オーソリニア配列キーボード「Keychron Q15 Max」を試す 美しいグリッド配列は人を選ぶ?(2/3 ページ)
格子状の「オーソリニア配列」を採用したキーボード「Keychron Q15 Max」をレビューする。
死角のない高級仕様
Q15 Maxは約283.05(幅)×114(奥行き)mmのコンパクトなボディーながら、重さは約1200gを超える。一体成形のフルアルミボディーもさることながら、下部には真ちゅう色の8つのネジでしっかりと固定されたウエイトが仕込まれている。
この重量ゆえ、タイピング中にキーボード本体が微動だにしない安定感があり、激しくタイプしてもデスク上で滑ったりずれたりする心配は皆無だ。その反面、携帯性は低いので持ち運び用途よりは据え置き前提といえるだろう。実物を見ずに購入するときには気を付けてほしい。
キー数はノブを除いて64キーだ。そのうち1U(標準キーサイズ)でないものは2Uのエンターキーと2.25U/2.75Uの分割スペースバーのみ。実に整然と14列5行、格子状のキーレイアウトを実現している。
キーキャップは全段同じ高さが特徴のXDAプロファイルであり、オーソリニア配列の整然性を保つだけでなく、取り付け位置を問わない柔軟なキーキャップ交換を可能にしている。
もう一つのアクセントとなっているのが、最上段の両端に設けられたノブ(ロータリーエンコーダー)だ。ノブは回転操作と押し込みが可能で、デフォルトでは左右ノブとも音量調節とミュートに割り当てられている。
Keychronはほとんどのキーボードにノブを付けているが、原稿執筆時点で2つのノブを持つモデルはQ15 Maxのみ。これはオーソリニア配列の左右対称性を保つためという意図が大きいように思う。キーキャップと同色でそろえられたノブはキー群に溶け込むように配置されていながらも、絶妙な存在感を放っている。
接続方式は2.4GHz/Bluetooth 5.1/USB有線のトライモードに対応しており、本体背面のスライドスイッチで切り替える。Bluetoothは3台までペアリングが可能だ。このあたりは昨今の高級キーボードのスペックに準じたところだが、2.4GHz接続では1000Hzのポーリングレートに対応しており、Nキーロールオーバー対応と合わせてゲーミング用としても利用できるスペックとなっている。
対応OSはWindows/Macで、Windows用のWin、Altキー、Mac用のOpt、Cmdキーなどの交換用キーキャップの他、USBケーブル、キープラー、レンチ、ドライバーなどのツール類も付属する。
オーソリニア配列とバナナ軸
一番の注目ポイントであるオーソリニア配列は、本機の魅力であると同時に最大のクセのある部分だ。通常のキーボードは各列でキーが左右に少しずつずれて並ぶロウスタッガード配列だが、オーソリニア配列では格子状(グリッド状)にキーが配置される。視覚的な美しさだけでなく、慣れると指の移動量が減りタイピング効率や速度の向上が期待できるとされているが、あくまで「慣れると」であることには注意が必要だ。
キースイッチにはKeychronオリジナルのGateron製Jupiterスイッチを採用している。赤軸(リニア)、茶軸(タクタイル)、バナナ軸(タクタイル)から選択できるが、今回はバナナ軸を試用した。
バナナ軸はHoly Panda軸に似たフィーリングで、押し始めてすぐにしっかりとした反発感(バンプ)があり、そこからストンと沈み込む動きが特徴だ。通常のタクタイルが「クー、トン」という感触だとすれば、バナナ軸は「グググ、ストン」という感じで、強めの反発の後、まるで磁力で引っ張られたかのように吸い込まれていく。バンプの位置も高く、押すと癖になる。
ボディーはプレート上のガスケットに加え、トップケースとボトムケースの間にシリコンパッドを追加したダブルガスケット設計だ。さらに複数層の消音フォーム(IXPE・PET・ラテックスなど)を内蔵している。
タイピング音はクリアで、うるさすぎない「コトッ」という“心地よいサウンド”を実現している。また、分割スペースバーやエンターキーのスタビライザーはPCBにネジ止めされており、プレートマウント式に比べてより安定したタイピングが可能になっている。
ただし、分割スペースバーのタイピング音のみ、ペコペコという異質な音になっている点はやや期待外れだった。もっとも、同様の指摘は他では見られないため、個体によるものかもしれない。
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