1万円台から4万円台まで Razer/final/ソニーの最新ゲーミングヘッドセットの真価をチェックする:武者良太の我武者羅ガジェット道(2/3 ページ)
ゲーミングヘッドセットを作り続けてきたRazerの「BlackShark V3 Pro」、オーディオ専門メーカーとしてVRやゲームとマッチするモデルも手掛けてきたfinalの「VR3000 EX for Gaming」、総合メーカーであり、ゲーミングギア専門ブランドも強化しているソニーの「INZONE H9 II」と、各社の最新フラグシップ機について、FPSゲームのプレイ、または音楽視聴や映画鑑賞に使った際の音響クオリティー、マイク音質などをチェックしてみました。
確かにKDレートが上がりそうなfinal「VR3000 EX for Gaming」
ゲーム向けイヤフォンとして人気のイヤフォン「VR3000」の名を持つオーバーヘッドタイプのゲーミングヘッドセットがVR3000 EX for Gamingです。価格は他モデルより控えめな1万9800円で、アクティブノイズキャンセリング機能などは搭載していません。トータルとしての機能に差があることを踏まえてチェックしていきましょう。
VR3000 EX for Gamingは、final初のワイヤレス専用のゲーミングヘッドセットで、2.4GHzワイヤレス使用時の遅延は約25msです。これはかなりの低遅延性能で、60fpsのゲームの場合は約1.5フレーム分の遅れしかない、ということになります。
左右のアーム部にヒンジが入っており、折りたたんで収納することが可能です。
初めてゲーミングヘッドセットを使う方でもすぐに迷わず操作できるUIを採用しているのもポイントです。MODEボタンで2.4GHzワイヤレス/Bluetoothの切り替えとペアリングを行い、C(コントロール)ボタンで足音モードのオン/オフを行います。この足音モードというのは、いわばFPSゲーム用の音響プロファイルですね。
アクティブノイズキャンセリングはありませんが、パッシブでのノイズ対策を追求しており、没入感は十分に高いものと感じます。ただし人工皮革のイヤーカップは蒸れやすく、長時間の対戦プレイをするときは定期的に汗を拭きたくなりますね。
柔らかく耳を包みこんでくれるイヤーカップによって、やや強めの側圧でも痛みはありません。頭頂部に掛かる負荷も低めです。約389gと重量級ではあるものの、数字ほどの重さを感じません。ここはよくできていると評価したいポイントです。
肝心の音質をチェックすると、FPSやTPS(サードパーソンシューティング)ゲームに合わせたチューニングがされていることが分かります。
メーカーいわく「前後左右だけでなく、上下方向の空間情報をも制作者の意図通りのサウンドバランスで忠実に再現」とのことですが、今回テストした3機種の中では、上方向から聞こえてくる効果音をもっとも早く察知できました。
足音モードをオンにすると、前後左右に散らばる効果音に関しても定位がクッキリとしており、判断しやすいです。近距離と遠距離の音の違いも分かるので、PUBGでは楽しく遊べました。
音楽、映像との相性はどうでしょうか。音楽に関しては相性の見極めが必要になるかも。フラットかつ余韻を省く傾向が強いので、リバーブを生かしたトラックだと薄い音と感じる反面、音楽ゲームで採用されやすいハイスピードでカリッカリなダンストラックは気持ちよき。ワイヤレスヘッドフォン/ヘッドセットの中では音量を上げやすいタイプなので、中高音の情報量が多く、難解なフレーズが組み合わさるMIXを聞くと「こうきたかあー」とニヤケられます。
低音が足りない、と感じたときは、スマートフォン用の専用アプリを使ってイコライジングしてしまいましょう。
映像の音響も情報量多めで低音薄め。音楽、映像に合わせたプロファイルが用意されていないので、ここはユーザー側で好みのトーンとなるように対応したいところ。
マイクの音質もFPS/TPSに合わせたのでしょうか。こちらもはっきり、クッキリとした質感です。抑揚はあまり感じませんが、「Two pushing mid,Sniper top window!」(2人が中間地点に前進してきてる、あとスナイパーが上の窓にいる!)といったように、戦場の変化に合わせて的確に指示を出すにはピッタリだと感じます。
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