Gemini搭載「Google Home スピーカー」は買いか? 6年ぶりの新モデルを試して分かった賢さと課題が見え隠れする“次世代機”の現在地:山口真弘のスマートスピーカー暮らし(2/3 ページ)
Googleから、実に6年ぶりとなるスマートスピーカーの新製品「Google Home スピーカー」が発売される。従来モデルとの違いや進化ポイントを試した。
音声を10種類から選択可能 壁掛け非対応はネックか
セットアップのプロセスはシンプルで、Google Home アプリを起動し、新規デバイスの追加から画面に沿って行っていくだけで済む。声を10種類から選択できるのは、これまでになかったプロセスだ。注意点があるとすれば、本体底面のQRコードを読み取る必要があるので、実機を手元に置いて行わなくてはいけないことくらいだ。
セットアップを終えて実際に設置してみての感想だが、どこが正面なのか分かりづらいという、従来モデルでも指摘されていたユーザビリティー上の問題に全く手を付けられておらず驚かされる。本製品は天板の左右をタップして音量調整を行うのだが、正面の向きが分かりづらいということは、つまり音量調整で(少なくとも初手では)誤操作する可能性があるということだ。
タップした時に点灯する天板左右のLEDの位置から判断することは可能なのだが、これらは普段は消灯したままなので、通常状態で前方から見ただけでは、正面なのか、斜めを向いているのかが判断できない。ハードを何世代も重ねながら、いまだにこのレベルの問題が改善されていないのは、ある意味で驚かされる。
その一方で音質は向上している。従来モデルにあたるGoogle Nest Miniが手元にないため同一条件で聞き比べたわけではないが、ドライバが40mmから58mmに変更されているとのことで、YouTube Musicを試した限りでは、音にメリハリがあり、明らかに別物だ。デスク脇に置いておくスピーカーとしては非常に優秀な部類に入るだろう。75mmウーファーと19mmツイーターを搭載していたNest Audioには及ばないが、サイズ的には仕方ない。
また2台をペアにしての出力にも対応しているが、これは同社の「Google TV Streamer」が必要になるとのことで、かなり限定的な機能だ。このあたり、AmazonのEchoシリーズの同等機能を大いに意識しているように感じられる。
この他、スマートホーム関連ではThread 1.3のボーダールーター機能を備え、Matterのハブとしても利用できる。
気になったのは、従来のGoogle Nest Miniのように壁掛けができないことで、一部のユーザーにとっては致命的だろう。かつてAmazonのEcho Dotでも起こった問題だが、モデルチェンジで形状が変更されたことで、これまでの設置方法が取れなくなってしまうのは、ユーザーにとっては後継機種はないと宣告されたに等しい。サードパーティーから何らかのアクセサリーが登場することを期待したい。
Gemini採用で自然な会話が可能に ただし話がかみ合うかは別問題
さて本製品の最大のポイントは、初期状態でGemini(Gemini for Home)が使えるようになっていることだ。
「OK、Google」ないしは「ねぇGoogle」というウェイクワードを発しなくてはいけない点は従来と同様だが、これまでのGoogle アシスタントからGeminiへと交代したことで、従来のように音声アシスタントが判別できるフォーマットにのっとった呼びかけではなく、自然な会話が行えるようになった。歴史を振り返った際に「Gemini登場以前」「以後」で分かれるくらいの大幅な進化だ。
ただし、過剰な期待は禁物だ。これほど雑な呼びかけでもきちんと応対してくれるのか、と感心したのも束の間、とんでもなく的外れな回答を延々としゃべり続けたりするので、会話の半分が「違う」「いやそうじゃなくて」というツッコミになりがちだ。
また、Aという事柄について教えてとリクエストした時に、AそのものではなくAを知るための手段や方法を回答するといった掛け違いも非常に多い。
このあたり、定型の会話しかできないものの脱線はしなかったGoogle アシスタントとのやりとりに慣れていればいるほど、最初のうちはかみ合わない会話にドッと疲れるのは必至だ。おそらく使い続けていけば慣れるはずだが、人間が慣れるのか、それともGeminiの側が慣れるのかは、実際に使い込んでみなければ分からない。
なお本製品とやり取りしている間は、本体底面のLEDリングが点灯する。AmazonのEchoシリーズとよく似た(というよりもそっくりな)仕組みなのだが、本製品はこのLEDリングの色によって、現在が「聞き取り中」「思考中」「応答中」のいずれのステータスかを判断できるようになっている。
スマートスピーカーでは反応を待っているつもりが既に回答が終わっていたり、その逆だったりということがあるが、この色を見ればそれも判別できるというわけだ。これを応用すれば、ステータスを確認した上でウェイクワードを省略して会話を継続する、といったこともできる。
余談だが、Googleの新しいノートPC「Googlebook」にも同じギミックが導入予定とのことで、今後1つのシンボルとなっていく可能性がある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
ホームデバイスにもGeminiを――新型「Google Home」デバイスが一挙登場 アプリも刷新
Googleが、新型の「Google Nest Cam」と「Google Home スピーカー」を国内に投入する。Nest Camの新モデルについては既に販売を開始している。
進化した Googleのスマートスピーカー「Google Nest Audio」、果たして買いか?
スマートスピーカーやその関連デバイスについて、試行錯誤を繰り返しつつ、機能をバリバリ使えるようになる(予定)までの過程を、時系列でお届けする連載。今回は、「Google Home」の後継となる新モデル「Google Nest Audio」をチェックした。
JBL、アラームクロックとしても使えるBluetoothスピーカー
ハーマンインターナショナルは、アラームクロック機能を備えたBluetoothスピーカー「JBL Horizon 3」を発表した。
買い替える価値はある? 「Google Nest Mini」を使い込んで分かったこと
スマートスピーカーやその関連デバイスについて、試行錯誤を繰り返しつつ、機能をバリバリ使えるようになる(予定)までの過程を、時系列でお届けする本連載。今回は「Google Home Mini」の第2世代モデルにあたる新製品「Google Nest Mini」を紹介する。
電源アダプターで給電する屋外向けの新型ネットワークカメラ「Google Nest Cam Outdoor(第2世代)」を試してみた
「Google Nest Cam Outdoor(第2世代)」は、屋外向けネットワークカメラの新モデルだ。従来モデルや競合モデルとの違いをチェックした。






