やデスクトップの壁紙としても設定できるようだ。
ウィジェット機能では、連携しているiPhone(iOS)のウィジェットを利用できるになった。
ビデオ(Web)会議関連の機能としては、共有しているコンテンツの上にカメラに写っているユーザー(人物)を切り抜いて表示する「プレゼンターオーバーレイ」や、映像に風船や紙吹雪といったエフェクトを追加する機能が追加される。
これらの機能はApple Siliconを搭載するモデルにおいて「FaceTime」の他、「Zoom」「Microsoft Teams」「Webex」といった主要なビデオ会議アプリで利用できる。
Zoomアプリでプレゼンターオーバーレイを使っている様子。実はプレゼンターの映像は「バーチャル背景」「共有資料」「カメラが写している映像」をリアルタイムで合成しているのだが、不自然な様子は見受けられない
プレゼンターオーバーレイの模式図。Apple SiliconのNeural EngineやISP(Image Signal Processor)などを活用してリアルタイム合成を行っているという。なお、被写体のサイズは自由自在に変えることができるようで、撮影中に小窓に移す様子も伺えた
AppleのWebブラウザ「Safari」も、新OSの登場に合わせてメジャーバージョンアップされる。新バージョンでは「プライベートブラウズ」や「プロフィール」の機能が強化され、Mac(デバイス)にアクセスできる他のユーザーからのデータ保護機能を搭載した他、同一ユーザーの「仕事用」「個人用」のアカウントを切り替えながら使えるようになる。
macOS Sonomaではゲームアプリに特化した「ゲームモード」も新設される。このモードを有効にすると、システム処理におけるゲームアプリの優先度が「最高」に設定される他、Bluetooth通信のサンプリングレートを引き上げることでワイヤレスイヤフォン(AirPods)やワイヤレスコントローラーのレイテンシー(遅延)を極小化できる。
ゲームアプリは、Apple Siliconに対応していれば特別な対応をすることなくゲームモードの恩恵にあずかれる。
macOS Sonomaの「ゲームモード」では、ゲームアプリの優先度を上げることでフレームレートの安定化を図りつつ、Bluetooth通信のサンプリングレートを引き上げることでワイヤレスオーディオやワイヤレスコントローラーのレイテンシーを極小化する
対応機種
macOS Sonomaは、以下のMacでの動作をサポートしている。なお、新機能の一部は特定の機種(SoC)でのみ利用できる。
- iMac:2019年モデル以降
- iMac Pro:全モデル
- MacBook Air:2018年モデル以降
- MacBook Pro:2018年モデル以降
- Mac Pro:2019年モデル以降
- Mac Studio:全モデル
- Mac mini:2018年モデル以降
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