待望の新モデル! 東プレの静電容量無接点方式スイッチ採用マウス「REALFORCE RM1 MOUSE」を試す(1/3 ページ)
静電容量無接点方式スイッチを採用した世界初のマウスとしてRealforceキーボードユーザー中心に注目を集めていたマウスの2世代目について、前モデルからの特徴も合わせて紹介する。
東プレから、マウスの新製品となる「REALFORCE RM1 MOUSE」が登場した。同社初のマウス製品「REALFORCE MOUSE」が発売されたのは2020年3月で、当時から東プレの代名詞でもある静電容量無接点方式スイッチを採用した世界初のマウスとしてRealforceキーボードユーザーを中心に注目を集めていた。
しかし、あまりにもストレートかつシンプルな製品名から、今後継続して販売されるのか、それとも1製品限りの販売なのかを読み取ることが難しかった。2製品目ながら、今後のシリーズ展開を期待させる名称となったREALFORCE RM1 MOUSEについて、前モデルからの特徴も合わせて紹介する。
キーボード最高峰メーカーのマウス
2023年4月に東プレから発売された「REALFORCE RM1 MOUSE」(以下RM1)は、同社にとっては2製品目となる静電容量無接点方式スイッチ採用マウスだ。静電容量無接点方式スイッチはキーの押下げによって変化する静電容量を検出する仕組みで、同社のREALFORCEシリーズや、PFU(リコー)のHHKBといった高級キーボードに採用されていることで知られている。
静電容量無接点方式スイッチの特徴は接点がないために耐久性が高いこと、そして「どれくらい押下げられたのか」というリニアな値からソフトウェア的にキーオン/キーオフを決定しているということだ。
「オンからオフ」「オフからオン」のこの2つのポイントには差(ヒステリシス)がつけられており、原理的にチャタリングが発生しないようになっている。さらに、現在のREALFORCE R2以降の同社製キーボードでは、キーオン/キーオフのポイントを変更できるAPC(アクチュエーションポイントチェンジャー)という機能が提供されている。また、直接機能や性能には関係しないが、バネではなくラバードームの復元力でキーを戻すことによる、滑らかなキータッチも魅力的な特徴だ。
このようにキーボード用キースイッチとして確かな評価を得ている静電容量無接点方式スイッチだが、マウスのスイッチとして採用されたのは2020年3月のREALFORCE MOUSEが初めてとなる。マウスにおいても静電容量無接点方式スイッチは至高のスイッチとなりうるのか、今後の同社マウスのシリーズ化第一弾となるRM1で検証していくことにしよう。
ゲーミングマウスではない一般向けマウスだが……
RM1の最大の特徴となる静電容量無接点方式スイッチは、左右ボタンに採用されている。接続はこのクラスには珍しいUSB 2.0の有線接続のみだ。センサーにはゲーミングマウスで使用されることの多い「PixArt PMW3360」を採用しており、最大で1万2000DPIに設定できる。レポートレートは125/500/1000Hzの3段階から設定可能だ。カラーバリエーションとして、グレーのRFM02U21と、スーパーホワイトのRFM02U31がある。
このようなスペックを並べ立てると余計に誤解されがちだが、RM1はゲーミングマウスではなく、一般向けという位置付けになっている。とはいえ、同社もある程度ゲーミング用途を意識しており、随所にゲーミングマウス的な特徴を備えている。
まずはボディーデザインだが、いわゆるMicrosoftの“IntelliMouse Explorer 3.0”スタイルで、ぱっと見では左右対称っぽく見えるが、親指側となる左側面が窪み、右側面が膨らんだ左右非対称のデザインだ。全体的に右手に沿うようにやや左にひねったような、特徴的というか定番ともいえるナス型のフォルムだ。
IntelliMouseシリーズは、1997年に発売された初代モデルの「IntelliMouse」から2003年のIntelliMouse Explorer 4.0までモデルリリースを重ね、さらにその後も復刻版のリリースが相次ぐ人気のシリーズだ。明確にゲーム用とされているわけではないが、ゲーミングマウスの祖ともいわれる名機であり、そのデザインを踏襲したRM1も同様に受け取られても無理はない。
RM1のデザインは、前モデルのREALFORCE MOUSEの時から変わらない。おそらく金型も同じだろう。REALFORCE MOUSEにあった底面のレポートレート変更スイッチはRM1で廃止されたが、その場所には窪みだけが残っている。なお、背面のスイッチは廃止されたものの、レポートレートの変更機能自体は健在で、設定用ソフトウェア「REALFORCE CONNECT」から設定が可能だ。
LEDイルミネーションもまた、ゲーミングマウス的要素の一つといえるだろう。RM1ではホイールとインジケーターの2カ所に個別設定できる。色は原色の7色に中間色を加えた13色、それに色が変化するレインボーと滑らかに白色が点滅するホタルの2つのパターンを加えた計15種から選択する。
同社のゲーミングキーボードREALFORCE GX1カスタマイズの幅に比べると、デコレーション好きにとっては物足りないかもしれない。その一方で点灯部分が控えめなので、オフィスで使っても違和感はなさそうだ。
その他、マウスソールが前モデルの超高分子量ポリエチレンからPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)に変更されている。PTFEはフッ素樹脂の中でも摩擦係数が小さく、ゲーミングマウスや換装用マウスソールでの採用も多い素材だ。
RM1の底面。マウスソールは超高分子量ポリエチレンからPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)に変更。REALFORCE MOUSEにあったレポートレート変更用のスライドスイッチはなくなり、窪みだけが残っている
前モデルで採用されていた超高分子量ポリエチレンも同様の特徴を持つが、PTFEに比べると摩擦係数はやや高い。ちなみに、前モデルで超高分子量ポリエチレンを選択した理由の一つは材料に黒色があったことだという。PTFEを採用したRM1では、マウスソールの色が白に変わっているが、これはもしかしたらカラーバリエーションでホワイト系を出したことにも関係するのかもしれない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.