手元にゲーミングPCがあれば、オフライン環境でも生成AIが利用できるってホント? ローカルLLM(大規模言語モデル)導入を解説:“超”初心者向けローカルAI「gpt-oss」導入ガイド(1)(2/4 ページ)
本連載ではローカルLLMの導入方法から活用方法に至るまで、「手元にハイエンドPCがあって、生成AIをローカル環境で動かしてみたい」という初心者の方にも分かりやすく連載で解説する。
ローカルLLMの推奨スペックは?
ローカルLLMは処理自体が非常に重たく、GPUを使った処理が基本となる。そのため、ゲーミングPCのような独立GPUを搭載したPCが強く推奨される。
なお、最新のCopilot+ PCであれば独立GPUを使わなくともメモリ搭載量を増やせばローカルLLMを利用できるが、本連載では既にゲーミングPCのような外部GPUを搭載したハイエンドPCが手元にあって「ローカルLLMにチャレンジしてみたい」と考えている読者の方を念頭に置いて解説したい。
今話題のgpt-oss-20bを快適に利用するためには、以下のスペックを推奨する。
- CPU:Core i5-14600K、Ryzen 7 5800X
- メモリ:推奨64GB、最低32GB
- ストレージ:NVMe SSD 1TB以上
- GPU:グラフィックスメモリが16GB以上のモデル(GeForce RTX 4060 Ti 16GB、Radeon RX 7600 XT など)
目安としては、モンスターハンターワイルズのようなAAAタイトルをフルHD(1920×1080ピクセル)の解像度で快適にプレイできるPCであれば、基本的にgpt-oss-20bをスムーズに利用できる。
Radeonシリーズは以前まではローカルLLMの利用は玄人向けだったが、最近はライトユーザーであっても問題なく利用できるようになってきている。何より推論性能はRDNA 3やRDNA 4アーキテクチャを採用したRadeon RXシリーズは強みを発揮する。
実際、筆者もRadeon RX 9070を搭載したPCでgpt-oss-20bの動作をテストしているが、何ら問題なく動いている。
チャット形式でローカルLLMを利用できる「LM Studio」を試す
さて、前置きはこれくらいにして早速gpt-oss-20bを動作させる環境をセットアップしていこう。なお、今回はGUI(グラフィカルユーザーインタフェース)で操作できて、さまざまなAIモデルをワンクリックで導入できるチャットインタフェースを採用したアプリ「LM Studio」の導入手順を詳しく解説する。
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