今度のSUPERはどうだ? 17万円切りで4Kでも快適に使える「GeForce RTX 4080 SUPER」を試す(2/4 ページ)
NVIDIA製新型GPU「GeForce RTX 4080 SUPER」を搭載するグラフィックスカードの販売が解禁された。日本未発売の自社設計カードを使って、本GPUのパフォーマンスをチェックしていく。
ベンチマークテストで実力をチェック!
ここからはGeForce RTX 4080 SUPERの実力をベンチマークテストを通してチェックしていこう。
従来と同じく、今回のテストは筆者の自作PCを使って行う。ただし、前回「GeForce RTX 4070 Ti SUPER」をテストした際にCPUがボトルネックになっていると推測される結果となったテストがあったことを受けて、CPUを「Core i9-13900K」に換装した。
その上で、先日試したGeForce RTX 4070 SUPER(Founders Edition)とGeForce RTX 4070 Ti SUPER(Palit GeForce RTX 4070 Ti SUPER JetStream OC)でもテストを実施し直した。「CPUが変わるとある程度スコアも変わる」という参考になれば幸いだ。
なお、今回は全てのGPUでテスト版のグラフィックスドライバー「バージョン551.22(Games Ready)」を使っている。
CINEBENCH 2024
まず、3Dレンダリングを通してCPU/GPUのパフォーマンスを確認できる「CINEBENCH 2024」を実行した。スコアは以下の通りだ。
- GeForce RTX 4080 SUPER:2万7348ポイント
- GeForce RTX 4070 Ti SUPER:2万4567ポイント
- GeForce RTX 4070 SUPER:1万9041ポイント
GeForce RTX 4080 SUPERが一番優秀なのはさておき、GeForce RTX 4070 SUPERとGeForce RTX 4070 Ti SUPERの差が意外と開いていることが興味深い。これはGeForce RTX 4070 SUPERのみグラフィックスメモリのバス幅が192bitであることが関係しているものと思われる。
この結果をベースに、この先のテストの結果(スコア差)を見ていくと、それぞれの「得意」「不得意」が分かりやすいだろう。
3DMark
3Dグラフィックスのパフォーマンスをチェックするベンチマークテスト「3DMark」で主要なテストを実行してみよう。今回はDirectX 11ベースの「Fire Strikeシリーズ」、DirectX 12ベースの「Time Spyシリーズ」を用意されている全ての解像度で試験しつつ、リアルタイムレイトレーシングをチェックする「Port Royal」のテストも実施した。
各テストの総合スコアは以下の通りだ。
- Fire Strike(DirectX 11/フルHD)
- GeForce RTX 4080 SUPER:4万781ポイント
- GeForce RTX 4070 Ti SUPER:3万9736ポイント
- GeForce RTX 4070 SUPER:3万8032ポイント
- Fire Strike Extreme(DirectX 11/WQHD)
- GeForce RTX 4080 SUPER:3万1613ポイント
- GeForce RTX 4070 Ti SUPER:2万7400ポイント
- GeForce RTX 4070 SUPER:2万4205ポイント
- Fire Strike Ultra(DirectX 11/4K)
- GeForce RTX 4080 SUPER:1万7982ポイント
- GeForce RTX 4070 Ti SUPER:1万4627ポイント
- GeForce RTX 4070 SUPER:1万2650ポイント
- Time Spy(DirectX 12/WQHD)
- GeForce RTX 4080 SUPER:2万6660ポイント
- GeForce RTX 4070 Ti SUPER:2万2936ポイント
- GeForce RTX 4070 SUPER:2万452ポイント
- Time Spy Extreme(DirectX 12/4K)
- GeForce RTX 4080 SUPER:1万4118ポイント
- GeForce RTX 4070 Ti SUPER:1万1905ポイント
- GeForce RTX 4070 SUPER:1万276ポイント
- Port Royal(DirectX 12/レイトレーシング)
- GeForce RTX 4080 SUPER:1万8526ポイント
- GeForce RTX 4070 Ti SUPER:1万5440ポイント
- GeForce RTX 4070 SUPER:1万2913ポイント
やはり、3つのGPUの中ではGeForce RTX 4080 SUPERのスコアは圧倒的だ。特に4K解像度(3840×2160ピクセル)描画のテストと、リアルタイムレイトレーシングのテスト結果は注目に値する。
スペックの説明でも触れたように、GeForce RTX 4080 SUPERは各種コアが増加している。これが4K解像度での描画や、リアルタイムレイトレーシング処理のパフォーマンス向上につながった。
先行する4070 SUPERや4070 Ti SUPERが「フルHD(1920×1080ピクセル)やWQHD(2560×1440ピクセル)をメインで、超解像技術(DLSS)を使えば4Kも何とか」という感じだったことと比べると、ネイティブ4Kでもそこそこ快適なのが4080 SUPERの強みといえる。
FF14/FF15ベンチマーク
続いて、実際のゲームタイトルをベースとするベンチマークテストアプリを使ってパフォーマンスをチェックしてみよう。
まず、少し軽めの「ファイナルファンタジーXIV : 暁月のフィナーレ ベンチマーク(FF14ベンチマーク)」を最高画質のプリセットでフルHD/WQHD/4Kの3つの解像度でスコアを測った。結果は以下の通りだ。
- フルHD
- GeForce RTX 4080 SUPER:3万9402ポイント
- GeForce RTX 4070 Ti SUPER:3万7036ポイント
- GeForce RTX 4070 SUPER:3万5512ポイント
- WQHD
- GeForce RTX 4080 SUPER:3万4457ポイント
- GeForce RTX 4070 Ti SUPER:3万1409ポイント
- GeForce RTX 4070 SUPER:2万8950ポイント
- 4K
- GeForce RTX 4080 SUPER:2万2292ポイント
- GeForce RTX 4070 Ti SUPER:1万8859ポイント
- GeForce RTX 4070 SUPER:1万5387ポイント
FF14ベンチマークの結果は、傾向的には3DMarkと近い。WQHD解像度までは、スコアの差があってもパッと見の動き(描画)に大きな差は感じられないが、4K解像度になった途端にスコアはもちろん動きにも差が付いた。
続けて、システムへの負荷がやや大きい「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK(FF15ベンチマーク)」の高画質設定も合わせて実行してみよう。解像度はFF14ベンチマークと同じくフルHD/WQHD/4Kの3つで行っている。結果は以下の通りだ。
- フルHD
- GeForce RTX 4080 SUPER:2万2100ポイント
- GeForce RTX 4070 Ti SUPER:2万1290ポイント
- GeForce RTX 4070 SUPER:2万36ポイント
- WQHD
- GeForce RTX 4080 SUPER:1万9398ポイント
- GeForce RTX 4070 Ti SUPER:1万6825ポイント
- GeForce RTX 4070 SUPER:1万4829ポイント
- 4K
- GeForce RTX 4080 SUPER:1万2154ポイント
- GeForce RTX 4070 Ti SUPER:9859ポイント
- GeForce RTX 4070 SUPER:8439ポイント
より処理が重たいFF15ベンチマークだが、フルHD解像度では3つのGPUに大きなスコア差はない。しかし、WQHD解像度以上では4080 SUPERと他のGPUとの間に一定のスコア差が生じる。ここに4080 SUPERの持つ“余裕”を感じられる。
GeForce RTX 4080 SUPERは確かに4Kでのゲーム体験を向上できるだけのパワーがあるといえるだろう。
より負荷の高いゲームのパフォーマンスもチェックしていこう。
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