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手を骨折して仕事がピンチ!…… 窮地を救ったのは、あの“分割キーボード”だった(1/2 ページ)

骨折して不便だったことや、それをどのように解決し、どうにか原稿を書くために筆者が行ったことを紹介していく。

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 ライターの商売道具と聞いて、皆さんは何を思い浮かべるだろうか。取材に行ってメモを取るためのノートPC、写真を撮るためのカメラ、そもそも文字を打つのだから気持ちよくタイピングできるキーボード──などを思い浮かべるかもしれない。

 だが、そのどれを使うにも必要な「腕」(身体的な意味で)こそが、ライターの商売道具だろう。そんな大切な商売道具の腕を、筆者は骨折してしまった。

 詳細は省くが、自転車で思い切り転倒し、身を守るためについた左手のひらの骨を折ってしまった。後に病院でレントゲンやMRIを撮ってみたところ、骨折が1カ所、ひびが3カ所、さらに「TFCC」と呼ばれる軟骨や靱帯(じんたい)の複合組織も損傷するなど、想像以上の重症だった。

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人生初ギプス。ガチガチに固定されてしまい、手首と親指を全く動かすことができなくなった

 骨自体は1カ月程度でくっつくとのことだったが、完治までには数カ月かかるとの診断だ。ただ、そんな状況であっても原稿の依頼はやってくる。骨折の治療費や通院費も意外と高額になるため、ありがたい話である。

 余談だが、別の原稿の依頼の際に「骨折してしまったので、ちょっといつもより時間かかるかも」と編集氏に告げたところ「それはいいネタになりますね!」と、うれしそうに「骨折ネタで1つよろしく」といわれて書いているのがこの原稿だ。(担当編集注:ちょっと〜人聞きが悪いじゃないですか〜。ハハ)

 骨折した結果、筆者の左手はギプスで覆われ、手首と親指が完全に固定されてしまった。その結果、いつも通りにキータイピングができない。

 それ以外にも不便なこともあったのだが、今回は不便だったことや、それをどのように解決し、どうにか原稿を書くために筆者が行ったことを紹介していく。

骨折して不便だったこと

 骨折して不便だったこと──まず、キーボードのタイピングがかなり難しい。左手の5本指のうち、固定されているのは親指の1本だけだが、手のひらの骨折なので、固定具が手のひらを覆っている。

 タイピングのためにキーボードに手を置くと、固定具の分だけ高さが増してしまい、指先がキーボードに届かない。これを無理に届くようにしようとしても、今度は手首が固定されているので曲げて届くようにもできない。とにもかくにも、タイピングができない。

 また、親指が固定されていることでとにかく物をつかめない。例えば、新型のスマートフォンなど、左手で持って右手のカメラで撮影するような場面が多々あるが、左手でうまくスマホを持つことができないので、いわゆる「ハンズオン」の撮影がままならない。

 どうにか固定された親指や固定具に引っ掛け、残りの指で保持できるようにしても、手首の動きも制限されているので、イマイチちょうどいい位置で持つことができない。

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せっかくの最新機種のハンズオンも、うまく握れないのでイマイチいい角度で撮影などができない

 さらにつかむ操作といえば、カメラのレンズのズームリングの操作も難しい。取材先でズームリングを握ろうにも、これも上手に握れないのでスムーズな操作ができず、いつも以上に撮影に時間がかかってしまった。

 最終的には使っているカメラが高画素なことを理由に「トリミングしてしまえばいい」と、広角側で撮り続けるような使い方に落ち着いた。

 もちろん日常生活でも左手が使えないことはとにかく不便で、例えばペットボトルを開けるにも左手でボトルをつかみ、右手でキャップを外す動作も難しい。

 料理をするにもフライパンの持ち手をつかむことができないのでこれも難しく、子供には申し訳ないと思いながらも冷凍食品などに頼る生活は、なかなか懐に厳しいものがあった。

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