Intel N100搭載の小型PC「AOOSTAR R1 N100」でNASをDIYしてみた 3.5インチHDDが2台搭載できる(4/4 ページ)
Intel N100を搭載したAOOSTAR R1 N100はオールインワン小型PCとうたっている。しかし、「NASのために生まれたようなPC」だと個人的には感じた。今回はこのAOOSTAR R1 N100を使ってNASをDIYしてみた。
SMB/CIFS共有以外にも幅広いサービスが使えるOMV6
NASのコアサービスとなるSMB/CIFS共有設定について概要を紹介してきたが、OMV6はファイル共有以外にも幅広いサービスが利用できる高性能なNASシステムだ。利用できるサービスは多岐にわたるので主なサービスを紹介しよう。
まず、最近の大手NASメーカーではエントリーレベルの製品でも仮想マシンを作成できるようになっているが、OMV6はどうだろうか。
OMV6もOMV-Extrasを追加導入すれば、仮想マシン(KVM)環境も利用可能だ。特にIntel N100はEコアしか搭載されていないが、Xeon E3-1225 v5より高いパフォーマンスを発揮する。仮想マシン(KVM)環境も難なく利用できる。
消費電力がXeon E3-1225 v5と比べて非常に小さいにもかかわらず高いパフォーマンスを発揮できるので、AOOSTAR R1 N100でOMV6を利用する大きなメリットの内の1つといえるだろう。
あくまで筆者の感覚値で恐縮だが、メモリを16GB搭載している場合、Windows Server仮想マシンを2台、Linux仮想マシンを2台くらいであれば何ら問題無く動作する。そのため、NASと仮想マシン環境を1つにして利用できるため、わざわざ端末を分ける必要もないので省スペースで済む。
「仮想マシン(KVM)環境も動作するのであれば、Dockerも導入できないか」と考える方もいるかと思うが安心してほしい。Dockerを使ったコンテナサービスももちろん利用可能だ。Dockerを導入するのであれば、GUIでDocker環境を簡単に管理できるPortainerを導入することをオススメする。
今回は、Intel N100小型PCの弱点であった、大容量ストレージを気軽に利用できないというデメリットを解消したAOOSTAR R1 N100でNASをDIYしてみた。本記事で構築したDIY NASは今でも筆者のメインNASとして利用しており、特に大きな問題も発生せず快適に利用できている。
既製品と比べると何か問題が起きた場合、自分自身で対処する必要はあるが、イニシャルコストを抑えながら自分好みのNASを構築できるので、興味がある方は一度是非試してみてほしい。
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