PFU「HHKB Professional HYBRID Type-S 雪」で始めるHHKBライフ〜無刻印への道(1/5 ページ)
PFUの小型キーボード「Happy Hacking Keyboard Professional HYBRID Type-S」の最新版となる、「雪」モデル。HHKBの歩みから本モデルの特徴、さらにはHHKBへの“くら替え”から無刻印への歩みをまとめた。
日本が誇る高級キーボードの雄であるPFU「Happy Hacking Keyboard」シリーズ(以下HHKB)。2021年10月に登場した、生誕25周年記念限定モデル「HHKB Professional HYBRID Type-S 雪」は、3万円を超える価格ながらあっという間に完売し、その人気の高さを実証する結果となった。
そのあまりの人気ぶりに、ちょうど1年後の2022年10月、新たなデザインの「HHKB Professional HYBRID Type-S 雪」が通常モデルとして販売が開始された。HHKBはこだわりの強いキーボードであるがゆえに、万人受けするわけではない。だが、そこに自身を適合させることができれば間口の広い、癖の少ないキーボードよりも、もっと濃密なマリアージュとなるはずだ。
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そもそも「HHKB Professional HYBRID Type-S 雪」とは?
まずは、このHHKB Professional HYBRID Type-S 雪の特徴を簡単に振り返っておこう。この長いモデル名は、26年に及ぶHHKBの歴史を物語っている。
HHKBは、初代Happy Hacking Keyboardから続く略称でありシリーズ名でもある。Sun、PC、Macなど異なる環境でも同様のタイピングができることを目指すというコンセプトから、最小共通部分の規格化を図った結果、HHKBはキーピッチ、ストロークとも通常のフルキーボードと同等を維持しながらも、コンパクトなフットプリント、複数環境への対応を実現している。1996年に発売された初代モデルは、メンブレンスイッチを採用し英語配列のみだった。
「Professional」は、2003年5月に発売された静電容量無接点方式のモデルで、「HHKB Professional」の名称が付けられた。初代があくまで「理想の配列」にこだわっていたのに対し、さらに「理想のキータッチ」を目指したモデルとなった。
当時、筆者の周囲ではキータッチにこだわるなら静電容量無接点方式の東プレ「Realforce」シリーズ、コンパクトさや配列にこだわるならHHKB、というすみ分けがあったものだが、それを打ち壊すHHKB Professionalの登場はものすごいインパクトだった。「ドラクエ」のエニックスと「ファイナルファンタジー」のスクウェアが1つになったような衝撃、と言えば伝わるだろうか。
「Type-S」が付けられたのは、2011年6月発売の「HHKB Professional Type-S」からだ。HHKB Professionalと比べ、キーストロークを従来の約4mmから約3.8mmに調整、駆動部のかみ合わせをタイトにすることで高速性(Speedy)を、キー内部の緩衝材によって静粛性(Silent)を実現したモデルになる。
長らく有線モデルのみだったHHKBシリーズだが、ついに2016年4月、Bluetoothに対応した「HHKB Professional BT」が登場する。ワイヤレスモデルのため、背面に円筒形の電池ボックス(単3形乾電池×2)が追加されている。USBポートも搭載されているが、給電専用で接続はBluetoothのみだ。
HHKB初のワイヤレスモデルということで注目を集めたものの、当初はBluetooth接続が切れやすいという声が散見されたこと、USB接続ができないということからHHKBユーザーにとっては悩ましいモデルだったのではないだろうか。
2019年12月にはHHKB Professional BTのBluetooth接続に加えて、USB接続をサポートしたHYBRIDモデル、「HHKB Professional HYBRID Type-S」「HHKB Professional HYBRID」が登場する。
Bluetoothの接続先も4台まで登録でき、USB接続も含めて5台を切り替えて使用できる。前モデルがワイヤレスか、高速/静粛か、という別軸の2択だったことに対し、本モデルではワイヤレス+USB接続を新たなスタンダード仕様としつつ、通常版と高速性/静粛性を実現したType-Sという選択肢を設けている。
その後、25周年記念モデルとして2021年10月に発売されたのがHHKB Professional HYBRID Type-S 雪だ。今までのアイボリー気味の白から、純白とも言える真っ白な新色「雪」を採用した限定モデルは、前述の通り発売後すぐに完売という大人気を博した。
それからちょうど1年後、2022年10月に細かな点をリファインし、通常モデルとして発売されたモデルが、冒頭で紹介したHHKB Professional HYBRID Type-S 雪だ。
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