バッテリー着脱式! Ryzen AI Max+ 395で驚異の性能をたたき出すポータブルPC「OneXFly APEX」を試す(4/4 ページ)
「Ryzen AI Max+ 395」搭載の8型ポータブルPC「OneXFly APEX」をレビューする。バッテリー着脱で最軽量の784gとなる構造や、重量級ゲームも高画質で快適に動く異次元の性能に迫る。
驚きのベンチマークスコア! 重いゲームも高画質でヌルヌル動く
それでは性能に関する検証に移ろう。まずは主要なベンチマークでOneXFly APEXのおおまかな性能を、次にゲームベンチマークを用いて実際のゲームでどれくらいの画質設定で60fpsないし120fps前後による動作環境を得られるかをチェックする。そして、最後にAIベンチマークも軽く紹介しよう。
それではCINEBENCH 2024および2026からだ。Ryzen AI Max+ 395のCPU性能にフォーカスしてみよう。CINEBENCH 2024のスコアはCPU(Multi Core)が1773pts、CPU(Single Core)が116ptsだった。
同じRyzenでも、例えばRyzen AI 7 445はCPU(Multi Core)が638pts、CPU(Single Core)が106ptsといったあたりだ。
CPU(Multi Core)はコア数が反映されやすいとして、CPU(Single Core)もより高いのがポイントになるだろう。
CINEBENCH 2026はCPU(Multiple Threads)が7333pts、CPU(Single Core)が620pts、CPU(Single Thread)が466ptsだった。
PCMark 10は、Extendedスコアが1万2100ポイントと、軽く1万を超えている。そして注目はその配分だ。Essentialsが1万998、Productivityが1万6322、Digital Content Creationが1万5108、そしてGamingが2万1357だ。Overallとしては非常に高く、高性能PCと呼んでよい。
また、統合GPUを利用するPCではGamingスコアのみ極端に低いスコアとなるところ、本製品ではむしろ他3つのテストよりスコアが高い。
では注目の3D性能だが、3DMarkの全ての3Dテストが実行できたところも一般的な統合GPUと異なる点だ。DirectX 12 UltimateのSpeed Wayや、レイトレーシングのPort Royalなど実行できないことも多い。
その上で注目したいのが、DirectX 12のSteel Nomad LightやTime Spy、DirectX 11ではFire Strike Extreme(2560×1440ピクセル)などだ。このあたりで1万ポイントを超えているのは、AAAタイトルを快適に楽しめそうだと期待につながる。
実ゲームの1番手は、ほどよい負荷の「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク」だ。解像度は1920×1200ピクセル、最高品質とノートPC向けプリセット2つを計測した際の平均フレームレートをグラフ化した。
最高品質でも60fpsを余裕で超えており、スコアは1万1834ポイント、評価も「とても快適」だった。一つ引き下げた高品質(ノートPC)では平均100fpsを超え、評価も「非常に快適」に上がった。
次にモンスターハンターワイルズ ベンチマークだ。フレーム生成オンとしている。1920×1200ピクセルでの各画質プリセットでは、最高画質のウルトラでも96.09fpsと十分に高い。実際には数カ所カクつきを感じたシーンもあったが、おおむねプレイ可能といえるレベルだった。
高負荷のサイバーパンク2077では、初回起動時の推奨はレイトレーシング:中が選ばれ、それでは平均50.14fpsと、60fpsを少し切っていた。そこでフレーム生成をオンにすると、レイトレーシング:中でも93.52fpsに向上した。
さらに上のレイトレーシング:ウルトラも72.01fpsを記録できたが、最小fpsは56.66fpsとわずかに60fpsを下回った。常に60fps超を狙うならレイトレーシング:中+フレーム生成だろう。
少し軽めのものに戻ってマインクラフトは、ワールド生成直後で平均967.5fps、その際の1%Lowが309.9fps、影MODのBSL Shaders(のデフォルト設定)を入れて平均146.7fps、1%Lowが109.1fpsだった。
最後に、競技タイトルのレインボーシックス シージ エックスでは、120fps想定で見ていこう。最高品質のウルトラ+では平均123fps、最小96fpsと、最小側が120fpsを下回ってしまった。ただし、一つ下の最高とすれば平均209fps、最小158fpsと常時120fps超をクリアできる。
