ASUSの「ROG Ally」は良コスパで他のポータブルゲーミングPCとはひと味違うドッキング機能を備えた1台だった(1/5 ページ)
ASUS JAPANが6月14日に発売したポータブルゲーミングPC「ROG Ally」の上位モデルは、“エライ”よく売れているようである。本当に“アリー”な選択肢なのかどうか、ガッツリとレビューしてみよう。
6月14日、ASUS JAPANからポータブルゲーミングPC「ROG Ally(アールオージー エイライ)」の上位モデルが発売された。PC USERでも発売前の先行レビューの記事を既に掲載済みだ。
ECサイトの売れ筋ランキングやSNSでの反応を見る限り、実売価格11万円弱(税込み、以下同)であるこのモデルの評判は上々のようだ。一方で「本当に買っても大丈夫だろうか?」という声も目にする。
そこで今回は、ROG Allyの上位モデルを、より“実戦”に近い形で細かくチェックしていこうと思う。購入に迷っている人の参考になれば幸いだ。
大きいのに軽いボディー カラーはホワイトのみ
ROG Allyの本体サイズは、約280(幅)×111.38(奥行き)×21.22〜32.43(厚さ)mmで、重量は公称で約608gとなる。内部構造の“妙”もあるのだろうが、実際に持ってみると数値以上に軽く感じる。ゲームプレイはもちろん、持ち運びもつらく感じることもないだろう。
本体カラーはホワイトのみとなる。恐らく、ホワイトのゲーミングデバイスが最近はやっていることを受けてのことだと思うが、PC回りのデバイスをブラックで統一している筆者としては、ブラックモデルも欲しいと思った。今後、人気が出ればブラックモデルも出るのだろうか……?
ディスプレイは、タッチ対応の7型TFT液晶を搭載している。最大解像度はフルHD(1920×1080ピクセル)だが、画面サイズが小さいので、実際の解像度よりも高く感じられる。リフレッシュレートは最大120Hz、応答速度は最短7msと、ゲーミングディスプレイとしても十分な性能を持つ。
本体はパッド(ゲームコントローラー)を一体化している。本体左側には左スティック、方向キー、表示ボタン、コマンドセンターボタンを、右側にはABXYボタン、右スティック、メニューボタンとArmoury Crateボタンを、上部の左右にはバンパーボタンとトリガーボタンを備える。基本的な配列はXbox ワイヤレスコントローラーに準拠しているため、同コントローラーに慣れ親しんでいる人なら違和感なく操作可能だ。
背面の左右にはマクロボタンを搭載している。ROG Allyには物理キーボードがないため、スクリーンショットの撮影やクイックリプレイの録画などの操作を割り当てると便利に使える。
薄型のデザインは持ち運び時は便利である。ただ、ゲームを遊ぶ際に、手のサイズやプレイスタイルによってはグリップ感が足りないかもしれない。しっかりとグリップしてプレイしたいという場合は、別途コントローラーを用意した方がよさそうだ。
背面には2つの吸気口も用意されている。この口にはそれぞれ薄型の電動ファンが組み込まれており、空気をしっかりと取り込んでくれる。
後述するが、本機が搭載するAPU(GPU統合型CPU)は非常にパワフルで、ゆえに冷却性能の確保も喫緊の課題だ。その点、2つの吸気口からしっかりと空気を吸い込めるようになっているのは評価が高い。吸われた空気は、本体上部にある2つの排気口から排出される。
高負荷なゲームをして温度が上昇しても、手に持つ部分の温度はほとんど変わらない。ゆえにゲームを快適にプレイできる。ファンの回転音が静かなのにも驚かされた。
本体上部には、電源ボタン(指紋センサー一体型)、ボリュームボタン、ROG XG Mobile端子、USB 3.2 Gen 2 Type-Cポート、microSDメモリーカードスロット(UHS-II対応)、3.5mmヘッドフォンジャックを備える。本体のストレージ容量は512GBなので、microSDを使ってストレージ容量を拡張できるのはありがたい。
ACアダプターはUSB PD(Power Delivery)対応で、最大65W出力のものが付属する。コンパクトだが、プラグ部分は折りたためない。持ち運ぶことを考えると、少し残念なポイントだ。
また、本体には紙素材のスタンドも付属している。思いの外、据え置いて使う際に便利である。ゲームコントローラーをつないでゲームを遊ぶ時などに活用したい。
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