5万2800円からの「GeForce RTX 4060」は“買い”のGPUなのか? 4060 Ti(8GB)との違いを試してみた:先行レビュー(3/4 ページ)
NVIDIAは6月29日22時、デスクトップ向けGPU「GeForce RTX 4060」を搭載するグラフィックスカードの販売を解禁する。先行して登場した上位モデル「GeForce RTX 4060 Ti」と同じくフルHDゲーミングを想定したGPUなのだが、一体どこが違うのだろうか。発売に先駆けて試してみよう。
サイバーパンク2077
ということで、さらに負荷の高い(≒やりとりするデータ量が多い)ゲーム、特に「AAA(大作)ゲーム」をプレイするとどうなるのか、「サイバーパンク 2077」を通してチェックしてみよう。
サイバーパンク 2077には、ゲーム内にベンチマークテストモードがある。これを使って、平均フレームレートを比べる。データの都合で、これ以降のテストは基本的にGeForce RTX 4060 TiとGeForce RTX 4060 Ti(8GB)2つを比べていく。
画質設定を「ウルトラ」とした上で、フルHD、WQHD、4Kの解像度で「DLSS無効(ネイティブ解像度)」「DLSS有効/品質:パフォーマンスウルトラ(フレームレート優先」の平均フレームレートを計測した。気になる結果は以下の通りだ。
- フルHD
- GeForce RTX 4060:DLSS無効→34.02fps/DLSS有効→95.90fps
- GeForce RTX 4060 Ti(8GB):DLSS無効→44.07fps/DLSS有効→180.49fps
- WQHD
- GeForce RTX 4060:DLSS無効→19.90fps/DLSS有効→70.57fps
- GeForce RTX 4060 Ti(8GB):DLSS無効→25.54fps/DLSS有効→132.3fps
- 4K
- GeForce RTX 4060:DLSS無効→3.91fps/DLSS有効:30.96fps
- GeForce RTX 4060 Ti(8GB):DLSS無効→3.66fps/DLSS有効→67.28fps
GeForce RTX 4060では、フルHD解像度であってもネイティブ描画では紙芝居のようになってしまうことがあったが、DLSSを有効にすると突っかかりもなく快適に描画されるようになった。DLSSの効果は絶大である。
WQHD以上の解像度でもDLSSの効果は大きい。ただし、GeForce RTX 4060 Ti(8GB)と比べると“余力”がない。WQHD解像度ならそこそこプレイできるのだが、4K解像度だと結構厳しい。
Microsoft Flight Simulator
超高負荷ゲームとしてもう1つ、「Microsoft Flight Simulator」でも平均フレームレートをチェックしてみよう。
今回は、ディスカバリーフライトの「モナコ」をAI操縦とした上で、「CapFrameX」で2分間の平均フレームレートを計測した。設定で「DirectX 12」を有効にした状態での計測結果は以下の通りだ。
- フルHD
- GeForce RTX 4060:DLSS無効→43.7fps/DLSS有効→69.0fps
- GeForce RTX 4060 Ti(8GB):DLSS無効→60.0fps/DLSS有効→144.6fps
- WQHD
- GeForce RTX 4060:DLSS無効→33.1fps/DLSS有効→64.0fps
- GeForce RTX 4060 Ti(8GB):DLSS無効→59.5fps/DLSS有効→99.3fps
- 4K
- GeForce RTX 4060:DLSS無効→10.1fps/DLSS有効→13.4fps
- GeForce RTX 4060 Ti(8GB):DLSS無効→34.8fps/DLSS有効→50.0fps
やはり、DLSSの効果はてきめんである。しかし、WQHD以上での解像度ではDLSSの効果も限定的で、特に4K解像度ではDLSSを使ってもプレイは困難である。AAAタイトルで“現実的に”ゲームを遊ぶとなれば、DLSSをオンにした上でフルHD解像度とするのがベストだろう。
ちなみに、Microsoft Flight Simulatorで解像度を4Kに設定した場合、GeForce RTX 4060ではメニューなどゲーム本編以外の画面も紙芝居のような動きになってしまい、他の解像度への変更を行うのも苦労した。興味本位で4K解像度を試さないほうがいいかもしれない。
続いて、ゲーム以外の用途におけるパフォーマンスをチェックしていこう。
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