複雑な3D CAD作業にも安心!レノボの超小型高性能デスクトップPC 「ThinkStation P3 Tiny Gen 2」を Autodesk公式インストラクターが徹底検証(1/3 ページ)
製造業でよく使われる「3D CAD」は、処理の負荷が大きい。レノボ・ジャパンのデスクトップワークステーション「ThinkStation P3 Tiny Gen 2」は、コンパクトなボディーながら3D CADをパワフルかつ安定してこなすことができるという。3D CADの有力アプリベンダーである「Autodesk」の公式インストラクターが、その実力をチェックした。
製造業における3D CAD設計や、AIを活用したジェネレーティブデザイン(材料や荷重、製造方法などの制約条件を入力するだけで、コンピュータが自動的に最適化された複数の3Dモデルを生成すること)など、現代のクリエイティブ/設計業務は、より複雑かつ高度なコンピューティングが求められている。当然、業務に用いるPC/ワークステーションに求められるスペックも、より高くなりつつある。
しかし「高スペックなPC/ワークステーション」と聞くと、巨大で重いタワー型のパソコンをイメージする人が多いのではないだろうか。しかし、レノボ・ジャパンが提供する「ThinkStation P3 Tiny Gen 2」は、容積約1Lという片手で持てるほどのコンパクトなボディーサイズでありながら、大規模なCADデータをスムーズに扱えるパワフルさを備えるデスクトップワークステーションだ。
同社では先日、「Autodesk公式インストラクターと考える『失敗しないPCスペック選び』」というウェビナーを開催した。本ウェビナーにはレノボ・ジャパンから川端亮太郎氏(ワークステーション&クライアントAI事業部 Business Development Manager)と井関博幸氏(eコマース事業本部 SMB Demand Generation Manager)、そして特別ゲストとしてAutodesk公式インストラクターで、CADist(キャディスト)の千野貴弘CSO(最高戦略責任者)が登壇し、3D CADにおける定番アプリ「Autodesk」の最新状況を踏まえつつ、本製品の魅力を紹介した。
この記事では、このウェビナーの“要点”をお伝えする。3D CADやジェネレーティブデザインを快適にこなせるPC/ワークステーションを探しているなら必見だ。
設計の現場に広がるAIの波
千野氏が所属するCADistは、Autodeskの認定ラーニングパートナーとして、Autodeskのアプリ(Inventor/Fusion/AutoCADなど)を使った製造業向けのプロダクトデザインのトレーニングを提供している。
千野氏自身は元々、設計エンジニアやNCオペレーター、溶接工などを務めてきた経歴を持つ。「危険物取扱者」といった資格も保有する「現場寄りのインストラクター」として、企業はもちろん大学を始めとする教育機関でも指導を行っている。
その千野氏によれば、近年では、企業や教育機関において「AIを使ってCAD設計を行う」需要が高まっているという。特に注目を集めているのがジェネレーティブデザインと呼ばれる、AIを用いた自動設計手法だ。
人間の発想では踏み込めないようなギアの軽量化や、過剰設計を抑えた最適化を図ることができる画期的な機能だが、こうした高度な処理をスムーズに行うためには、当然ながらそれに見合うだけの高いスペックを持つハードウェアが要求される。
大規模な3D CADデータもサクサク処理するThinkStation P3 Tiny
ウェビナーの中で、千野氏はAutodeskの3D CADツール「Inventor」と「Fusion」を使用した、処理的に“過酷”なデモンストレーションを披露した。
最初に使ったInventorは、製造業における“主力”の3D CADツールとなる。千野氏が用意したのは、いわゆる「配管」のモデル(データ)だ。ビルの設計プロセスにおいて、空調設備や上下水道の配管を検討/設計する際も3D CADが使われるためだ。
千野氏は、川端氏と井関氏に画面の右下に注目するように促した。なんと、この配管モデルでは1万5510個のパーツが使われているのだ。3D CADでは、パーツが1万点を超えると「大規模アセンブリ」と呼ばれる。これは家を1軒作れるレベルの規模となる。
注目すべきはパーツの数だけではない。このモデルはパイプの“曲げ”が多いことも特徴だ。
千野氏によると「拡大図の線の本数を見ても分かるように、曲線が多いデータは直線的なデータに比べて(処理で)非常に負荷がかかる。この集合体をリアルタイムに計算しながら表示するので、マシンスペックが低ければ、(アプリが)バスンと落ちてしまう(強制終了する)」という。
