Core UltraになったタフネスPC「TOUGHBOOK FZ-G2N」の実機をアレコレ試して分かったこと(2/3 ページ)
過酷な環境でも利用できるパナソニック コネクトの「TOUGHBOOK」シリーズに、新モデル「FZ-G2N」が登場した。豊富なオプション製品が用意されている実機を試してみた。
2024年のTOUGHBOOKはやっぱりCore Ultraでなくちゃ
今回評価するFZ-G2の最新モデル「FZ-G2N」では、従来モデル「FZ-G2E」(2023年7月発表)から次の点が強化された。
- CPU:第12世代CoreプロセッサのCore i5-1245U→Core Ultra 5 135U
- メモリ:LPDDR4x SDRAM 8GB→LPDDR5x SDRAM 16GBに
- リアカメラ:有効画素約800万画素15fps→約1260万画素(静止画)/約940万画素(動画)30fps対応。F値も従来の2.4→1.8に(フロントカメラは約200万画素/30fps)
- Bluetooth:v5.1→v5.3
CPUとメモリの変更は処理能力に直結する大きな変更だ。従来モデルは第12世代Coreプロセッサシリーズだったが、新モデルではCore Ultra(シリーズ1)となる。世代でいうと「2世代前?」とそれほど時間を感じさせないのに、「従来モデルはAlder Lake(開発コード名)だったのが新モデルではMeteor Lake(同)になった」というと不思議なもので「お、けっこう間が空いたのね」と不思議に感じてしまう。
それはともかく、Core Ultra(シリーズ1)とそれ以前のCoreプロセッサシリーズとではCPU内部の構造がだいぶ進化している。処理能力重視のPコアと省電力を重視したEコアが第12世代と同様ながら、Core Ultra(シリーズ1)からは低消費電力動作により特化した低電圧(LP)コアが追加され、消費電力の改善とそれを起因とするバッテリー駆動時間の延長を実現したという。
また、PコアもEコアも1クロック当たりの実行命令数が向上するなど処理能力が高まっている。
“UltraなTOUGHBOOK”はどこまで使えるのか
とはいえ、従来モデルからCPUの世代は更新されたものの、それは2024年第3四半期における最新世代(Core Ultra V200シリーズ/開発コード名:Lunar Lake)ではない。なお、処理能力に関するシステム構成を確認してみると、メモリの容量は16GB(LPDDR5-6400)、ストレージは512GBのSSDを採用している。接続バスはPCI Express 4.0 x4(NVM Express 1.4)で、レビューした評価用機材には、Phison Electronicsの「PHPML512GEPTK-TB-PM0001」が搭載されていた。
そのようなFZ-G2Nの処理能力を、ベンチマークテストでチェックしてみよう。今回評価機材の構成は以下の通りだ。
- CPU:Core Ultra 5 135U(12コア14スレッド/vPro対応)
- メモリ:16GB
- ストレージ:512GB NVMe SSD
- ディスプレイ:1920×1200ピクセル(タッチ操作対応)
- OS:Windows 11 Pro
PCMark 10
PCの総合性能をチェックする「PCMark 10」の結果は以下の通りとなった。
- 総合:5731ポイント
- Essentials(日常利用):1万50ポイント
- Productivity(仕事利用):7702ポイント
- Digital Content Creation(コンテンツ作成):6602ポイント
本機が採用するCPUは、TDP 15Wの省電力を重視したCore i5シリーズのミドルレンジクラスだが、それでも、2023年に登場した省電力タイプの第12世代Core i5搭載ノートPCを上回るスコアを出している。TOUGHBOOKシリーズがカバーする用途を考えると、必要十分な性能を備えているといえる。
CINEBENCH 2024
レンダリングを通してCPUの性能をチェックする「CINEBENCH 2024」では、マルチスレッドのスコアが439ポイント、シングルスレッドのスコアが93ポイントとなった。
こちらを第12世代Coreプロセッサファミリーと比較すると、その上位クラスで、かつ処理能力を重視した“P”タイプのCore i7-1280Pのスコアを上回っている。
CrystalDiskMark 8.0.5
最後に、内蔵ストレージの性能を「CrystalDiskMark 8.0.5」でチェックした。
シーケンシャル(SEQ1M Q8T1)の読み出しは毎秒3524.97MB、書き込みは3157.81MB、ランダム(RND4K Q32T1)の読み出しは毎秒419.71MB、書き込みは356.67MBとなった。
PCI Express 4.0 x4接続のSSDとしては、ミドルレンジモデルなのを考えると妥当なスコアといえるだろう。
バッテリー駆動時間は、従来モデルのFZ-G2Eでは標準バッテリーで動画再生時が約7時間、アイドル状態で約18時間だったのが、FZ-G2Nの標準バッテリー(50Wh)ではそれぞれ約9時間と約20時間に延びている。
また、FZ-G2Nで大容量バッテリー(68Wh)を搭載した状態では動画再生が約12時間、アイドル状態で約27.5時間の連続動作が可能だ。なお、キーボードベースを装着した場合、標準バッテリーで動画再生時もアイドル状態でも30分駆動時間が短くなるという(いずれもJEITAバッテリ動作時間測定法Ver.3.0)。
今回の評価では、実際のバッテリー駆動時間を調べるために標準バッテリーの構成でキーボードベースを装着した状態で、電源プランをバランス、ディスプレイ輝度を10段階の下から5段階にセットしてPCMark 10のBattery TestのModern Officeで測定したところ、6時間5分(Performance:5424)となった。
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