シェアNo.1のレノボは「Windows 10 EOS」「Next GIGA」「AI」にどう挑む? 檜山社長が説明(4/4 ページ)
レノボ・ジャパンとレノボ・エンタープライズ・ソリューションズが、2025年度の事業戦略説明会を開催した。レノボ・ジャパンの檜山太郎社長は、どのようなことを語ったのだろうか。
AIは「オンプレミス」での活用が増えそう
LenovoグループではIDCに委託し、日本を含むアジア太平洋地域の12市場のIT/ビジネスにおける意思決定者を含む2900人以上に調査した「Lenovo CIO Playbook 2025」を発表した。
その中で日本の調査結果に絞って見てみると、IT支出に占めるAIの割合が5.8倍に拡大していること、AI PC(NPUを内蔵するPC)を導入済あるいは、試験導入中という企業が37%に達していることなどが明らかになった。
AI活用の活用方法に着目すると、「オンプレミス(据え置き)」や「プライベートクラウド」、あるいは両社を組み合わせた「ハイブリッドクラウド」が増加していることが分かった。檜山社長は「IT産業の歴史は、メインフレームからサーバ/PCに分散化し、その後クラウドによって集中化した。だが、AIの広がりによって、オンプレミスでの活用が増え、新たな分散化の流れが起こると考えている」という。
この結果について、2025年1月に日本マイクロソフトからレノボ・ジャパンに移籍した佐藤久副社長は「セキュリティ/レイテンシー/コストといった3つの理由から、今後はクラウドで構築したAIをエッジに移行する『AI Edge offloading』が進むことになる。MCPサーバもその1つになる」と語る。
Lenovoグループの2024年度(2025年4月〜2026年3月)の業績は、売上高は前年度比21%増の691億ドルとなり、PC以外の売上構成比が47%に達した。Lenovoグループの持株会社(Lenovo Group Limited)は香港証券取引所に上場しているが、同取引所の会計基準に準拠しない指標(Non-HKFRS)を含む純利益は前年度比36%の14億ドルとなった。
コアビジネスにおける着実な成長の他、PC以外の領域でのパートナーやユーザーとの協業機会の増加、ハイブリッドAI時代に向けたポケットからクラウドまでのポートフォリオ拡大において、成果が上がっているという。
Lenovoグループは現在、約180の国と地域に展開し、6万9500人の従業員を擁し、世界18カ所の開発拠点、30以上の生産拠点を持つ。檜山社長は「国際情勢の変化に合わせて生産拠点の新設と閉鎖(スクラップ・アンド・ビルド)を進めている。世界中で何が起きても、サプライチェーンを含めて、柔軟に対応できる体制をとり、良い製品を開発し、生産し届けられるようにしている」と語る。
日本では、メタバースを活用した不登校支援サービスを東京/大阪/静岡で展開。大阪・関西万博では、「PASONA NATUREVERSE」パビリオンのスタッフが軟骨伝導イヤフォンによるインカムシステムを導入し、スタッフ間の円滑なコミュニケーションを実現している例を紹介した。また、F1のメインスポンサーであること、2026年にはFIFAワールドカップのスポンサーで務めることも紹介した。
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