NVIDIAの測定デバイス「PCAT2」で最新GPUから旧モデルまで消費電力を測って分かったこと(前編):準備こそがクライマックス?(4/4 ページ)
グラフィックスカード(GPU)の消費電力をリアルタイムに測れる――NVIDIAがそんなデバイスを開発していることをご存じだろうか。今回、PCI Express 4.0に対応した第2世代製品を試す機会があったので、まずはその特徴とセットアップの過程を紹介しようと思う。
PCATユーティリティー(アプリ)の使い方
計測用PCの準備が整ったら、PCAT2のメイン基板と記録用PCをUSBケーブルでつなぎ、記録用PCで「PCATユーティリティー」(アプリ)を起動しよう。接続面で何らかの問題がなければ、これで計測の準備は完了となる。計測用PC側でゲームをプレイしたり、ベンチマークテストを実行したりして消費電力を測っていこう。
PCATユーティリティーのウィンドウの上部は、リアルタイムの計測値が表示されるエリアだ。ここには「総消費電力(TOTAL)」の他、計測期間中に検出された「瞬間最小消費電力(Min)」「瞬間最大消費電力(Max)」「計測期間中の平均消費電力(AVg)」も表示される。このマスの下にある「Reset Min/Max/Avg」ボタンを押すと、計測スコアは初期化される。
その横にある「12V1」「12V2」「12V3」の表示は、PCAT2のメイン基板にある3つの電源コネクターに供給される電力値(電圧/電流/電力)が示される。「SLOT」「3V3」「AUX」は、それぞれPCI Expressスロット側の12V/3.3V/補助3.3Vの電源ラインにおける電力供給状況を表す。グラフィックスカードの消費電力を測定する場合は、TOTALだけか、あるいは配線した12V1〜3やSLOTの消費電力に着目することになると思う。
実際のところ、PCAT2を使うとさまざまなPCI Express拡張カードの消費電力を測ることができる。グラフィックスカード以外のカードの消費電力を測る場合は、3V3やAUXの計測値も重要なチェックポイントとなりそうだ。
PCATユーティリティーの画面。緑の波形は「総消費電力(TOTAL)」、青の波形は「1番目の外部12V電源供給(12V1)」、紫の波形は「PCI Expressスロット(SLOT)の消費電力を表している
ユーティリティーのウィンドウの右側に並ぶボタンの中で、重要な機能を果たすのが「Log Data」ボタンだ。ここを押すと、PCAT2が取得した全ての計測値をタイムスタンプ付きでCSVファイルへと書き出し始める。このボタンをもう一度押すと、書き出しが終了する。書き出し中は、「録音ボタン」のような感じで赤くなるので分かりやすい。
「Reset PCAT」ボタンは、その名の通りPCATのリセットを行うためのボタンだ。クリックすると、波形画面を含む全要素が初期化され、記録用PCとのUSB接続を切断し、再起動して再接続を行う。
筆者も遭遇したのだが、長時間使っていると、ごくまれに画面の波形が“二重”に映ってしまうことがあった(例えば紫の波形が2本出たりする)。このように画面がおかしくなったらこのボタンを頼るといいだろう。
ここまでで、一通りの準備が整った。次回は、実際にベンチマークテストを行いつつ、消費電力を測っていく。
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