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ASUS JAPANの新型ポータブルゲーミングPC「ROG Ally X」を試す パワーアップで実用性向上 マルチに活躍できる1台に先行レビュー(4/5 ページ)

ASUS JAPANが、新型ポータブルゲーミングPC「ROG Ally X」をまもなくリリースする。発売に先駆けて、気になるポイントをチェックしていこう。

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FF15ベンチマーク

 ゲームベースのベンチマークテストを進めていく。まず、負荷の比較的重い「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK(FF15ベンチマーク)」を「高品質」「1920×1080ピクセル(フルHD)」に設定してベンチマークを実行したところ、スコアは2883ポイントで評価は「やや重い」となった。

 メモリとストレージがプラスされたとはいえ、Ally Xでもこの設定はさすがに厳しいようだ。

FF15ベンチマーク
FF15ベンチマークの結果(フルHD)

 しかし、解像度設定を「1280×720ピクセル(HD)」に下げてみたところ、スコアが4076ポイントまで改善し、評価も「普通」に上昇した。画面の精細さは失われるものの、ゲームは問題なく楽しめそうだ。

解像度
品質はそのままに解像度のみ下げたところ、評価が「普通」まで改善した。ゲームによっては、真っ先に解像度や品質の設定を見直すとよいだろう

サイバーパンク2077

 より重たいゲームは楽しめるのか――興味が湧く。そこでPCゲームの中でも特にシステムへの負荷が重いされる「サイバーパンク2077」のゲーム内ベンチマーク機能で平均フレームレートを測ってみることにしよう。

 ベンチマーク時は、クイックプリセットの「レイトレーシング:低」を選択した。また、解像度は「フルHD」と「HD」の2つで試すこととする(以下同様)。結果は以下の通りだ。

  • フルHD:平均22.45fps
  • HD:平均36.89fps

 いわゆる「AAAタイトル」の中でもヘビーな部類だけあって、フルHD解像度では平均フレームレートが25fpsを割ってしまっている。しかし、HD解像度ならゲーム中に引っかかりをほとんど気にせずプレイできる基準の平均30fpsを上回る

 AAAタイトルの強みである美麗なグラフィックス、キャラクターなどのなめらかな動きは体験できないものの、1世代前のゲーム機くらいの画質では遊べる。設定次第だが、外出先で取りあえずのプレイはできそうだ。

サイバーパンク2077
サイバーパンク2077の平均フレームレート

Microsoft Flight Simulator

 「Microsoft Flight Simulator」も、重量級タイトルとして定番だ。実写を見ているかのようなリアルな風景は見ているだけでも楽しいのだが、そのリアルさを体験するには相当のGPUパワーが必要とされる。「ポータブルゲーミングPC向きではない」と言われそうだが、先のサイバーパンク2077と比べれば、映像の動きが少なめなので「意外と楽しめるのでは?」とも思ってしまう。

 そこで今回は、計測方法はディスカバリーフライトの「モナコ」をAI操縦し、「CapFrameX」を使って2分間の平均フレームレートを計測した。結果は以下の通りだ。

  • フルHD:平均41.1fps
  • HD:平均48.4fps

 さすがにサイバーパンク2077よりもフレームは高いものの、HD解像度に落としても60fpsに届かない。高い高度で飛んでいるシーンでは問題ないものの、オブジェクト(建物など)が多く存在する低高度のシーンでは動きにどうしても引っかかりが生じる。

 重量級のゲームタイトルを遊ぶ場合は、グラフィックス設定を“とにかく軽く”を心掛けたい。

MSFT
Microsoft Flight Simulatorの平均フレームレート

アーマードコア6

 筆者が一番遊んでいるゲームタイトル「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON(アーマードコア6)」でも平均フレームレートを測ってみた。

 アーマードコア6は、先に試したサイバーパンク2077やMicrosoft Flight Simulatorと比べると負荷は低いものの、軽量級でもない。今回は画質設定を「最高」、上限フレームレートを120fpsとした上で、ゲーム前半の関門ステージ「ウォッチポイント襲撃」を遊んだ際の2分間の平均フレームレートをCapFrameXで計測した。結果は以下の通りだ。

  • フルHD:平均40.3fps
  • HD:平均64.4fps

 先の2タイトルと比べると軽いこともあり、HD解像度であれば平均60fpsを超えた。これだけのフレームレートが出れば、かなり快適にプレイできる。テストでは画質設定を「最高」としたが、画質を少し落とせばフルHD解像度でも快適にプレイできそうだ。

アーマードコア6
アーマードコア6の平均フレームレート

電源設定別の動作パフォーマンスは?

 ROG Ally Xは先に紹介した通り、「ターボ」「パフォーマンス」「サイレント」と3種類のパフォーマンスモードが用意されている。モードの差がパフォーマンスにどのくらいの影響を与えるのか、アーマードコア6のテストをそれぞれのモード(HD解像度)で行ってみた。

 すると以下のような結果となった。

  • ターボ:64.4fps
  • パフォーマンス:52.4fps
  • サイレント:33fps

 意外と差が付くことが分かる。サイレントモードにすると、さすがにターボモード比でフレームレートが半分近く下がる。しかし、本タイトルは平均30fps出ればプレイ上の支障がほとんどないため、遊べなくはない。


 基本的に、ゲームは平均30〜60fpsを確保できれば十分に遊べる。その観点でいうと、ROG Ally Xで遊ぶ場合、ほとんどのタイトルでは画質や解像度を低く設定した方が快適だ。

 さすがに“ガチの”ゲーミングノートPCと比べると分が悪いことは確かだが、サイズや重量を考えると、ここまでできるのは驚異的なことではある。

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