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「フリーランスはつらいよ」「いや、つよいよ!」 PFUが開催したイベントで当事者に聞いてきた(4/4 ページ)

ScanSnapシリーズを手がけるPFUが、2月1日〜2日にかけて、「フリーランスはつらいよ」展示会を開催した。これはフリーランスから募集したなかなか人に言えない「本音」を紹介するというものだ。どのような内容なのか、潜入レポートをお届けする。

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フリーランスになって良かった?

 会場には、レンタルなんもしない人(以下、なんもしない人)が展示されていた。「なんもしない」ので受け答えもできないのかなと思っていたら、展示の一環として、応対は許可されているようだった。

レンタルなんもしない人
「なんもしない」のかと思っていたら、応対してくれた「レンタルなんもしない人」

 「なんもしない」自分をレンタルするという、究極のフリーランスがなんもしない人だが、不安を感じることはないのだろうか。

 「あんまりないですね」と、なんもしない人は語る。「将来のことをフワッと考えて、大丈夫かなと思うこともあるけれど、毎日楽しくやっているので、気が紛れていますね」と答えてくれた。

 1案件、1万円という明朗会計が特徴的なサービスだが、1日の中で引き受けた最大案件数は7件だという。逆に、最も時間を要した案件は2泊3日というものもあり、1日の中での最長は17時間だという。「学生最後の思い出作りをしたい、という要望で、17時間レンタルされました」とのことだ。

 フリーランスになって良かったと思った瞬間は「帰省時期をずらせたとき」だと言う。

 「帰省シーズンって、どこも混み合う。会社員だったら休みをずらせないから、その混雑に寄与してしまう。でも、自分はずらすことができる立場にいる。少しでも緩和できるなら、その方がいいな、と思うのです」(なんもしない人)

 会場には、フリーランス歴の長い人たちも訪れていた。その1人がフリーランス歴30年以上という、いしたにまさき氏(@masakiishitani)だ。

 フリーランスの歴史が長いし、事業も立ち上げているし、クライアントをたくさん抱えているので、「つらいよ」という思いを持っていないのかと思いきや、やはり「来月のことは正直分からない」不安を持っているという。

 「会社員なら、勤めている会社が来月どうなるか分かるけど、外にいる人間には分からない。そこは不安に思うし、収入が不安定という要素を自分も抱えている」と話してくれた。

 とはいえ、「つよいよ」と思うこともあるという。「行きたいライブの日に、仕事の予定を入れないというのはフリーランスだからできること。会社員ではちょっと難しいでしょう」としつつ、「会社員でも、役員でも、フリーランスでも、どんな立場でも悪いところもあれば良いところもある。表裏一体なんですよ。それを勘違いしないようにしたいですね」(いしたに氏)

表裏一体
労働基準法が適用されないことを「働き放題」と書いたが、「週休0日」と受け取ってしまう人もいる。何事も、表裏一体なのだ

1人でも独りではない

 今回の展示会を開いた理由について、スタッフは「確定申告イベントを開催していく中で、フリーランスのみなさんが抱える孤独感に気付いたから」だと語る。「寂しい、回りが理解してくれない、誰にも話せないという悩みを抱えているけれど、その悩みが実は他の人にも共通している。1人だけのようでいて、実は同じ悩みを抱えている仲間がたくさんいるということを知ってもらいたかった」と説明してくれた。

 「“つらいよ”という本音から、みんな同じものを抱えているという共感を得て、明日、頑張ろうという“つよいよ”に変えてもらいたい。フリーランスの人たちへのエールになれば良いですよね」と語ってくれた。

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