このような大量かつ複雑なモデルを処理するには、ハイスペックなPC/ワークステーションが欠かせないということだ。
ThinkStation P3 Tiny Gen 2では、このような大規模アセンブリのデータを軽快に扱える。リアルタイムで視点移動をさせたり、ズームイン/ズームアウトを繰り返したりしても、千野氏の言葉を借りると「スルスル動く」のだ。
次のデモンストレーション用のデータでは、部品ごとに設定された金属光沢や透明度の表現、光の加減もしっかりと描写されていた。こういう表現処理も処理的に負荷をかけてしまうのだが、スムーズだった。
ただ、ここまでスムーズで軽快だと「本当に?」と思ってしまう人もいそうだ。そこで千野氏は井関氏にマウスを渡し、簡単なレクチャーを施してから、モデルを自由に動かすように促した。
井関氏はモデルの拡大/縮小や回転を気ままに行っていたが、動作はスムーズで軽快だった。
2つ目のデモで使ったモデルのパーツ数は約4000で、1つ目のモデルと比べると少ない。しかし、曲げの部分に曲線が使われていることなど、負荷を掛けるモデルだることに変わりない。
千野氏は「Inventorは大規模アセンブリに特化したアプリで、強制終了しないようにデータを全部読み込まないモードもあるが、今回は材質/質量/設計者のデータも読み込んだ全部入りの状態としている。それをリアルタイムに計算して動かしているので、マシンの性能がかみ合っていないと、本当に(アプリが)問答無用で落ちるが、このマシンはしっかりと付いてきてくれている」と、ThinkStation P3 Tiny Gen 2の実力を高く評価した。
アプリをまたぐ超高負荷作業とAI設計へのスムーズな移行も実現
続くデモンストレーションでは、「インプレイス編集」と「データコンバート→別アプリへの引き渡し」という、これまたマシンに負担を掛ける処理を披露した。
インプレイス編集は、全体データ(アセンブリ)の中から、特定のユニットだけをクローズアップして編集を行うものだ。この際に、他のパーツは“透明”処理されるのだが、データは広げたまま編集を進めるため、メモリを大量に必要とする上、処理負荷もかなりのものとなる。
データのコンバートだが、これはInventorからFusionへデータを引き渡すために行っている。Inventorは、ローカルベースのアプリで、単体ではジェネレーティブデザインに対応しない。そこでクラウドベースのFusionにデータを渡す必要があるが、InventorとFusionではデータ形式が異なるので、コンバートしなければいけないのだ。
この作業は、以下のプロセスを“同時に”行うため、マシンに絶望的なほどの負荷がかかる。
- 非常に重いモデルの特定部分を切り出す
- 別のアプリ(Fusion)を裏で起動する
- ファイル形式をコンバート(変換)する
- クラウドへアップロードする
こういう高負荷な処理をする場合、スペックの高いゲーミングPCを使おうと考える人も多いだろう。しかし、千野氏は「実際にゲーミングPCで試したが、(途中で)落ちてしまった」という。ゲーミングPCですら“完走”できないことがあるほどの重たい処理なのだ。千野氏は「もっとも、事務用の(ビジネス向け)PCでは最初の段階で開くことすらできずに落ちる」ともいい、本当にどうすればいいのかという状況である。
しかし、千野氏が用意したThinkStation P3 Tiny Gen 2は、この処理を“完走”した。Inventorからボタン1つでFusionがスムーズに立ち上がり、データのコンバートとアップロードが完了。クラウド上でのAI計算を経て、最終的に強度を保ちながらもムダを削ぎ落とした「粘土でこねたような」軽量化パーツの3Dモデルが無事に提示された。
材料費の高騰が課題となる昨今、過剰設計は企業にとって負担となる。しかし、AIを用いればその抑制と材料の削減を行える。
一度の操作でうまく行かないことがあっても、PC/ワークステーションがサクサク動き、フリーズしなければ試行錯誤の回数を増やせる。クリエイティビティーを支えるワークステーションの存在がいかに重要であるかが明確に示されたデモンストレーションであった。
提供:レノボ・ジャパン合同会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2026年3月31日
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