毎秒7GBに速度アップでも温度上がらず! 新型SSD「Samsung 990 EVO Plus」を試して分かったこと(3/3 ページ)
Samsung Electronicsから、新型SSD「Samsung 990 EVO Plus」が登場した。売れ筋モデルの実力はどの程度のモノなのか、実機をテストした。
テストスコアは高くなっても動作温度は従来モデルより下がる
次にPCMark 10のStorageテストを2つ見てみよう。3DMarkはゲーム中心のストレージ性能になるが、PCMark 10はFull System Drive Benchmarkがシステムドライブを想定したアプリの起動などを行うテストで、もう1つのData Drive Benchmarkはデータドライブを想定してファイルの読み書きが中心のテストだ。
| PCMark 10 Full System Drive Benchmark | ||
|---|---|---|
| モデル名 | 990 EVO Plus | 990 EVO |
| スコア | 3889 | 3502 |
| 転送速度 | 620.47 | 561.54 |
| 平均アクセスタイム | 43 | 48 |
| PCMark 10 Data Drive Benchmark | ||
|---|---|---|
| モデル名 | 990 EVO Plus | 990 EVO |
| スコア | 7014 | 6457 |
| 転送速度 | 1032.25 | 954.57 |
| 平均アクセスタイム | 22 | 24 |
こちらも990 EVO比で10%向上(Data Drive Benchmarkは8%)あたりになる。ゲームだけでなく、業務用PC、家庭用PCといった用途でも向上が期待できる。
最後にTxBENCHを用いた検証を実施した。テストは全域連続書き込みで、10分間実行した際の転送速度と温度推移を見てみよう。
まずは転送速度だが、990EVO Plusは990 EVOと比べると序盤の高速で転送できている時間が長く、以降は990 EVOと大差ない毎秒1.3GB付近に落ちるものの、その領域も印象としては990 EVOよりも若干高速であるように見える。
次の温度推移では、ここでも990 EVO Plusは990 EVOよりも温度域が低かった。こちらは長時間の連続書き込みということもあって990 EVO Plusでも50度台で推移しているが最大でも58度とまだ安心できる温度だ。
一方で990 EVOは70度台と、2モデルの間では17〜18度程度の差があった。先の3DMark Storageテストだけではにわかには信じられなかったが、TxBENCHの検証でも990 EVO Plusが990 EVOよりも低発熱という結果なので、実際に990 EVO Plusが低発熱になっていると見て間違いないだろう。
「Plus」で済ませていいの!? 性能も省エネも大きく向上した新モデル
ここまで、Samsungのメインストリーム向け新SSD、990 EVO Plusを試してきた。まず毎秒5GBクラスの990 EVOから、990 EVO Plusでは毎秒7GBクラスへと引き上げられた。そして、実運用に近い想定のベンチマークにおける転送速度も向上を見せ、アクセスタイムも速くなっていた。
これだけでも十分検討に値するところだが、3DMark StorageテストやTxBENCHの結果の通り、発熱もかなり抑えられているようだ。こうしてみると、990 EVO→990 EVO Plusは製品名としてはあまり大きく変わった印象はなくとも、製品としては大きく進化したと言ってよいだろう。
さて、990 EVO Plusの用途だが、メインストリームユーザーにとってのシステムドライブ、パワーユーザーにとっては大容量モデルが投入されたことでデータドライブ用として検討されるあたりになるだろう。価格は4TBモデルが実売4万5000円前後、2TBモデルが実売2万7000円前後、1TBモデルが実売1万6000円前後となり、注目度の高い製品になることは間違いない。
ただし既報の通り、4TBモデルは初回出荷以降は5万2000円前後になるとのことなので購入時は注意しよう。
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