本当の競技レベルとなると120Hzでは物足りないかもしれないが、練習や息抜きには十分に通用するだろう。
このように、テストした全てのゲームにおいて、高画質かつ快適なフレームレートを得られている。ここが一昔前のポータブルゲーミングPCとの違いだろう。
続いて、AI性能についてはUL Procyonのスコアを紹介しておこう。
画像生成のAI Image Generation Benchmarkは、3つのテスト全てでGPUを使用する設定がデフォルトで選ばれていた。
Stable Diffusion 1.5のスコアは、ONNX Runtime(ORT)のAMD Optimizedのインタフェースを使用した場合で858ポイント、Stable Diffusion 1.5 LightはORTのMS Oliveのインタフェースを使用した場合で8266ポイント、Stable Diffusion XLはORTのAMD Optimizedのインタフェースを使用した場合で617ポイントだった。
| Procyon AI Image Generation Benchmark | スコア |
|---|---|
| Stable Diffusion 1.5 :GPU(ORT+AMD) | 858 |
| Stable Diffusion 1.5 Light :GPU(ORT+Olive) | 8266 |
| Stable Diffusion XL :GPU(ORT+AMD) | 617 |
テキスト生成テスト、AI Text Generation Benchmarkでは、デフォルトがNPUとGPU両方を使用する設定が選ばれていた。ORTとVAIP(Vitis AI Execution Provider)のインタフェースを使用した場合で、Phi 3.5 mini instructが1200ポイント、MISTRAL 7Bが1058ポイント、LLAMA 3.1 8Bが847ポイントで、LLAMA 2 13Bは実行画面でのオプションからも外された状態で計測不可だった。
ORTを選び(VAIPを外し)、GPUのみを使用する設定ならLLAMA 2 13Bも動作するので参考としてそちらも添えておこう。
| Procyon AI Text Generation Benchmark | NPU+GPU(ORT+VAIP) |
|---|---|
| Phi 3.5 mini instruct | 1200 |
| MISTRAL 7B | 1058 |
| LLAMA 3.1 8B | 847 |
| LLAMA 2 13B | N/A |
| Procyon AI Text Generation Benchmark | GPU(ORT) |
|---|---|
| Phi 3.5 mini instruct | 769 |
| MISTRAL 7B | 780 |
| LLAMA 3.1 8B | 722 |
| LLAMA 2 13B | 798 |
UL Procyonの結果を見る限り、OneXFly APEXをAI用途で利用するのもありだ。まず統合GPUでありながら制約が少なくほとんどのテストを実行、問題なく完走できた。潤沢なメインメモリ、統合GPUとしては高い性能であるためだろう。
処理速度についてはAIの主流であるディスクリートGPUには及ばない。ただしここも、グラフィックスメモリを24GB搭載するディスクリートGPUのコストとてんびんにかければ、OneXFly APEXのメリットも明白だろう。AIの習得などで十分活用できる。
ゲームの可能性が広がる! 妥協要らずのポータブルゲーミングPC
OneXFly APEXを試してきたが、まずゲーミング性能という点では非常によい。実際にゲームが高画質で十分なフレームレートで楽しめる。また、操作系は好みや慣れにもよるが、メーカーとして耐久性に注力しドリフトを生じさせないセンサーを採用するなど工夫をしていると言うので、ここも安心材料だと思われる。
PCとして見ても十分に高性能だ。ビジネスソフトも快適、クリエイティブ系ソフトやAIもいける。USBハブは必要になるとして、外部ディスプレイやキーボード・マウスなどの周辺機器をつなげば、普通のPCとしても使用できる。ただし、メインPCとして使えるかと言うと、形状、動作音などハードルがある。
執筆時点での価格はスタンダード(空冷)版で34万9800円、水冷版で35万9800円だった(いずれも直販価格)。現在のパーツ価格、スペックや性能を考えれば妥当ではあるが、同額を払えばもっと高性能なゲーミングノートPCが買えてしまう。
多くの人がサブPCにしては高いと感じるだろう。ただしOneXFly APEXは小さく軽く、ポータブルゲーム機のように手に持って遊べる。入手できればゲームの可能性を広げられることは事実なので、これを目指してみる価値はあるだろう。
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