見た目がほぼ変わらない「Pixel 10」シリーズは実際何が変わった? 試して分かった「Pixel 10 Pro XL」の真実:ある日のペン・ボード・ガジェット(4/5 ページ)
プロイラストレーターのrefeiaさんに、Googleの新型スマートフォン「Pixel 10 Pro XL」を試してもらいました。そこから見えてきたこととは……。
怒濤(どとう)のAI機能
カメラ以外のAI機能もかなり増えています。従来は「日本語は後日」みたいなケースがあるあるだった気がしますが、今回はプレビュー状態であってもできるだけ日本語もサポートしようとしているように見えます。
まずは電話のリアルタイム翻訳音声で、日本語はプレビュー版として提供されています。話し始めて割とすぐに、自分にちょっと声質を似せたような合成音声で翻訳音声が流れます。
Wi-Fiとモバイルデータを切った状態でも動作するのがなかなかです。端末内で処理しているようですね。
ただし、リアルタイム性と端末内の小さな翻訳モデルのハンディがあるため、今は我々が慣れ親しんだGoogle 翻訳のような精度は期待できません。当面は、使う言葉を選んだり、センテンスの長さを工夫したりと、実用には我慢と習熟が必要だと思います。
それでも、この性能が上がってきたらキラー機能の1つになりそうですし、発展を期待したいところですね。
「やらなくてもいいことが増える」が見えた「マジックサジェスト」
端末内の情報や、ユーザーが音声通話などをした内容を横断的に処理して、ユーザーが必要とするであろう事柄に先回りして動作する機能も提供されます。
端末にデータがたまる必要があるのか、今回の試用では動作まで確認できませんでした。とはいえ、個人的には「メールやカレンダーを見直さなくていい」「話したこと聞いたことを書き写さなくていい」といった、やらなくてもいい事が増えるタイプの機能には期待が大きいです。
これまでのAI機能は「画像を作る」「いっしょに写る」など、「できることが増える」ものが多かったと感じています。これらは実際に多用するかというと、そうは思えない場合も多く、それよりも欲しいのは「やらなくていいことが増える」でした。
スマートフォン自体も、手帳/腕時計/新聞/音楽プレイヤー/カメラ/ゲーム機などを持ち歩かなくてもよくなった、というのが大きな利点だったことを思い出しますね。
他にも、ちょっとした一言日記にも励ましの言葉やアドバイスをくれる「ジャーナル」アプリや、日記やユーザー行動/端末内の情報から秘書のような役割を果たしてくれる「今日のまとめ」など、多彩な機能が追加されています。
バッテリーの持ちも問題なし
Pixel 10シリーズは端末内AI機能がモリモリなため、バックグラウンド処理がどれだけ増えているか分からず、他のモデルと比べづらい面もあります。過去のモデルより厳しくなっている可能性すら想像できるでしょう。
とはいえ、試用している間は画面オフで放置している間も含めて、バッテリーの持ちに問題を感じる場面はありませんでした。自分のGoogle アカウントを挿入してメインスマホに近い状態にし、室内でYouTubeを倍速で流しながらSNSやチャットアプリ/ニュースアプリ/Webを見る、といった暇つぶし的な使い方では、時速10〜11%ぐらいで減っていきました。その後にPixel 8 Proで同じ使い方をすると、時速11〜12%ぐらいで減っていきまいた。
この使い比べでは、バッテリーよりもハプティックが強くクッキリに、音質も良くなっていることに快適さを感じました。このあたりもiPhoneからの乗り換えを想定して足並みをそろえてきている点かもしれませんね。
また、チップの大変更ということで、Google Tensorチップ初代機の発売直後のような通信の不安定や、モバイルデータ使用時の発熱を心配する人がいるかもしれません。一応チェックしましたが、通信チップについてはPixel 9シリーズのマイナーチェンジぐらいの、「引き続き」的な選択のようでした。
ドコモ回線のMVNOでしばらく使ってみた限りでは、通信は安定していてバッテリーの減りも穏やか、発熱も問題なさそうでした。
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