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余ったM.2 SSDを有効活用! 玄人志向のUSB4対応SSDケース「GWM.2AM-U4CC」を試す(2/2 ページ)

自宅にM.2 SSDが余っている――そんな際に、有効活用手段としてお勧めなのが「M.2 SSDケース」に組み込んで外付けSSDとして使う方法だ。今回は、玄人志向のUSB4対応SSDケース「GWM.2AM-U4CC」を試してみよう。【追記】

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とりあえず組み立てて使ってみる

 GWM.2AM-U4CCの概要説明はこれくらいにして、早速組み立ててみようと思う。今回は、筆者のM.2 SSDコレクション(?)の中から、キオクシアのコンシューマー向けM.2 SSDの初号機「EXCERIA NVMe SSD」(PCI Express 3.0 x4接続)の1TBモデルを引っ張り出して、GWM.2AM-U4CCに組み込んでみることにした。

 このSSDの公称スペックはシーケンシャル(連続)の読み出しが最大毎秒1700MB、書き込みが最大毎秒1600MBと、今どきのPCI Express 4.0 x4接続のM.2 SSDと比べるとだいぶ遅い。率直にいうと同規格のM.2 SSDと比べても遅めだが、Serial ATA接続のものと比べればだいぶ高速である。

SSDモジュール
今回の記事のために押し入れから引っ張り出してきた、EXCERIA NVMe SSDの1TBモデル。発売直後に購入して、以前使っていた「ThinkPad X1 Carbon(Gen 5)」(参考記事)に組み込んでかなりヘビーに使っていた

 組み込みの手順をざっくり説明すると以下の通りで、一般的なM.2 SSDケースとおおむね同様だ。

  1. 本製品の裏ぶたのネジを外して開ける
  2. 本製品に付属している放熱シートをSSDに貼り付ける(※1)
  3. 本製品に取り付けられているSSD固定用ゴムを外して、SSDのネジ止め部にはめる
  4. SSDを本製品のM.2 SSDスロットに差し込み、SSD固定用ゴムで固定する
  5. 本製品の裏ぶたを閉じてネジを締める

 慣れた人であれば、パッケージを開けてから3分以内で作業は完了するだろう。

(※1)両面実装のM.2 SSDを利用する場合は貼り付け不可(放熱シートなしで利用する)

SSD組み込み
GWM.2AM-U4CCへのSSDの組み込みは、それほど難しくない。不安を覚える人は、製品情報ページに掲載されているマニュアルに従って作業すれば確実だ
組み立て終わり
組み立て終わったところ。本製品はボディー全体がアルミニウム製で、放熱性も良好
シリコン
付属のシリコンカバーを取り付ければ耐衝撃性も高まる

速度は出るのか?

 組み立て終わったところで、実際に使ってみよう。今回は手持ちのUSB4対応PCを代表して、レノボ・ジャパンの「ThinkPad X13 Gen 3(Intel)」と接続する。このノートPCには、2基のThunderbolt 4(USB4)端子を備えている。ケーブルは、ケース付属のものではなく、2000円で購入した住友電工製USB4ケーブルを用いた。

 接続してみると、Windows 11上からしっかりとUSB4デバイスとして認識されていた。理論上は、EXCERIA NVMe SSD(1TB)のフルパフォーマンスを発揮できるはずである。

つないだところ
GWM.2AM-U4CCとThinkPad X13 Gen 3(Intel)を住友電工製USB4ケーブルで接続した
きちんと認識
Windows 11の「設定」から確認すると、GWM.2AM-U4CCがしっかりとUSB4 Gen 3x2デバイスとして認識されていることが分かった
キオクシア
キオクシアのSSDユーティリティーアプリからもPCI Express 3.0 x4接続になっていることが確認できた

 正常に接続できることを確認できたところで、SSDを「exFAT」で初期化し直した上で、「CrystalDiskMark 8.0.6」でアクセス速度を計測してみた。「なぜexFAT?」と思うかもしれないが、端的にいうとMac(macOS)でもこのSSDを使いたかったからである。

 プロファイルを「NVMe」とした以外は標準設定のままで測ったところ、以下のような結果となった。

  • シーケンシャル(SEQ1M Q8T1)
    • 読み出し:毎秒1756.49MB
    • 書き込み:毎秒1111.88MB
  • ランダム(Q32T16)
    • 読み出し:毎秒927.65MB
    • 書き込み:毎秒9.2MB

 シーケンシャル性能を見ると、読み出しは公称値通りな一方、書き込みは公称値を少し下回っている。デバイスの取り外しに関する設定を変えればに近いパフォーマンスを発揮できると思われるが、時間の都合で設定を変えての再計測は行えなかった。

結果
CrystalDiskMark 8.0.6の計測結果

MacでもUSB4デバイスとして利用可能

 「USB4(Thunderbolt 3/4)ポート付きのMacでも使えるのか?」という点だが、本製品はmacOSでの動作もサポートしている。EXCERIA SSDを組み込んだ本製品をApple M2チップ搭載の「13インチMacBook Air」にUSB4ケーブルでつなげると、きちんとUSB4デバイスとして認識される。

MBAにつなぐ
GWM.2AM-U4CCとApple M2チップ搭載の13インチMacBook Airを住友電工製USB4ケーブルで接続した
システム情報
システム情報で最大40GbpsのUSB4(USB4 Gen 3x2)デバイスとして認識されている

 ついでに、アクセス速度を「AmorphousDiskMark 4.0.1」で計測した結果、以下の通りとなった。

  • シーケンシャル(SEQ1M QD8)
    • 読み出し:毎秒1713.64MB
    • 書き込み:毎秒702.48MB
  • ランダム(RND4K QD64)
    • 読み出し:毎秒1017.43MB
    • 書き込み:毎秒221.68MB

 先のThinkPad X13 Gen 3(Intel)との結果と見比べると、シーケンシャル書き込みは少し遅くなってしまった反面、ランダム書き込みはかなり速くなった。macOSではリムーバブルストレージはアンマウント(取り出し)操作をして取り出すことを原則としているため、ランダム書き込みを高速化できたのだと思われる。

AmorphousDiskMark 4.0.1
AmorphousDiskMark 4.0.1の計測結果

USB4接続のM.2 SSDケースもようやく「手に届く」価格に

 ひとまずEXCERIA NVMe SSD(1TB)で計測する限りにおいて、SSDをUSB4接続する意味はあることは分かった。時間の都合で他のM.2 SSDのアクセス速度は計測できなかったが、“宿題”として後日計測を行おうと思う。

 特に写真や動画を大量に保管する場合、SSDをUSB4接続できることは大きなメリットとなりうる。従来はケースの価格も効果だったが、今回レビューしたGWM.2AM-U4CCのように実売で1万円を切る(こともある)製品もちらほら出現し始めた。

 手持ちのM.2 SSDをポテンシャルを引き出しつつ生かす手段として、USB4接続のケースも選択肢の1つとなりそうだ。

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