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“Oryon”(オライオン)はWindows PCの世界にインパクトを与えられるかQualcomm Snapdragon Summit 2023(3/3 ページ)

Qualcommが毎年恒例のイベント「Snapdragon Summit 2023」を開催した。そこで発表された新SoC「Snapdragon X Elite」の概要をお届けする。

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AIパフォーマンスで性能差をアピール

 例を挙げると、数GBから10GB程度のLLMをデバイス内に搭載し、クラウドに接続せずにChatGPTライクで応答可能な音声アシスタントを動作させたり、Stable Diffusionをスマートフォン上でオンデバイス動作させたりといった具合だ。

 既にスマートフォンにおけるAI活用は、写真撮影や音声録音などの面で広く行われているが、Snapdragon 8 Gen 3では同じ推論エンジンを動作させるだけで前モデルと比較してより短時間でレスポンスが返ってきたり、あるいは処理が完了したり、さらにはより大きなデータを扱えるようになったりと、世代が進んだことによるパフォーマンス向上でそのメリットをさらに享受できるようになるという。

Snapdragon X Elite Oryon Qualcomm SoC Summit 2023
オンデバイスでの生成AI活用をさらに推進する
Snapdragon X Elite Oryon Qualcomm SoC Summit 2023
同じAIアプリであっても、前世代と比較してレスポンスが大きく向上したり、処理時間がより短くなったりするなどのメリットがある

 興味深いのは、これまでシンプルにパフォーマンス比較がしやすいゲームや画像処理を中心に新製品をアピールしてきた中国のXiaomiが、今回はAIパフォーマンスで他社より優位にあると自社製品を紹介していた点だ。

 毎回、Snapdragon Summitでは最新SoCを搭載するメーカーのお披露目が行われているのだが、Snapdragon 8 Gen 3を採用した「Xiaomi 14」シリーズが10月26日にグローバル発表されることをアピールするとともに、AI方面での活用や事例を紹介している。

 シンプルなパフォーマンス比較より、“AI”というアプリケーションが製品差別化のポイントの1つになりつつあることの表れともいえる。

Snapdragon X Elite Oryon Qualcomm SoC Summit 2023
Xiaomiは60億パラメーターを持つLLMをオンデバイス動作させていることをアピールした
Snapdragon X Elite Oryon Qualcomm SoC Summit 2023
間もなく正式発表されるXiaomi 14を手に紹介するのは、中国Xiaomiパートナー兼プレジデントのウィリアム・ルー氏

 なお、AIパフォーマンスを向上させる要素の1つがプロセッサコアの強化だが、スマートフォン向けのSnapdragon 8シリーズにおいても、2024年登場の次世代モデルにおいてOryonをCPUコアに採用することが予告されている。

 順当進化の1つではあるが、これが全体のパフォーマンス向上にどう影響するかは改めて注視したい。

Snapdragon X Elite Oryon Qualcomm SoC Summit 2023
スマートフォン向けSnapdragon 8のシリーズにも2024年にOryonコアを投入することを予告した
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