HHKB Studioの新色「雪」が登場! キー刻印の視認性を上げるカスタムをやってみた 新色登場の背景にはApple Vision Proの存在も(1/3 ページ)
コンパクトでありながら、マウス機能ももたせたHHKB Studioに「雪モデル」が登場した。前モデルは、いってみれば「墨モデル」で、クールな反面、キートップの刻印が見えづらいという声もあった。色の違い以外にも、バージョンアップしたキーマップ変更ツールについても紹介する。
PFUが10月2日に発売した「HHKB Studio 雪」は、コンパクトキーボード「HHKB Studio」シリーズの新色モデルだ。英語配列と日本語配列が用意され、価格はいずれも4万4000円だ。
HHKB Studioが登場したばかりの頃は、マウス操作可能なポインティングスティックやキーボードの手前に設けられた左クリック、中クリック、右クリックのマウスボタンが便利だと感じていたし、独自のキーマッピングを設定できる点も大いに気に入っていた。
しかし、周囲が暗くなるとモノを見えづらくなるお年頃……。曇りの日の仕事部屋、プロジェクターを使ってプレゼンをするセミナー会場、雰囲気のあるカフェなどで、墨モデルのキートップ刻印が見えづらくなってしまうというケースによく遭遇するようになった。筆者は「かな入力」でタッチタイプできるが、英数記号はキートップの刻印を目視確認したいので致命的だった。
「はぁぁ、明るい色のHHKB Studioが出ないかなぁ。白モデルでいいから出ないかなぁ。雪モデルだったらテンション上がるだろうなぁ」など勝手なことを考えていたところ、ついに雪モデルの登場というわけだ。テンションが上ったのは言うまでもない。
本記事では、雪モデルと墨モデルを比較しながら新モデルの使い勝手などを紹介しよう。
HHKB Studioとは? 雪モデルと既存モデルの違いは?
HHKBシリーズは合理的なキー配列によって、ホームポジションからあまり手を動かさずにほとんどのキーを押下できるコンパクトさをコンセプトとしている。HHKB Studioは、その「あまり手を動かすことなく行える操作」にマウス操作を追加したものだといえるだろう。
「G」と「H」キーの間にポインティングスティックを配置することで、親指や人差し指でマウスカーソルを動かしやすくなっている。また、左クリックと右クリック、中クリックのボタンを中央手前に配置することで、ホームポジションから手を動かすことなくクリック操作も行えるようにしている。
その他にもマウスホイールのような高速スクロール、ウィンドウの切り替え、入力カーソルの上下左右への移動を行えるジェスチャーパッドをキーボードの左右と手前の左右側面に配置するなどギミックは盛りだくさんとなっている。
片手をマウスに移動させることなく、最小の動きでマウス操作を行えるのがHHKB Studioの最大の強みというわけだ。
他のHHKBシリーズと異なる点は他にもある。例えば、静電容量無接点ではなくメカニカルスイッチを採用したことだ。メカニカルスイッチにありがちな「カチャカチャ」という騒がしさはないものの、独特な「スコスコ」というキータイプ音や、ふにゃりとしたキータッチはない。好みのキースイッチに変えられるホットスワップにも対応している。
ここで白についても触れておこう。雪モデルの特徴は、雪のような白がベースカラーであることだ。アクセントはシルバーカラーで塗装されたABS樹脂で、PBT素材のキートップに入った刻印はクールグレーカラーとなっている。
降り積もった雪の上に、椿など常緑樹の葉から落ちた水滴が描くコントラストに似ていると感じた。なお、キートップの刻印は他のHHKBシリーズと同じ昇華印刷を採用しているので、文字がすり減ってしまい見えなくなるという心配は不要である。
雪モデル登場と同時に、キーマップ変更ツールも改良された。1つはプロファイルごとに設定を保存し、それをインポート/エクスポート可能になった点だ。自分で設定したプロファイルの他に、他人が使い勝手を極めたHHKB Studioのキーマッププロファイルを追加することもできることになる。また、自分で作成したキーマップをベースに再編集することも可能だ。
2つ目は、WindowsとmacOS間で同じキーマッププロファイルをインポートできるようになったことだ。他人の作ったキーマッププロファイルを取り込む際に、OSの違いを気にする必要がなくなっただけでなく、どちらのデバイスも使うという人にとって、指が覚えたキーマップで入力できるのはメリットとなるだろう。
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