プレミアムとクリエイティブ、どちらを選ぶ? デルの「XPS 13 Plus」と「XPS 15」の性能を検証する(3/4 ページ)
「XPS 13 Plus」と「XPS 15」、詳細レビューによってそれぞれの特長を掘り下げると共に、使用シーンやニーズによってどちらのモデルが適しているのかを解説する。
ベンチマークで両機種のパフォーマンスをチェック
ここからはベンチマークソフトによるテストでXPS 13 PlusとXPS 15のパフォーマンスをチェックしていく。電源設定はいずれも「最適なパフォーマンス」にして測定している。
CINEBENCH R23
3Dレンダリングを通してCPUのパフォーマンスをチェックする「CINEBENCH R23」を実行してみた。
- XPS 15
マルチコア:14228ポイント
シングルコア:1881ポイント
- XPS 13 Plus
マルチコア:10729ポイント
シングルコア:1576ポイント
XPS 15に搭載されているCore i7-13700Hは、6コア12スレッドのPコアと、8コア8スレッドのEコアで構成される14コア20スレッドのCPUだ。動作周波数はPコアが2.4GHz〜5.0GHz、Eコアが1.8GHz〜3.7GHzとなっている。
一方で、XPS 13 Plusに搭載されているCore i7-1360Pは、4コア8スレッドのPコアと、8コア8スレッドのEコアで構成される12コア16スレッドのCPUだ。動作周波数はPコアが2.2GHz〜5.0GHz、Eコアが1.6GHz〜3.7GHzとなっている。
PBP(Processor Base Power) 45WのHシリーズとPBP 28WのPシリーズでの比較ということもあり、マルチコアで約1.3倍、シングルコアで約1.2倍の差が出ているが、XPS 13 Plusも十分健闘しているといえるだろう。
PCMark 10
続いてPCの総合ベンチマークアプリ「PCMark 10」の結果を見てみよう。
- XPS 15
総合:7513
Essentials(アプリ計算、Web会議、Webブラウズ):10997
Productivity(表計算、ワープロ):10152
Digital Content Creation(写真/動画の編集やレンダリング):10308
- XPS 13 Plus
総合:5244
Essentials(アプリ計算、Web会議、Webブラウズ):9678
Productivity(表計算、ワープロ):7169
Digital Content Creation(写真/動画の編集やレンダリング):5642
PCMark 10でも大きく差をつけているが、XPS 13 Plusのスコアでも普段使いでは十分快適に作業が可能だ。
3DMark
続いて「3DMark」を使って3Dグラフィックの性能を確かめてみよう。今回はDirectX 12ベースで高負荷の「Time Spy」、DirectX 11ベースで高負荷の「Fire Strike」の2つを実行した。
- XPS 15
Fire Strike:16015ポイント
Time Spy:6424ポイント
Fire Strike:4109ポイント
- XPS 13 Plus
Time Spy:1532ポイント
独立したGPUを搭載するXPS 15と内蔵GPUのみのXPS 13 Plusを比較するのもどうかと思うが、XPS 13 Plusも数年前のノートPCに比べれば十分なパフォーマンスを備えているといえる。
ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ ベンチマーク
実際のゲームベースのベンチマークテストである「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ ベンチマーク」(FF14ベンチマーク)もチェックしてみよう。解像度はフルHD(1920×1080ピクセル)で、フルスクリーン表示で実行している。
- XPS 15
標準品質(ノートPC):14744(とても快適)
高品質(ノートPC):12089(とても快適)
最高品質:11667(とても快適)
- XPS 13 Plus
標準品質(ノートPC):6776(やや快適)
高品質(ノートPC):5086(普通)
最高品質:3830(設定変更を推奨)
XPS 13 Plusには厳しいベンチマークかと思っていたが、標準品質(ノートPC)では「やや快適」のスコアが出ている。これはPコアが4基あることが影響していると考えられる。軽めのゲームであれば内蔵GPUのXPS 13 Plusでも十分遊べるという発見は大きい。
もちろん独立したGPUを備えるXPS 15では最高品質でも「とても快適」のスコアが出ているのでゲームでも安心だ。
CrystalDiskMark
今回レビューしたXPS 13 PlusとXPS 15には、どちらもSK hynix製のPCI Express 4.0対応SSD「PC801」の512GBモデルが搭載されている。そのパフォーマンスを「CrystalDiskMark 8.0.4」で確かめてみた。
- XPS 15
シーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1):毎秒7142.43MB
シーケンシャルリード(SEQ1M Q1T1):毎秒4789.39MB
ランダムリード(RND4K Q32T1):毎秒370.04MB
ランダムリード(RND4K Q1T1):毎秒68.59MB
シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1):毎秒5242.52MB
シーケンシャルライト(SEQ1M Q1T1):毎秒3711.81MB
ランダムライト(RND4K Q32T1):毎秒531.90MB
ランダムライト(RND4K Q1T1):毎秒156.90MB
- XPS 13 Plus
シーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1):毎秒7062.27MB
ランダムリード(RND4K Q32T1):毎秒375.32MB
ランダムリード(RND4K Q1T1):毎秒68.87MB
シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1):毎秒4990.33MB
シーケンシャルライト(SEQ1M Q1T1):毎秒3390.58MB
ランダムライト(RND4K Q32T1):毎秒501.43MB
ランダムライト(RND4K Q1T1):毎秒160.87MB
PCI Express 4.0接続のSSDを搭載しているため、読み書きの速度は十分すぎるほどに高速だ。大抵の作業は快適にこなせるだろう。
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