プロ絵師がワコムの「MovinkPad Pro 14」を自腹レビュー ついに現れた“クリスタ最強デバイス”か:ある日のペン・ボード・ガジェット(3/6 ページ)
プロ絵師のrefeiaさんがワコムのペンタブレット新モデル「MovinkPad Pro 14」を購入しました。製品発表時に購入を決めたrefeiaさん、触り心地はいかに?
おなじみの「Pro Pen 3」を付属
ペンもチェックしておきましょう。新Cintiq Proシリーズから採用されて、今となってはおなじみとなった、ワコムの最上位ペン「Pro Pen 3」です。超軽い筆圧からかなり強い筆圧まで自然に反応し、カスタマイズ性もあり、先細のため視界の邪魔にならない、描き味に優れたペンです。
本機に付属するのは、軸の中に替え芯が入っていて、太軸などのカスタマイズパーツが付属しない形式のPro Pen 3です。自身が細軸の方が合っていると分かっている人以外は、太軸パーツの「フレアグリップ」なども検討しておくのが良さそうです。
このペンについては「問題ない」以外の書き方がないので詳細は省略しますが、弱点チェックなどもしてあります。また、CLIP STUDIO PAINTでの遅延感も、PCと速めの液タブに近い感じでMovinkPad 11より少し良く、快適でした。
内蔵アプリのWacom Canvasではさらに低遅延で、ペン先に線がぴったりついてきます。その低遅延が描き味に作用するのか、デジタル機器っぽさが抜けたようなダイレクト感があります。展示機に触れる機会があるなら注目して試してみてほしいポイントです。
本機は、特筆できるパームリジェクション機能も搭載されています。他のモデルはホバー時にタッチ検知しない処理に依存している場合が多く、手の置き方を気を付けないと誤タッチや不要な描線が現れがちでした。今回は手の側面をベタッと置いたときには無視してくれやすくなり、以前よりも安心して手を置けます。
また、本機では入門機用のペンや文具系のペンも動作します。描き味は劣るものの安価なので。ペンをなくしたり壊したりが心配な人は、外出用にはこれらをチョイスしておくのもアリだと思います。
機能改善が進む独自アプリ
ワコム独自の機能もチェックしておきましょう。基本的にはMovinkPad 11と同じ3種類のアプリが入っています。
- Wacom Tips:ざっと見ておくのに最適な簡易マニュアル
- Wacom Canvas:描き味に優れたシンプル作画ツール
- Wacom Shelf:サムネイル表示主体の画像閲覧ツール
それぞれ開発が継続されているようで、Tipsは解説項目が増え、Canvasはペンの色の選択肢が増えたり、透過PNGが出力できたりとなっています。オフ状態の画面にペンで触れるだけで描き始められる機能も、引き続きアピールされています。
Shelfは、従来のWacom CanvasやCLIP STUDIO PAINTで素早く開くための機能の他、ファイルの削除やタグ管理が追加されています。
いずれもシンプルなツールで万能ではないですが、Canvasは特に書き味が気持ち良いので、スケッチやアイデア出しだけでなく、何となくラクガキぐらいの用途でも楽しいです。
一方で、目的意識がある作業では、ブラシや消しゴムのサイズも自由にならないのがもどかしいという状況は続いています。
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