PFUの真っ白な「HHKB Professional HYBRID Type-S 雪」を試す:雪を買って幸せになれる? なれない?(1/5 ページ)
熱烈なファンが多いPFUの「Happy Hacking Keyboard」が、2021年12月で生誕25周年を迎える。そのタイミングで投入された特別記念モデル「HHKB Professional HYBRID Type-S 雪」を試した。
PFUより、Happy Hacking Keyboard生誕25周年特別記念モデル「HHKB Professional HYBRID Type-S 雪」(以下HHKB-雪)が発売された。ベースとなるのは2019年12月に発売された現行モデル「HHKB Professional HYBRID Type-S」(以下HHKB HYBRID Type-S)だが、新雪を思わせる鮮やかな白色ボディーとキーは、HHKBファンの心をがっちりとわしづかみにしている。
だが、HHKBと言えば60キーしかない(英語配列)のに3万円を超える高級キーボード。1キーあたり600円も出して後悔しないだろうか、それよりは112キー(日本語配列)で1キーあたり320円を切る「REALFORCE R3」の方がお得ではないだろうか、と迷う人もいるかもしれない。
こういった計算の善しあしはともかくとして、HHKB Professional HYBRID Type-S 雪を買って幸せになれる人はどういうタイプの人かを、考えてみた。
Happy Hacking Keyboardの生誕25周年特別記念モデルとして用意された「HHKB Professional HYBRID Type-S 雪」。クリーム色ではない、純白のHHKBだ。サイズは約294(幅)×120(奥行き)×40(高さ)mm、重量は約550g(電池含まず、英語配列モデルは約540g)となる
PCは消耗品 キーボードは生涯使えるインタフェース
2021年10月に発売されたHHKB-雪は、2019年12月発売のHHKB HYBRID Type-Sのバリエーションモデルとなる。両モデル間に機能/性能的な面の違いはないため、本稿ではHHKB HYBRID Type-Sの特徴も合わせて紹介しよう。
HHKBは、カウボーイが馬が死んでも同じ鞍を使い続けるように、パソコンは買い換えてもキーボードは生涯使えるインタフェースであるべきだ、という思想のもと設計された。そのため、25年というHKKBの長い歴史の中でも本体に大幅な設計変更はない。だが、PCとのインタフェースや利用シーンの変化に追従すべく、数度のマイナーチェンジがあった。無線接続や静音対応などがそれだ。
初めて無線接続に対応したHHKBシリーズは、2016年4月に発売された「HHKB Professional BT」(以下、HHKB BT)になる。このとき筆者は「Bluetooth搭載で『馬の鞍』は時代に追いついたか――Happy Hacking Keyboard Professional BTを試す」という記事を書いている。その中ではHHKB BTがBluetooth専用であり、USB接続できないこと、複数接続先の切り替えができないことを問題点として挙げた。
これらは、2019年12月に発売された「Happy Hacking Keyboard Professional HYBRID」(以下、HHKB HYBRID)と「Happy Hacking Keyboard Professional HYBRID Type-S」(以下、HHKB HYBRID Type-S)で解消されている。
HHKB HYBRID/HHKB HYBRID Type-Sでは最大4つのBluetooth(4.2)接続先を登録でき、USB接続と合わせて最大5台の機器を切り替えて使用できるようになった。また、HHKB HYBRID Type-SのType-SはSpeed(高速タイピング性)とSilent(静粛性)に優れたモデルであることを意味しており、タイプ音はかなりソフトになっている。
だが、HHKB HYBRIDはPFUダイレクトでの販売価格が3万250円、HHKB HYBRID Type-Sは3万5200円(税込み、以下同様)と、3万超えの高級キーボードだ。奇しくもHappy Hacking Keyboardと比較されることの多いREALFORCEも20年目の新シリーズ、REALFORCE R3を発売したばかりである。購入の一助となるよう、3万超え高級キーボードの両雄を比較してみよう。
次に、HHKBのキー数が生まれた理由を見ていく。
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