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日本HPはなぜ「Rakuten AI」を採用したのか? 岡戸社長に直撃(3/3 ページ)

日本HPが、楽天グループが開発したハイブリッドAIアプリ「Rakuten AI for Desktop」を自社PCにプリセットすることになった。自社の「HP AI Companion」もある中で、なぜ他社のアプリをプリセットするのか――岡戸伸樹社長を直撃した。

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Rakuten AI for Desktopをプリセットすることで生まれる強みは?

―― Rakuten AI for Desktopをプリセットすることで、HPのPCに生まれる強みは何でしょうか。

岡戸社長 まず、AIをローカルで使えるようになることは大きなポイントかなと思ってます。

 発表会のデモでも示した通り、想像以上にサクサクと動くのと、秘匿性の高いデータをローカル環境で使えるという意味でいきますと、(ビジネスの)生産性の向上に非常に役立つと考えています。先ほど言及したとおり、クラウドモードでは楽天経済圏のエコシステムとつながっていけることも魅力です。

 オンラインとオフラインがシームレスに使えて、生産性を最大化できるというのは大きな強みになると思ってます。

―― 現時点においてRakuten AIはβ(ベータ)版だと思うのですが、プリセットされるRakuten AI for Desktopもβ版ということなのでしょうか。それに関する注意などは掲示されるのでしょうか。

岡氏 Rakuten AIは2026年秋に正式版に移行する予定となっていて、それまではRakuten AI for Desktopもβ版としてお使いいただく形になります。アプリのインストール段階で、その旨が表示される予定です。

岡戸社長
筆者からの質問に応じる岡戸社長

いろいろなAIがもたらす“価値”

―― Rakuten AI for Desktopと、自社のHP AI Companionが併存する様子を見ると、「ユーザーにAIを使ってもらう」という観点で試行錯誤があるのかなと思います。今後、さらなるAIアプリの導入などの可能性もあるのでしょうか。

岡戸社長 AIは日進月歩で、群雄割拠という状況です。ある意味で黎明(れいめい)期な部分が残っているようにも思います。

 私たちとしては(AIアプリについて)「これ一択」という考え方をしているわけではありません。自社のAI Companionはもちろん、今回のRakuten AIのようにオープンでやっているものも並行して検討していきます。ユーザーの皆さんが常に「新しい良いモノ」を使えるということは大切だと思っていて、その結果として今回はRakuten AI for Desktopを採用した、ということです。

 AI CompanionはHPのPCに最適化したものですが、Rakuten AIは日本語はもちろん日々の生活や仕事に根ざしたもので、(楽天グループの)エコシステムにもつながれます。(AI Companionとは)別の価値を提供できるので、今回の提携につながったということです。

―― 他のAIサービスとの提携も視野に入れているのでしょうか。

岡戸社長 その点でいうと、私たちはオープンに考えています。今決まっていることはありませんが、さまざまなものを検討して、ユーザーの皆さんにメリットのあるものを提供していこうというスタンスです。

 その際にキーになるのは「ハイブリッドAI」ですね。お客さまと話をしていると、クラウド型のAIについてトークン(Token)のコストがだんだん重くなってきているという旨の話題が出てくることが増えました。「ちょっとした推論ならローカルで済むでしょう」という観点でハイブリッド型のAIへの注目が広まってきていて、経営課題の1つに据える企業が増えていると実感します。このニーズに応えることが、私たちのミッションだと考えています。

AIエージェント
日本HPとしては、ハイブリッドAIを機軸としてオープンにさまざまなAIサービスを取り入れることを検討しているそうだ

―― 最近は企業におけるAIのユースケースが「AIチャットボット」から、電源を入れたら勝手にいろいろ進めてくれるという「エージェントAI」にシフトしつつあるかと思います。今回のRakuten AI for DesktopはAIチャットボット的なアプリだと思うのですが、これはユーザーがAIをそこまで活用しきれていないという背景もあるのでしょうか。

岡戸社長 ローカルで動くAIを考えたときに、(現時点では)チャットボットがユースケースとしては入りやすく分かりやすいという点はあります。当然、楽天グループとの提携の中でエージェント型AIを含めて進化させていくことも1つの選択肢だと考えていますが、まずは“スタート地点”に立てたのかなと思います。

おまけ:昨今のPC価格について

―― 最近はメモリを始めとする半導体価格の高騰の影響で、PCの本体価格も上昇傾向です。答えにくいとは思いますが、PCの価格について何か言えることがあればコメントください。

岡戸社長 当社はPC価格についてコメントしないことになっているので、申し上げることはできません。

 PCの価格は、さまざまなパーツの価格や仕入れ状況、経済状況を鑑みた上で最適な形で決めています。そのことはご理解いただけたらと思います。

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