2TB SSD「Crutial T700」でPCIe 5.0接続の実力を試してみた(2/2 ページ)
Micron(マイクロン)のコンシューマー向けとなるPCI Express 5.0接続SSD「Crutial T700」が販売された。先日のエンジニアリングサンプルに続き、製品版で“異次元”のスピードをチェックした。
やはりPCI Express 5.0接続SSDは高速! ただし発熱対策は要注意
テストに利用したのはCrystalDiskMark 8.0.4(デフォルト/NVMeパターン)、PCMark 10 Full System Drive Benchmark、3DMark Storage Benchmarkだ。
テストした範囲ではヒートシンクあり/なしで大きな差はなく、ここではヒートシンクありモデルのスコアを掲載する。
テスト結果は下記の通りで、ヒートシンクの有無に関わらずCrystalDiskMarkでは公称値通りのスコアを記録した。高速なPCI Express 4.0対応SSDの約2倍の性能を実現している。体感速読に影響があるランダムリード(Q1/T1)も毎秒93.1MBと高速だ。
続くPCMark 10 Full System Drive Benchmarkと、3DMark Storage Benchmarkのスコアはともに5000を超えており、圧倒的なスピードになっている。ビジネスシーンだけでなく、ゲーム用途においてもかつてない体感速度を実現している形だ。
圧倒的な性能の一方で気になるのが発熱面だ。今回のテストは、いずれもミドルタワーケースに取り付けた状態で、SSDのヒートシンク周辺にも空気が流れるようにしている。
試しにCrystalDiskMark 8.0.4を3回連続実行した際の温度を計測したところ、ヒートシンクありモデルに比べて、ヒートシンクなしモデル+マザーボード標準のヒートシンクの方が発熱を抑えていた。
温度の推移(室温は25度) | ||
---|---|---|
モデル | ヒートシンクなし | ヒートシンクあり |
アイドル時 | 37度 | 48度 |
1回目 | 50度 | 72度 |
2回目 | 75度 | 76度 |
3回目 | 75度 | 78度 |
どちらの場合も、3回目でもCrystalDiskMarkのスコアに変化はなく、サーマルスロットリングが発生する80度以上にはなっていなかった。Crucial T700のヒートシンクありモデルに比べ、ASRock製マザーボードのヒートシンクは表面積が広く、その差が温度に出たようだ。
いずれにせよ、Crucial T700を常用する場合はできる限り大きめなヒートシンクを取り付け、ケース内の空気の流れに配慮する必要があるといえるだろう。このあたりをおろそかにすると、これまでPCI Express 4.0対応SSDでは顕在化しにくかったデスクトップPCでの発熱問題に直面することになりそうだ。
まだPCI Express 5.0の帯域を使い切る程ではないものの、現時点でこれだけのスピードを得られるのは大きな魅力であり、対応環境を持っていているならばそろそろ一歩を踏み出すのも十分にありだ。ただし、冷却対策は忘れずに行いたい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 毎秒10GB超の読み書きを実現! PCIe 5.0接続のSSD「Crucial T700」(サンプル版)は“異次元”のスピードだった
Micron(マイクロン)がコンシューマー向けのPCI Express 5.0接続SSD「Crucial T700」をリリースする予定である。そのエンジニアリングサンプル版を先んじて試す機会があったので、その“爆速さ”を体感してみよう。 - 本格的なPCIe 5.0 SSDの普及到来か Crucial「T700」デビュー
CrucialからPCIe 5.0対応のM.2 SSD「T700」シリーズが売り出された。ヒートシンクなしモデルもあり、流通量はそれなりに多いという。これで本格的なPCIe 5.0 SSD普及が始まる? - PCIe Gen 5対応SSDがMSIから登場! 3カ月振り2モデルめ
PCIe Gen 5に対応する2TBのM.2 SSDが、MSIから売り出されて注目を集めている。その他にも、カード長が約36mm縮んだRTX 4070 Ti搭載グラフィックスカードや、280mmラジエーターが入るMini-ITXケースなども登場している。 - 日本政府が最大465億円の助成を行うマイクロンメモリ ジャパンの広島工場に行ってみた
米Micron Technologyの日本法人であり、最先端メモリ製品の開発や設計、生産を担うマイクロンメモリ ジャパンの広島工場において、1β DRAMの量産製造開始セレモニーが開催された。 - ハイエンドSSDが新時代に! 176層/PCIe 4.0 x4の新製品2モデルを試す
176層の3D TLC NANDフラッシュメモリを搭載した、PCI Express 4.0 x4対応SSDが続々と登場している。Crucialと日本シーゲイトの最新モデルをチェックした。