「Wi-Fi 7」が話題を集める中、なぜバッファローは「Wi-Fi 6E」フラグシップルーターを発売するのか? 開発陣に聞く(2/3 ページ)
バッファローがWi-Fi 6ルーターのフラグシップをモデルチェンジし、「Wi-Fi 6E」に対応した。次世代規格である「Wi-Fi 7」の足音が聞こえる中、あえてWi-Fi 6E対応としてリリースしたのはなぜなのだろうか。開発担当者に狙いを聞いた。
モデルチェンジしたハイエンドルーターの特徴は?
―― 5月上旬に発売された新型Wi-Fi 6Eルーター「WXR-11000XE12」は、どのような機種なのでしょうか。
栗本氏 WXR-11000XE12は、弊社のコンシューマー向けWi-Fiルーターにおける新しいフラグシップモデルという位置付けです。フラグシップモデルのモデルチェンジは、実に約3年半ぶりです。先代のボディーデザインを継承しつつ、6GHz帯の通信への対応を始めとして、さらなる機能強化を図りました。
競合メーカーの中には、Wi-Fi 6Eを「世代間の過渡期」としてスキップする動きを見せる所もあります。しかし、私たちとしてはWi-Fi 6E対応のクライアント機器が普及期を迎えたことを鑑みて、そのメリットを享受しやすいフラグシップモデルこそ、その時々の最新規格に対応すべきだと判断した次第です。
栗本氏 本機はトライバンド対応で、6GHz帯は4ストリームで最大4803Mbps、5GHz帯は4ストリームで最大4803Mbps、2.4GHz帯が4ストリームで最大1147Mbpsの通信に対応しています(いずれも理論値)。内部的には全ての通信アダプターをPCI Express接続とすることで、Wi-Fi 6/6Eのポテンシャルをしっかりと生かせるようになっています。
有線ポートは、10GBASE-T(10Gbps)対応ポートをWAN(外部接続)側とLAN(ローカル側)で1基ずつ搭載しており、これらのスループットも9Gbps超を確保しています。最近普及しつつある、1Gbps超のインターネット接続サービスのポテンシャルもしっかり生かせます。他のLANポート(3基)は1000BASE-T(1Gbps)対応です。
WAN側とLAN側で1基ずつ10GBASE-Tポートを搭載している。スループットは9Gbps超で、WAN側のポートはNTT東日本/西日本の約10Gbpsインターネットサービス「フレッツ 光クロス」との接続検証も行っている
太田氏 先代モデルで評価いただいた「ネット脅威ブロッカー2 プレミアム」「スマート引っ越し」「干渉波自動回避機能」「アドバンスドQoS」といった機能は、新モデルでも引き続き搭載しています。ただし、一部の機能(ネット脅威ブロッカーとアドバンスドQoS)については、少しお待たせすることになり申し訳ないのですが、後日配信するファームウェア更新で対応します。
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