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企業のデータ消失リスク回避の切り札になる「Synology DP7400」 2Uラックマウントで約140TB搭載、実際にセットアップして分かった手軽さと高い信頼性の魅力ランサムウェア対策にも(1/2 ページ)

Synologyの「DP7400」は、同社の企業向けデータ保護アプライアンスだ。2Uラックマウントサイズで大容量に対応し、簡単なセットアップと高い信頼性で企業や組織におけるデータ消失リスクを低減する。実際にセットアップしてみた。

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 現代のビジネスにおいて、あらゆるデータの活用は企業の競争力維持において必要不可欠なものとなっている。しかし、同時にランサムウェアといったサイバー攻撃や、地震/火災/洪水といった災害によるデータ消失リスクが高まっているのも事実だ。

 万一の際に重要なデータが復旧できなければ、業務やサービスの提供がストップして取引先や顧客からの信用を失墜しかねない。そうなると信頼回復のために多くの時間とコストが発生し、中小企業では廃業に直結しかねない重大なリスクとなる。

 では、実際の対応状況はどうなのか。中小企業庁の調査では、54.1%の企業が事業中断リスクに備え、情報システムに関するバックアップを実施しているという。

 つまり、残りの約半数の企業や組織は十分な備えがないという状況だ。事業継続計画(BCP)の観点からも、企業規模の大小を問わずデータ消失を回避するバックアップ体制の強化が急務だといえるだろう。

末永く使えるビジネスデータのバックアップ体制を整えるために

 少し前であれば「取りあえず重要なデータは外付けHDDにコピーしている」「担当者が手動でNASに保存している」といった対応でよしとする組織は少なくなかった。だが、BCPの観点でリスクを再評価してみると、そのような“場当たり的”なバックアップでは、いざというときの信頼性に欠けることが明らかになる。

 特定の担当者しかデータに関する環境のリストア手順を把握していない状況では、その人が不在だったり、退職してしまったりすると誰も対応できなくなってしまう。実際、中小企業はいわゆる“一人情シス”である場合も多く、関連業務が属人化するとブラックボックス化してしまいかねない。

 このようなデータのバックアップ運用では、万一の際に誰も復旧方法が分からず「せっかくバックアップを取っていても何の役にも立たなかった」ということもありうる。

 さらに「バックアップは取っているが、保存媒体を同じオフィス内に置いたまま」というケースにも注意が必要だ。

 災害や盗難でバックアップ元と保管先が同時に被災すると、せっかくのコピーも無意味になってしまう。クラウドなど遠隔地へのバックアップが有効だという認知は進んでいるが、「クラウドのコストが高い」「日常業務が忙しく、環境を見直す時間がない」といった理由で、実際に実施できている企業はまだまだ少ない。

 バックアップ体制を考慮する際にはこのような点も踏まえ、継続的かつ多重的なバックアップ体制を構築することが重要だといえる。

 では、どうすれば属人化を排除し、信頼性の高いバックアップ環境を末永く運用できるのか。その解決策の1つが、専用のバックアップ製品/ソリューションを導入することだ。

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データのバックアップ体制を整えるために何ができるか?

 信頼性のあるアプライアンス(機器)を用いれば、専門知識がなくとも設定ウィザードで必要な構成(ディスクのパーティションやRAID構成など)が自動で完了し、すぐにデータ保護を開始できる。また、製品ベンダーからのサポートや定期的なアップデートも受けられるため、自前のスクリプトや手作業に頼るより安全で、担当者の負担も軽減する。

 とはいえ、これまでバックアップソリューションを導入したことがない場合、どのような観点で製品やサービスを選択すればいいのか、汎用(はんよう)のNASと比較してどんなメリットがあるのか、判断に苦慮することもあるだろう。

 そこで本記事では、中小企業にも適した「Synology DP7400」を通して、その機能と優位性を具体的に見ていくことにしよう。

Synology ActiveProtectアプライアンス「DP7400」を試す

 Synology DP7400は、ネットワークストレージで定評のあるSynologyの企業向けデータ保護アプライアンスだ。同社は「DiskStation」シリーズなど、多数のNAS製品で知られるが、DP7400はデータ保護に特化した新たなアプライアンスシリーズ「ActiveProtect」のフラグシップモデルに位置付けられている。

 2Uのラックマウントボディーには、標準で10台の3.5インチHDD(20TB)でRAID6+ホットスペア1台、合計で約140TBのストレージ容量を搭載している。さらに2台の2.5インチSSD(3.84TB)でRAID 1構成のキャッシュを内蔵している。

 プロセッサにはAMD EPYC 7272(12コア)を採用し、64GBのメモリと合わせて高いパフォーマンスを実現している。ボトルネックとなりやすいネットワークについても、データ用に10GbEイーサネットポート(RJ-45)×2基、さらに管理用の1GbEイーサネットポート(RJ-45)×1基を内蔵している。PCIeスロットによる拡張も可能だ。電源も二重化されているので、ハードウェアレベルでの信頼性は極めて高い。

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10台のHDDと2台のSSDが付属する。HDDはSynology製の20TBモデルだ
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SSDは2台の3.84TBモデルとなっている
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Synology DP7400の前面。ボディーサイズは2Uだ
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Synology DP7400の背面
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奥行きは標準19インチラックに収まる約692mmとなっている
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550W電源を2系統搭載している。電源故障時にも無停止で運用できる
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データ用に10GbEイーサネットポート(RJ-45)×2基を搭載する。広帯域でのデータ転送が可能だ
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アウトオブバンド(管理用)の1GbEイーサネットポート(RJ-45)×1基も搭載する。USB 3.2 Gen 1ポート(USB Standard-A)はUPSなどに利用する
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中央部にコンポーネント化されたシステムファンを4基搭載している。故障時にはファンカバーを開けて交換できる
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ファンカバーはボタンを押せばツールレスで開けられる
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フロントカバーを外せばHDD/SSD用ベイが12基現れる
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HDD/SSD用ベイは3.5/2.5インチ共用だ

 1台でも高性能なDP7400だが、ActiveProtectはスケーラブルなバックアップソリューションであり、最初にDP7400を導入しておけば将来的な拠点の増加やデータ量の拡大にも低コストで柔軟に対応できる。


提供:Synology Japan株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2025年6月19日

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