生成AI「Adobe Firefly」Web版にアップデート プロンプトや静止画から動画を生成可能に(商用もOK)
アドビの生成AIサービス「Adobe Firefly」のWeb版がアップデートされた。プロンプトや静止画から動画を生成する機能と簡単な3Dカメラ操作で本格的な3Dシーンを作れる機能がβ実装された他、音声や動画ファイル内の声を別の言語に翻訳する機能が使えるようになる。
アドビは2月13日、生成AI「Adobe Firefly」のWeb版をアップデートした。「動画生成」や「シーンから画像生成」がパブリックβとして、「音声を翻訳」「動画を翻訳」が新機能として実装された他、有料プランを「Standard」「Pro」「Premium」の3本立てとする(Premiumプランは後日提供)。
動画生成(β)
動画生成(β)は、動画の生成AIモデル「Adobe Firefly Video Model(β)」を利用して静止画またはプロンプト(あるいは両方)をもとに動画を生成できる機能で、一部の法人顧客には先行β版として提供してきた。今回はFireflyユーザーであれば誰でも利用できるパブリックβに移行され、生成した動画は商用利用もできる。
現時点では、出力できる動画の解像度は1080p(フルHD/1920×1080ピクセル)のみとなる。後日1080pよりも低い解像度で出力できるモデルや4K(2160p/3840×2160ピクセル)出力できるのモデルの準備を進めているという。
シーンから画像生成(β)
シーンから画像生成(β)は、簡単な3Dカメラ操作で本格的な3Dシーンを作れる機能だ。3Dレタッチツール「Project Neo」と連携させることもできる。
音声を翻訳/動画を翻訳
音声を翻訳と動画を翻訳は、音声/動画ファイルに含まれている音声を声質/トーン/リズム/音響を保ったまま別言語に翻訳する機能となる。翻訳作業や吹き替え、音声のミキシングに要する時間を省けることがメリットだ。現時点では10分以内の音声/動画に対応しており、それを超える場合はファイルの分割が必要となる。
対応言語は日本語を含む20種類以上で、音声から言語を自動的に判別し、ユーザーが希望した言語に訳してくれる(複数言語も可)。法人向けには動画の口の動きを調整する「リップシンク」も提供する。
料金プランについて
今回β実装される動画/音声関連の生成機能を利用する場合、処理の内容や生成されるコンテンツの再生時間に応じた「動画/音声クレジット」を消費する必要がある。
アドビによると、Firefly Standardには月間2000、Firefly Proには月間7000の動画/音声クレジットが付与され、これを最大限に使うと、5秒の1080p生成動画をStandardなら20本、Proなら70本作れるという。料金はStandardが「月額1580円から」、Proが「月額4780円から」となっている。“から”という表記から、同社が提供する他のサブスクリプションサービスと同様に年間契約の有無によって料金が変わると思われる。
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