14型OLED×2画面で実質20型相当のビックサイズ! ASUSの2画面モバイルディスプレイ「ZenScreen Duo OLED MQ149CD」を試す:モバイルディスプレイの道(4/4 ページ)
ASUS JAPANから、14型の有機ELディスプレイ2台を備えたデュアルモバイルディスプレイが発売された。実機を細かく見ていこう。
実際に使って気になったところ
気になるのはこの各モードの呼び名で、2画面をつなげた状態が「画面分割モード」、2画面をそれぞれ別デバイスと組み合わせるモードが「単一モード/独立モード」と、呼び名から想起されるイメージとは逆になっている。
翻訳の問題かと思いきや、英語でも前者が「Split(分割)」、後者が「Independent(独立)」なので当初からこうした呼称のようだ。直感的な利用を妨げかねず、もったいないと感じてしまう。
一方で画面表示そのものは非常に美しく、OLEDの面目躍如といったところだ。以前取り上げた同社のMB169CKは斜め方向からだと暗く見えるのが弱点だったが、本製品はそのようなこともない。付属のUSB Type-CケーブルがL字型コネクターを採用していることもあって、狭い場所での取り回しも容易だ。
OSDメニューについても見ていこう。OSDメニューは、本体右側面にあるジョグダイヤルと2つのボタンを組み合わせて操作する。同社製モバイルディスプレイのOSDメニューは、MB169CKのように本体前面のワンボタンで操作する製品もあるなど千差万別だが、本製品は従来のモバイルディスプレイで採用例の多いジョグダイヤルで行う仕組みを採用している。
操作手順はごく一般的で、ジョグダイヤルを1度押すと選択肢が表示され、もう1度押すとメインメニューが、上下に倒すと明るさ調整および表示モード切り替えのショートカットが表示される。UIは分かりやすく、操作性も良好でストレスはない。ジョグダイヤルによくある、硬すぎて押すと指が痛いということもない。
この他、MB169CKと同様、Windows環境では専用ユーティリティーの「ASUS DisplayWidget Center」を用いての自動回転などの設定が行える。USB Type-C接続限定で、動作するのはUSB Type-C接続でミラーモード、もしくは画面分割モードを利用した場合だけと細かい条件が付くのだが、設置方法がたびたび変わる場合は、使い道があるかもしれない。
なお、このユーティリティーだが日本語に設定していたはずが、次の起動時には別の言語にランダムに変わってしまうことがたびたびあった。筆者の利用環境に起因している可能性もないわけではないが、未知の言語ともなると「OK」「キャンセル」に相当するボタンすら意味が理解できなくなって困ってしまうので、修正されることを期待したい。
良いものを長く使いたい人向けの製品
以上、これまでに紹介した2画面モデルと比較しつつ試用してみたが、元のディスプレイの性能が高いことに加え、縦/横どちらでも使えるスタンドや、表示モードを切り替えやすいメニューなど、各所が洗練されており完成度は高い。ベゼル幅は極端にスリムというわけではないが、画面がつながっている側が太くなっているといったおかしな設計もない。
一方で、スピーカーやイヤフォンジャックなど音声出力系の機能はない他、以前紹介したMB169CKと同じくパススルー充電にも対応しない。後者については、複数のUSB Type-Cポートを搭載する他社製品では標準装備となりつつあるので、比較した場合に同社製品は不利になることは、買う側としては織り込んでおく必要がある。
それさえ許容できればお勧めできる製品なのだが、実売価格はほぼ9万円(8万9820円)と、先行メーカーの2画面モデルを大きく上回る。これは有機ELパネルを採用しているという事情もあるだろうが、いかに3年の長期保証が付いてくるとはいえ、予算的においそれと手が出ないケースもあるだろう。現状では、良いものを長く使いたい人に向いた製品、という評価になりそうだ。
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