AMDが超解像技術「FSR」を“Redstone”にアップデート フレーム生成やレイトレーシングのパフォーマンス向上を実現
AMDが、かねてチラ見せしていた「FSR “Redstone”」を正式に発表した。基本的にRDNA 4アーキテクチャのGPUに最適化されており、一部を除きすぐ効果を見られるという。
AMDは12月10日(米国太平洋時間)、超解像技術「FSR(FidelityFX Super Resolution)」の最新バージョン「FSR “Redstone”」の開発者キット(SDK)の配信を開始した。同社の開発者向けポータルサイト「GPUOpen」を通して入手可能だ。
FSR “Redstone”の機能を利用できるグラフィックスドライバ「AMD Software Adrenalin 25.12.1」は、同日から配信される。
FSR “Redstone”で新規提供/アップデートされる機能は以下の通りとなる。
FSR Radience Caching:レイトレーシングを高速化
「FSR Radience Caching」は、機械学習データを利用してレイトレーシングの高速化とラディアンスキャッシュの時間削減を実現する機能だ。描画品質を落とすことなく、レンダリングに掛かる時間を短縮できるという。
この機能はRDNA 4アーキテクチャのGPU(Radeon RX 9000シリーズ)でのみ利用可能で、ゲーム側の対応も必要となる。対応タイトルは2026年内に登場する見通しとなっている。
FSR Ray Regeneration:レイトレーシングの“ノイズ”を削減
「FSR Ray Regeneration」は、機械学習データを利用してレイトレーシングによる光源処理のノイズを軽減する機能(デノイザー)だ。よりリアルな光表現を実現する一助になるという。
この機能はRDNA 4アーキテクチャのGPUでのみ利用可能で、ゲーム側の対応も必要となる。この機能は「Call of Duty: Black Ops 7」を始めとする複数のタイトルにおいて近日中に利用できるようになる。
AMD FSR Upscaling:機械学習によるアップスケールも選択可能に
「FSR Upscaling」はFSRの“本筋”である超解像処理の最新バージョンで、今まで「FSR 4」と呼ばれていたものだ。本バージョンはRDNA 4アーキテクチャのGPUに最適化されており、同アーキテクチャのGPUではニューラルレンダリング(機械学習)による超解像処理も選択できる。従来バージョンと同様に、実装は「グラフィックスドライバ(AMD Software)での対応」「ゲームプログラムでの対応」を選べる。
AMDによると、理論的にはFSR 3.1(ゲームプログラムでの対応時)またはFSR 3.1.4(グラフィックスドライバでの対応時)以降に対応するタイトルであればプログラム改修なしでニューラルレンダリングを利用可能とのことだ。
「Mafia: The Old Country」を使ってFSR 3.1(左)、FSR Upscaling(FSR 4:中央)、フルHDのネイティブ描画(右)を比較する。FSR Upscalingはネイティブ描画により近いクオリティが得られている
FSR Frame Generation:フレーム補間で滑らかさをアップ
「FSR Frame Generation」は、機械学習ベースのAIが“現在のフレーム”と“1つ前のフレーム”から補間フレームを生成して差し込むことで、フレームレート(1秒当たりの描画回数)を向上する技術だ。RDNA 4アーキテクチャのGPUに最適化されており、グラフィックスドライバ側で対応することになる。
AMDによると、この機能は理論的にはFSR 3.14以降に対応するタイトルで利用可能だが、2025年末までに対応するゲームは30タイトル超となる予定だ。
なお、RDNA〜RDNA 3.5アーキテクチャのグラフィックスカードでは、対応ゲームタイトルにおいてFSR 3.1相当のフレーム生成機能を利用できる。
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