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空間オーディオ対応の最上位モデルがフルモデルチェンジ Amazonのスマートスピーカー「Echo Studio(2025年発売)」をチェックした山口真弘のスマートスピーカー暮らし(3/3 ページ)

Amazonのスマートスピーカーで最上位モデルに位置づけられるのが「Echo Studio(2025年発売)」だ。フルモデルチェンジした本製品を細かくチェックした。

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スピーカータイプが再評価される理由とは?

 以上、一通り試用してみたが、音の良さに全振りしたモデルという印象だ。機能面ではEcho Dot Maxと違いはないが、スマートスピーカーを使うにあたって、音楽再生時の音の良さを何より重要視する人は、本製品は数ある選択肢の中でも、優先順位がかなり上の存在となるだろう。

 一方で、外観が球形デザインに変更されたことにより、従来モデルの持つ重厚なイメージが薄れてしまった感は否めない。特にオーディオセットなどと並べて置くと、デザイン的に浮いてしまう印象だ。

 製品選びにおいては、こうしたデザイン面が機能や性能以上に決め手になることも少なくない。他モデルとのデザイン統一が裏目に出ていないか、いちユーザーとしても気になるところだ。もっとも単体で設置する場合は、むしろこのデザインこそが好ましいというケースもあるはずで、ユーザーによって評価は分かれそうだ。

 まとめると、音質面で圧倒的な優位性がある一方、巨大な設置スペースが必要になる点はマイナス材料だ。あとは、Echo Dot Max(1万4980円)の2倍をゆうに超える3万9980円という価格をどう捉えるかだろう。本製品の場合、2台まとめて購入するケースも多いと考えられるので、価格についてはちょっとした思い切りが必要になる。

Amazon スマートスピーカー Echo Dot Max 高音質 画面なし 球体 第5世代
パッケージはクラフト調で、製品の先進的なイメージとは大きくかけ離れている。ちなみにボディーカラーはこのグラファイト1色しかない

 ところで最後に余談だが、AmazonのEchoシリーズには本製品のような純粋なスピーカータイプの他、画面付きの「Echo Show」シリーズがあり、スマートスピーカー導入の際は、まず画面の有無を決め、その後にモデルを選んでいくのが一般的だ。

 しかし最近、画面ありのEcho Showシリーズは、プロモーション表示の割合が以前と比べて大幅に増加し、使っていて目障りに感じるケースも増えている。従来は考えられなかったタイミングで広告が挟み込まれるとして、海外ではユーザーフォーラムが炎上するほどの事態も起きている。

 こういった中で、本製品のように画面のない従来タイプのスマートスピーカーは、プロモーションを挟み込む余地が少ないこともあり(未契約の状態でAmazon Musicの再生をリクエストすると、延々と契約方法が読み上げられるといったケースはあるのだが)、画面ありのモデルに一度は転向したユーザーが、本製品のようなスピーカータイプに回帰する動きも見られる。

 将来的にサービスインが見込まれるサブスク制の新しい音声アシスタント「Alexa+」の契約によって、プロモーション要素が減少する可能性もあるが、もし今後も広告表示が続くようであれば、本製品をはじめとする画面なしのスピーカータイプが再評価される可能性はあるだろう。こうした背景も知っておくと、製品を選ぶにあたって参考になるかもしれない。

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