ぽつぽつ指摘していたら弱点が無くなってしまった…… XPPenの「Artist Pro 16(Gen2)」をプロ絵師が触って驚いたこと:ある日のペン・ボード・ガジェット(4/4 ページ)
コスパが高い液晶ペンタブレットを多数用意するXPPenから、1万6384段階の筆圧検知に対応した「Artist Pro 14/16」の第2世代モデルが登場しました。プロイラストレーターのrefeiaさんが試したところ……。
まとめ
それでは、まとめていきましょう
気に入った点
- 見た目が美しいボディー
- 内蔵スタンド
- ちょうど良い解像度と16:10のアスペクト比
- フルラミネーションのアンチグレアパネル
- 広色域に対応し、sRGBモードもあるディスプレイ
- 従来の弱点が解消したペン
- 豊富な付属品
- リーズナブルな価格
難点になりえる点
- オン荷重がやや高く、設定で下げる余地がない
- 設定画面で筆圧レベルが偶数しか表示されない
- 軸が細いペンの選択肢がない
- タッチ操作非対応
- 画面がやや滑りやすい
Artist Pro 16(Gen2)は、16型液タブの上位機として非常によくまとまったモデルです。従来の海外メーカー液タブにあった弱点の多くが解決していて、目立った弱点や不満がほとんどないのも特徴です。集中を要する込み入った制作でも、違和感や機能/性能の不足などに妨げられることなく作業を進めることができるでしょう。
一方で、ペンの描き味やユーザーの好みに寄り添う能力においては、ワコムやXencelabsほど妥協なくできてはいません。価格帯がかけ離れていることを考えるとそのレベルを求めるのは酷というものですが、ペンはとにかく最高のものが必要という人は、別の選択肢を検討すると良いでしょう。
本機は、明らかにCintiq Pro 16を意識して作られたモデルだと思います。過去には仕様を丸被りさせて対抗したモデルも作られていましたが、今回はディスプレイの解像度やアスペクト比、筆圧レベルなど、彼らなりのベストを押し出していて、接続仕様やファンレスなども含めて、実用上Cintiq Pro 16より優れている点も多いです。
自分は既にタッチパネル付きの液タブに依存してしまっているのでリプレースは思い描けませんが、コストを抑えながらも品質の良い中型の液タブが欲しい人なら、外して検討するわけにはいかない有望な選択肢の1つと言えるでしょう。
※記事初出時、左手デバイス「ACK05」について「実行中のアプリによって割り当てを自動で切り替える機能まではありません」としましたが、正しくは自動切り替えに対応しています。おわびして訂正します(2023年12月19日午後12時12分)
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