手が届くMRヘッドセット「Meta Quest 3」実機レビュー 買わないと決めていた記者の心が揺れ動いている(2/4 ページ)
ついに発売したスタンドアロン型VR/MRヘッドセット「Oculus Quest 3」の先行レビューをお届け。「しばらくQuest 2のままでいいや」──それは甘い考えでした。
装着感やレンズなど細かな改善の相乗効果で、とにかく映像が見やすい
Quest 3は解像度がQuest 2に比べて約30%向上するなど、スペックシート上でも進化していますが、それ以上に上記で紹介した細かな変更点の相乗効果による、装着感や映像の見え方の改善が体感でかなり大きいです。
VRゴーグルのレンズは、映像がきれいに見えるスイートスポット(ピントが合う範囲)があります。Quest 2はゴーグル本体やゴムバンドの位置がバッチリ決まるときれいに見えるのですが、少しでも位置がずれてしまうと映像がぼやけたり、白っぽく見えたり、フレネルレンズ特有の同心円状の模様に沿って光が反射したりといった場面がありました。
つまりスイートスポットが狭いのです。オプションを追加して固定の力を高めて、目がスイートスポットの位置からなるべく動かないようにすることもできますが、調整に一手間かかります。
一方、Quest 3はスイートスポットがかなり広くなっています。装着中にゴーグルの位置が少しズレたとしても映像がくっきり見えたままの場合が多く、非常に快適です。実際、他の人にゴーグルを貸した際も、きれいに映像が見られる位置に微調整する時間がかなり削減されました。
上記のスイートスポットについて分かりやすくイメージしてもらうための実験として、スマートフォンのカメラをゴーグルのレンズに押し当てて撮影してみました。
上段のQuest 3はスイートスポットが広いのでカメラのレンズを大ざっぱに押し当てて撮影しても隅々までクッキリ写っているのに対し、下段のQuest 2はカメラのレンズの位置がシビアで周辺が流れてしまっています。これが人間の目でも同じことが起きるとイメージしてもらえれば理解が早いでしょう。
「Meta Quest 2」でレンズ越しに映像を直接撮影したもの。うまくカメラのレンズを配置するのに苦労した他、周辺が流れています(KONAMIのVRバンド演奏ゲーム「BEAT ARENA」©2023 Konami Digital Entertainmentより)
スイートスポットの改良──これがQuest 3の最大の改善点だと記者は感じています。
関連記事
- Meta、Instagramなどに生成AIを導入 Quest 3にも対話型アシスタントが入る
Metaが開発中の生成AI技術群を発表した。Instagramなどで使える画像生成AIによるスタンプや、対話型のアシスタント「Meta AI」などが含まれている。 - 実機写真で見る「Meta Quest 3」 日本で10月10日発売、7万4800円から 記者が実感したMR機能の魅力
VRヘッドセットの新モデル「Quest 3」が日本で10月10日に発売する。短時間ではあるが実機を試用する機会に恵まれたので紹介する。 - 「XREAL Air+Beam」は仕事に役立つか? “今すぐ買えるARグラス”でモバイルオフィスを実現
企業や組織のIT部門を支援してきた石黒直樹氏が、実際に使っていて仕事に役立つと思ったものや、これから登場する新製品、新サービスをいち早く試してレビューする連載。 - Meta Quest Proをハイブリッドワークで使って見る(前編)
Meta(旧Facebook)のVRヘッドセット最新モデル「Meta Quest Pro」。「Meta Quest 2」の上位モデルとなるが、まずは実機を細かくチェックした。 - MetaのハイエンドVRヘッドセット「Quest Pro」は22万6800円からで予約受付中
Metaはハイエンドヘッドセット「Meta Quest Pro」を発表した。日本でも同日予約受付を開始した。価格は22万6800円からだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.