文章は“AIと共に”執筆する時代に――「Claude 4」を活用することで変わりつつある執筆術:本田雅一のクロスオーバーデジタル(2/3 ページ)
執筆の補助に生成AIを活用する――何度か試行してみたものの、しっくりこなかった。しかし、Anthropicの生成AI「Claude 4」と出会い、ついにAIと“共に執筆する”ための道筋を見つけたかもしれない。
任せ切れない点はあるが、相談相手には十分
Claude 4はとても優秀だが、“人間の感情”を理解しているわけではない。そのため、生成する文章には一定の違和感は残る。端的にいうと、生成された文章に「魂」がないのだ。「魂」はちょっと言い過ぎかもしれないが、「より確からしい単語の羅列」をしているだけなので、当たらずとも遠からずといったところだろう。
出てくる文章は、事実関係を明確にしてくれる上に、構成も論理的で文章も流暢だ。しかし、何かが足りない。それは「書き手の意図」あるいは「読者に何を伝えたいかという意思の欠如」だろう。
実用上の話をすると、トークンの制限という壁もある。加えて、契約プランごとにセッション(1セッション=5時間)の処理上限量も決まっており、そのため長時間の対話を続けると制限に引っかかりやすくなる。
筆者は年間契約のProプランを使っているが、それでも深い議論をしていると上限量に引っかかってしまい「また5時間待ちか……」となることがある。月額100ドルからのMaxプランを契約した場合でも、制限は緩和されるだけでゼロにはならない。
Claude 4の出来の良さに対して、GoogleやOpenAIなど競合他社も黙ってはいない。「Google I/O 2025」での発表された「Gemini」のアップデートは印象的だったし、Claude 4が優位性をどこまで保てるかは分からない。
しかし、Claudeを「3」の時代から使っている筆者としては、AnthropicがClaudeで目指しているのはより自然な対話を生み出す文章力と、明確に「人間と共に思考するAI」だと思っている。コンテンツ生成ではなく、人間の創造性を増幅させるパートナーとしてのAIだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
生成AIが笑ってしまうほど高速に――Qualcommが450TOPSの“外付け”NPUを開発 Dell Technologiesのx86ノートPCに搭載
Qualcommは自社のSnapdragon Xシリーズを搭載するPCを強く訴求している。しかし、COMPUTEX TAIPEI 2025に合わせて設置したプライベート展示場に足を向けると、なぜかx86 PCが主体となって展示されているコーナーがあった。どうやら、Qualcommの“新製品”が展示されているそうだ。
合法的な「コンテンツ利用」と「生成AI活用」の実現に向けての第一歩 アドビがクリエイター支援ツールに取り組む理由
アドビが、デジタルコンテンツの来歴を記録するWebアプリ「Adobe Content Authenticity」をパブリックβとして提供を開始した。生成AIが当たり前に使われるように今だからこそ、コンテンツの来歴や権利をしっかり管理することで、クリエイターの新しいチャンスにつなげることが必要だ。
文部科学省が小中高向けの生成AIガイドラインを暫定公開/「TweetDeck」の新バージョンで事実上の有償化
うっかり見逃していたけれど、ちょっと気になる――そんなニュースを週末に“一気読み”する連載。今回は、7月2日週を中心に公開された主なニュースを一気にチェックしましょう!
3人に1人が「生成AI」夏休みの宿題に活用、一番使われたツールは「ChatGPT」 学校や保護者も肯定意見が上回る
生成AIを活用する学生の割合や使われたツール、宿題の内容が調査で見えてきた。
生成AIを使いこなす効果的な「プロンプト」の基本のキ 書き方のコツを日本マイクロソフトが説明
日本マイクロソフトが、Copilotについて解説する記者向け説明会を実施。その中で、効果的なプロンプトを書くコツが紹介された。

