定番を目指すPC「VAIO F14/F16」「VAIO Pro BK/BM」がモデルチェンジ 軽量化+USB Type-C端子増設で利便性アップ
VAIOが「新しい定番」を目指した「VAIO F14/F16」「VAIO Pro BK/BM」が、約2年ぶりにモデルチェンジを果たした。従来モデル比で軽量化とUSB Type-C端子の増設を行った他、14型モデルではより高度な耐久試験の実施、16型モデルでは高解像度液晶パネルの選択肢を追加するなどしている。
VAIOは6月3日、個人向けノートPC「VAIO F14」「VAIO F16」と、法人向けノートPC「VAIO Pro BK」「VAIO Pro BM」の新モデルを発表した。VAIOストア(個人/法人)およびソニーショップ(個人)におけるカスタマイズ(CTO)モデルは同日から受注を開始しており、6月10日に出荷を開始する。CTOモデルの最小構成価格は以下の通りだ。
- VAIO F14:14万1800円(VAIOストア販売分は3年保証付き)
- VAIO F16:14万6800円(VAIOストア販売分は3年保証付き)
個人向けモデルは、主要な家電量販店でも6月10日に固定構成で発売される。想定価格はVAIO F14が19万9800円、VAIO F16が20万9800円だ。
新モデルの概要
VAIO F14/F16とVAIO Pro BK/BMは、初代モデルが2023年3月に発表された。「新しい定番PC」と銘打って、従来のVAIOノートPCよりも価格を抑えつつ、高い品質を維持したことが特徴だ。
- →より広いユーザーにVAIO品質を 第13世代Core搭載のスタンダードノート「VAIO F14/F16」登場 店頭モデルは17.6万円から
- →ビジネスノートPCに新しい“定番”を 「VAIO Pro BK」「VAIO Pro BM」登場 6月受注開始予定
- →新定番ノートPC「VAIO F14/F16」「VAIO Pro BK/BM」は5月17日10時から受注 F14/F16は6月2日発売へ
今回の新モデルはその特徴を引き継ぎつつ、「CPUの変更」「USB Type-C端子の増設」「マイクのノイズキャンセリング機能の向上」といった機能強化を図っている。また、VAIO F14/Pro BKについては「約110gの軽量化」「モバイルノート向け特別品質試験への合格」を果たし、VAIO F16については「フルサイズのSDメモリーカードスロットの搭載」「「より高解像度の液晶ディスプレイの追加(CTOモデルのみ)」という変更が施されている。
ボディーカラーは、個人向けモデルがネイビーブルー/サテンゴールド/サテンシルバー(新色)の3種類、法人向けモデルがダークメタルグレーの1種類となる。
VAIO F16については、より大きな画面を備えるメリットを生かすべくフルスロットのSDメモリーカードを備えた。CTOモデルについては、より高い解像度の液晶パネルを選べるようになった(左からサテンシルバー、サテンゴールド、ネイビーブルー)
先代と同様に、VAIO F14/F16とVAIO Pro BK/BMはメイン基板(マザーボード)やバッテリー、冷却ファンなど主要コンポーネントを共有している。今回は、先行して新モデルに移行した13.3型の「VAIO S13」「VAIO Pro PG」とも主要コンポーネントを共有しており、一層のコスト最適化を図っている(写真は左からVAIO F16、VAIO F14、VAIO S13の底面)
CPUは「Coreプロセッサ(シリーズ1)」で、個人向けの量販店モデルはCore 5 120U(Pコア2基4スレッド+Eコア8基8スレッド)を搭載している。CTOモデルについては以下の選択肢から選択可能で、受注生産となるが「第13世代Coreプロセッサ」「Coreプロセッサ(シリーズ2)」の選択肢も用意されている。
- 個人向け/法人向け共通
- Core 3 100U(Pコア2基4スレッド+Eコア4基4スレッド)
- Core 5 120U
- Core 7 150U(Pコア2基4スレッド+Eコア8基8スレッド、※1)
- 「8GBメモリ」は選択不可
- 「32GBメモリ」「1TB SSD」「高解像度パネル(F16のみ)」を選択可
- 法人向けのみ(法人窓口での受注生産)
- Core i5-1345U(Pコア2基4スレッド+Eコア8基8スレッド)
