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L3キャッシュ爆増しで平均15%超のパフォーマンス向上! AMDがモバイル向け「Ryzen 9 7945HX3D」を投入
AMDが、積層技術によってL3キャッシュを増量したモバイルAPUを投入する。L3キャッシュの増量は、特に低消費電力時に威力を発揮するという。
AMDは7月27日(米国太平洋夏時間)、モバイル向けハイエンドAPU「Ryzen 9 7945HX3D」を発表した。搭載製品の第1弾となるASUSTek製ゲーミングノートPC「ROG Strix SCAR 17 X3D」は、米国で8月22日に発売される。
Ryzen 9 7945HX3Dの概要
Ryzen 9 7945HX3Dは、モバイル向けRyzen 7040HXシリーズの最上位「Ryzen 9 7945HX」をベースに、AMD独自の積層技術「AMD 3D V-Cache Technology」を適用してL3キャッシュを64MBから128MBに“倍増”したモデルとなる。3D-V Cacheのモバイル向けAPUへの適用は、本製品が初めてとなる。
主な仕様は以下の通りとなる。
- CPUコア:16基32スレッド
- CPUクロック:最大5.4GHz
- L2キャッシュ:16MB
- L3キャッシュ:128MB(うち64MBは3D V-Cache)
- GPUコア:Radeon 610M(2コア)
- TDP(熱設計電力):55W+
AMDによると、Ryzen 9 7945HXで「SHADOW OF THE TOMB RAIDER」を1080p(フルHD)/高画質設定でプレイした状態の平均フレームレートを「100%」とした場合、Ryzen 9 7945HX3Dの平均フレームはTDPを40Wとした場合は1.23倍、TDPを70Wとした場合は1.11倍になったという(共にフレームレートの実数の記載はない)。
L3キャッシュが倍増したことによって、特に低消費電力時(≒バッテリー駆動時)のゲーミングパフォーマンスが向上したようだ。
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