持っているだけで楽しい! “ゲームボーイオマージュ”のAndroidデバイス「AYANEO Pocket DMG」の実力を試す(3/3 ページ)
中国AYANEOが「AYANEO REMAKE」ブランドの「AYANEO Pocket DMG」の発送を開始した。国内でもハイビームが販売をスタートしている。どこか懐かしさを感じるデザインだが、搭載OSはAndroid 13。実力や操作感をレビューする。
ゲームは快適に遊べる? 動作パフォーマンスをチェック
見た目は良くても中身はどうか、というところが気になるだろう。そこで、ベンチマークテストや実際のゲームプレイで性能や使い勝手がどうなのかを見ていきたい。
なお、パフォーマンスとファンの回転速度はともにMaxに設定した。
まずはおなじみ「AnTuTu Benchmark 3D」でベンチマークテストを行ったところ、総合では153万4498であった。CPUは37万1263、GPUは56万8281、MEMは32万352、UXは2万7462というスコアであった。
「Geekbench 6」では、4回測定した平均値で、CPUシングルコアが2144、CPUマルチコアが5588.3、GPUで1万2247であった。これは、シングルコアでSamsung Galaxy S24 Plusの2091より、マルチコアでSamsung Galaxy S23 Plusの5064より、GPUではSamsung Galaxy Z Fold4の5573より高いスコアだ。
「3DMark」の「Wild Life Extreme」でも計測した。これは、2020年に発表された「Wild Life」の3倍の負荷をかけたベンチマークテストで、5回計測した平均値は総合スコアで3388.8、平均フレームレートは20.41FPSであった。
次に、ゲームの快適性も検証したい。
最初にプレイしたのはmiHoYoの「ゼンレスゾーンゼロ」だ。同作品は、コントローラーによるプレイにネイティブで対応している。ゲーム起動後の設定で「UIレイアウト」をコントローラーに変更するだけで快適に遊べる。
ゼンレスゾーンゼロ(miHoYo)の一場面。左ジョイスティックで移動させ、右側のタッチパッドで視点(カメラ)移動させる。筆者だけかもしれないが、視点移動はジョイスティックよりタッチパッドのほうが直感的だと感じた
他の多くのスマートフォンとはアスペクト比が異なるものの、縦長に表示されるということはない。また、419ppiと比較的高い画素密度のおかげで、画質も良好だ
ただし、ゼンレスゾーンゼロではフレーバーテキストが多く、近くを見づらい年頃の筆者では、文字を読むのが厳しいと感じた。
「Stardew Valley」のようなドット絵を駆使したゲームなどは相性が良い。表示されるテキストが少ないうえ、比較的大きめだからだ。
外部ディスプレイにも出力できる!
性能の高さを生かしきれないのはもったいない。そこで、懐かしさを覚える年代の人には、外部ディスプレイの利用をおすすめしたい。AYANEO Pocket DMGのUSB Type-C端子は画面出力に対応しているので、ケーブル一本で外部ディスプレイに接続できる。本体が小さいので、コントローラーのように使えるだろう。
Steam Linkを利用して、Steam Deckをリモートでプレイすることも試してみた。
まずはSteam LinkでSteam Deckと接続しておく。ディスプレイのアスペクト比が、一般的なスマートフォンと異なり、ほぼ正方形のためか、右側が切れて表示されている。ちなみにスワイプして右側を見ることもできない
いったん接続してしまえば、画面の小ささ以外に何の問題もなくSteam Deckライブラリにあるゲームをリモートで遊ぶことができた。
ズボンの尻ポケットに入るサイズで持ち運びしやすく、懐かしさからレトロゲームを遊びたくなるなど、持っているだけで楽しくなるAYANEO Pocket DMGだが、操作性であえて難点を挙げるとすれば、寝転んだ状態でのゲームプレイが難しいということだろう。
ほとんどのポータブルゲーム機は横長で、コントローラーのグリップがしっかりしているだけでなく、母指球(手のひら側の親指の付け根)で本体を支えるだけのスペースがある。しかし本機ではそれが難しい。
プレイヤーがわずかでも下を向いた状態(画面が上向き)で操作している間は中指から小指で本体を支えられるが、少しでも上を向いてプレイしようとすると途端に安定感が失われて操作性が損なわれてしまう。AYANEO Pocket DMGが顔面を直撃する可能性も出てくる。
小さいからと、どこへでも持ち運びたくなるデバイスではあるが、ソファやベッドで寝転びながらのプレイには十分注意したい。
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