- Core 5 220U(Pコア2基4スレッド+Eコア8基8スレッド)
- Core 7 220U(Pコア2基4スレッド+Eコア8基8スレッド)
- 「8GBメモリ」は選択不可
- 「32GBメモリ」「1TB SSD」を選択可
法人向けモデルについては、独立したTPMチップを搭載している(個人向けモデルはCPUに統合されたTPMを利用)。
(※1)Core 7 150U搭載構成は受注開始時期未定(同CPUのみ選択できるCTOオプションも同様)
メモリはLPDDR5X規格で、個人向けの量販店モデルは16GBを備える。CTOモデルではより少ない8GB(Core 7構成を除く)、またはより多い32GB(Core 7構成のみ)も選択可能だ。
ストレージはPCI Express 4.0接続のSSD(自己暗号化機能付き)で、個人向けの量販店モデルは512GBのモジュールを搭載している。CTOモデルではより少ない256GBや、より多い1TB(Core 7構成のみ)も選べる。
ディスプレイは液晶で、解像度は1920×1200ピクセル(アスペクト比16:10)となる。ただし、VAIO F16のCTOモデルでCore 7を選択すると、2560×1400ピクセルのパネルに変更することが可能だ。
Webカメラは、HD(1280×720ピクセル)撮影と顔認証に対応する約92万画素センサーを搭載している。指紋センサーは電源ボタンと一体化されているが、個人向けモデルは全構成に標準搭載されるものの、法人向けモデルはPro BKのみ標準搭載となる(Pro BMには非搭載)。
内蔵マイクは2基から3基に増強されており、AI(人工知能)ベースのノイズキャンセル機能の精度が高まった。キーボードはキートップに施す印字の色味を変更して視認性を高めた他、Copilotキーと独自の「オンライン会話設定キー」が追加されている。
VAIO F16の先代(左)と新モデル(右)のキーボード回り。新モデルではアプリケーションキーの代わりにCopilotキーが配置され、Pauseキーを「Fn+Insertキー」のコンビネーションに代えた上で空いたスペースにオンライン会話設定キーを新設している
ポート類は左側面にUSB 5Gbps(USB 3.2 Gen 1) Standard-A端子とイヤフォン/マイク端子とSDメモリーカードスロット(F16/Pro BMのみ)を備え、右側面にUSB 5Gbps Standard-A端子、HDMI出力端子、有線LAN(1000BASE-T)端子とUSB 10Gbps(USB 3.2 Gen 2) Type-C端子×2を備える。USB 10Gbps Type-C端子はUSB PD(Power Delivery)による電源入力と、DisplayPort Alternate Modeによる映像出力に対応する。
先代と比べると、専用電源端子の代わりにUSB 10Gbps Type-C端子を1基増やすことで利便性を向上している(ただし、USB 5Gbps Standard-A端子も1基削減されている)。また、F16/Pro BMについては、SDメモリーカードスロットをmicroサイズからフルサイズに変更することでカメラからのデータ取り込みをしやすくしている。
ワイヤレス通信についてはWi-Fi 6EとBluetooth 5.3に対応している。Wi-Fi(無線LAN)については、6GHz帯での通信にも対応することでより快適な通信を実現している。
JEITAバッテリ動作時間測定法に基づくバッテリー駆動時間は以下の通りだ。
- VAIO F14/Pro BK:アイドル時約12.5時間/動画再生時約7.7時間(※2)
- VAIO F16/Pro BM:アイドル時約11.5時間/動画再生時約6時間
(※2)Core i5-1345U搭載構成は、動画再生時間が約7時間となる
ボディーサイズと重量は以下の通りだ。
- VAIO F14/Pro BK
- サイズ:約332.9(幅)×221.5(奥行き)×19.5〜19.7(厚さ)mm
- 重量:約1.23kg
- VAIO F16/Pro BM
- サイズ:約358.3(幅)×255.6(奥行き)×16.6〜19.9(厚さ)mm
- 重量:約1.57kg(標準構成)/約1.59kg(高解像度液晶構成)
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