モンスターハンターワイルズは快適に遊べる? 結構強いミドルレンジGPU「Radeon RX 9070/9070 XT」を試す:先行レビュー(3/4 ページ)
3月7日11時、AMDの新型GPU「Radeon RX 9070」「Radeon RX 9070 XT」を搭載するグラフィックスカードの発売が解禁される。それに先んじて、PowerColor(TUL)製のグラフィックスカードでその実力を試してみよう。
重量級ゲームでのパフォーマンスをチェック!
ここ数年、据え置きゲーム機の代わりにPCでゲームを遊ぶ人が増えている。そうなると、やはり「グラフィックス重視のゲームタイトルがどこまで快適に遊べるか?」という点はGPU選びにおける重要な指標になる。
そこで、Radeon RX 9070/9070 XTの重量級ゲームタイトルにおけるフレームレートを確認してみよう。なお、この段のテストはRadeon RX 9070/9070 XTのみで比較していく。
Cyberpunk 2077
まずは重量級ゲームタイトルの代名詞ともいえる「Cyberpunk 2077」を試してみた。
テスト方法はゲーム内に設けられたベンチマーク機能を実行している。設定はプリセットの「レイトレーシング:ウルトラ」を選択し「FidelityFX Super Resolution(FSR)」による超解像度スケーリングとフレーム生成をオフ(ネイティブ解像度)/オンにした状態で計測を行った。
これまでのテスト同様に、解像度設定はフルHD/WQHD/4Kの3種類で実行した。結果は以下の通りだ。
- フルHD
- Radeon RX 9070 XT(FSRオン):261.24fps
- Radeon RX 9070 XT(FSRオフ):83.93fps
- Radeon RX 9070(FSRオン):234.54fps
- Radeon RX 9070(FSRオフ):72.94fps
- WQHD
- Radeon RX 9070 XT(FSRオン):208.83fps
- Radeon RX 9070 XT(FSRオフ):53.59fps
- Radeon RX 9070(FSRオン):181.8fps
- Radeon RX 9070(FSRオフ):45.52fps
- 4K
- Radeon RX 9070 XT(FSRオン):136.68fps
- Radeon RX 9070 XT(FSRオフ):26.05fps
- Radeon RX 9070(FSRオン):117.59fps
- Radeon RX 9070(FSRオフ):21.82fps
やはり超解像技術とフレーム生成の効果は大きい。解像度が高くなれば高くなるほど、そのメリットは光る。
なお、本タイトルにおけるFSR対応は、旧バージョン(FSR 3)準拠となっている。今後、Radeon RX 9000シリーズ(RDNA 4)を前提とするFSR 4に対応すると、マルチフレーム生成のスピードだけでなく品質も向上するだろう。
もっとも、品質が向上してきているとはいえ、目をこらすと超解像技術やフレーム生成を使うと映像の解像感が失われたり、一部の表示に違和感が生じたりすることもある。ただ、普通にゲームをプレイしていて気になる人はあまりいないとも思う。
ちなみに、Radeon RX 9070/9070 XTはネイティブ解像度でもフルHDなら平均で60fpsを超えるため、十分快適に遊べる。フルHDやWQHDで良いのであれば、重量級タイトルでも「FSRオフ」で楽しめる。
Microsoft Flight Simulator
続いて処理が重たいゲームの定番である「Microsoft Flight Simulator」を試してみよう。今回は、最新版(Microsoft Flight Simulator 2024)の1つ前のバージョンだ。
「1つ前」といっても、現時点でも十分に“重たい”ゲームである。高解像度でプレイするとCPU/GPUで処理するために大量のデータを読み込むため、ベンチマークとしては最適なアプリであることには変わりがない。
今回はFSRをオンにした上でフレーム生成も有効とし、フルHD/WQHD/4Kの3つの解像度においてディスカバリーフライトの「モナコ」をAI操縦し、「CapFrameX」で2分間の平均フレームレートを計測した。結果は以下の通りだ。
- フルHD
- Radeon RX 9070 XT:95.6fps
- Radeon RX 9070:94.8fps
- WQHD
- Radeon RX 9070 XT:98.6fps
- Radeon RX 9070:99.2fps
- 4K
- Radeon RX 9070 XT:97.6fps
- Radeon RX 9070:98.8fps
Radeon RX 9070とRadeon RX 9070 XTの差はほとんどない。こういうテストでは解像度が高くなるほど上位/下位の差が出やすくなる傾向にあるが、今回はそういうこともなかった。
あくまでも推測だが、Microsoft Flight Simulatorはゲーム中のグラフィックスこそキレイだが、Cyberpunk 2077と比べると映像が単調であり(≒動きが少なく)、フレーム生成を行っての補間や超解像による引き延ばしにも複雑な処理を必要としなかった結果、差があまり付かなかったのだろう。
この結果をポジティブに考えると、シミュレーターのような「映像や操作性を現実に寄せて楽しむゲームタイトル」においては、Radeon RX 9070/9070 XTは「ちょうどいい性能のGPU」と評することもできるだろう。
モンスターハンターワイルズ
重量級ゲームのテストとして、最後に試したのは「モンスターハンターワイルズ」のベンチマークだ。
モンスターハンターワイルズは、2025年において一番注目を集めているタイトルの1つだが、PCパーツ市場では「ちょうどいいGPU」を搭載したグラフィックスボードの在庫が枯渇している。そこで、新世代GPUを搭載した製品の発売を待って、それを選んで遊ぼうと考えている人もいるだろう。
無論、新GPUで「モンスターハンターワイルズが快適に遊べるのであれば」という条件になるため、Radeon RX 9070/9070 XTで快適に遊べそうかを確認した。
ベンチマークテストではグラフィックス設定をプリセットの「高」に設定。FSRとフレーム生成は「オン」にし、これまでのテスト同様にフルHD/WQHD/4Kの3つの解像度でテストを行った。結果は以下の通りだ。
- フルHD
- Radeon RX 9070 XT:3万4348ポイント(202.33fps)
- Radeon RX 9070:3万3510ポイント(197.07fps)
- WQHD
- Radeon RX 9070 XT:3万997ポイント(181.85fps)
- Radeon RX 9070:2万9340ポイント(172.71fps)
- 4K
- Radeon RX 9070 XT:2万1493ポイント(126.23fps)
- Radeon RX 9070:2万292ポイント(118.46fps)
モンスターハンターワイルズも、決して軽いゲームタイトルではない。どちらかというと重量級で、歴史の長いゲームタイトルの最新作だけあって、やはりグラフィックスの強化で往年のファンたちを喜ばせようという工夫が随所に見える。
それだけに「新しいPCで快適に遊びたい」と考えるわけだが、その新しいPCに搭載するGPUとして、Radeon RX 9070/9070 XTは期待に応えてくれそうだ。少なくとも「一狩り行く」にあたって力不足になることはないだろう。
ここまでの他のテストも含め、据え置きゲーム機ではなくPCでゲームを遊ぶ際に、多くのゲームタイトルを快適に動かせるだけの性能は持っていると断言していいだろう。
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