最大128コア! AMDが第4世代EPYCに「多コア全振りモデル」と「L3キャッシュ爆増しモデル」を追加
AMDのデータセンター/サーバ向けCPU「第4世代EPYCプロセッサ」に追加ラインアップが登場した。クラウドネイティブサービス向けに多コア全振りしたモデルと、テクニカルコンピューティング向けにL3キャッシュ容量に全振りしたモデルを選べるようになった。
AMDは6月13日(米国太平洋夏時間)、データセンター向けCPU「第4世代EPYCプロセッサ」のスケーラビリティー重視モデル(開発コード名:Bergamo)と、3D V-Cacheテクノロジーを適用してL3キャッシュを増量したモデル(開発コード名:Genoa-X)の出荷開始を発表した。
EPYC 97X4プロセッサ(開発コード名:Bergamo)
クラウドネイティブなサービスを提供するデータセンター(サーバ)への導入を前提に、スケーラビリティーを重視したBergamoは「EPYC 97X4プロセッサ」という名称で製品化された。
CPUコアはスケーラビリティーを重視した「Zen 4cアーキテクチャ」で、最大で128コア256スレッド構成となる。オリジナルの「Zen 4アーキテクチャ」と比べると1コア当たりの性能は若干低いが、サーバエンドで稼働する仮想マシン(VM)など、物理コア(や論理スレッド)がたくさん必要な用途では稼働効率が高まるというメリットがある。
ラインアップは以下の通り。
- EPYC 9734
- CPUコア:112コア224スレッド
- 動作クロック:2.2GHz〜3GHz
- L3キャッシュ:256MB
- TDP:320〜400W(定格は340W)
- EPYC 9754
- CPUコア:128コア256スレッド
- 動作クロック:2.25GHz〜3.1GHz
- L3キャッシュ:256MB
- TDP:320〜400W(定格は360W)
- EPYC 9754S(マルチスレッド非対応)
- CPUコア:128コア128スレッド
- 動作クロック:2.25GHz〜3.1GHz
- L3キャッシュ:256MB
- TDP:320〜400W(定格は360W)
3D V-Cache搭載第4世代EPYCプロセッサ
Genoa-Xは「AMD 3D V-Cache搭載第4世代EPYCプロセッサ」として投入される。開発コード名から分かる通り、オリジナルの第4世代EPYCプロセッサ(開発コード名:Genoa)に3D V-Cache Technologyを適用したCPUで、L3キャッシュを最大で1.1GBまで拡張している。
ラインアップは以下の通り。
- EPYC 9184X
- CPUコア:16コア32スレッド
- 動作クロック:3.55GHz〜4.2GHz
- L3キャッシュ:768MB
- TDP:320〜400W(定格は320W)
- EPYC 9384X
- CPUコア:32コア64スレッド
- 動作クロック:3.1GHz〜3.9GHz
- L3キャッシュ:768MB
- TDP:320〜400W(定格は320W)
- EPYC 9684X
- CPUコア:96コア192スレッド
- 動作クロック:2.55GHz〜3.7GHz
- L3キャッシュ:1152MB
- TDP:320〜400W(定格は400W)
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