Wacom「Cintiq Pro」に迫る実力 27型4K/120Hzで約30万円のXPPen「Artist Pro 27(Gen 2)」でお絵描きして分かった魅力と妥協点:ある日のペン・ボード・ガジェット(3/4 ページ)
XPPenの大型液タブ「Artist Pro 27(Gen 2)」は、4K解像度と120Hzのリフレッシュレートを備えたハイスペックを持ちながら、スタンドや左手デバイスが付属して29万8000円というリーズナブルな価格を実現しています。本機の実力をrefeiaさんがチェックします。
2種類のペンと左手デバイスが付属
さて、ペンを見ていきましょう。本機に付属するのは「X3 Pro スタイラスペン」(標準ペン)と、「X3 Pro スリムスタイラスペン」(細ペン)で、おなじみの左手デバイス「ACK05」も付属します。
最新のペン世代にはX4シリーズが既に存在しますが、ProモデルはX3 Proが最新です。現状、本機の「Gen 2」のように2世代目っぽい表記が入っているなら「X3世代のペン」、「Artist 16 3rd」のように3世代目っぽい表記ならば「X4世代のペン」と見分けることができます。
冒頭の「初めてなのにGen 2」の違和感は、コア技術の世代を指していると考えれば理解しやすいですね。
この世代のペンは既にレビューしているので詳細は省きますが、軽い筆圧から強い筆圧まで自然に反応し、長時間、集中して描きやすいペンです。一方で、少しずんぐりしているせいで、ワコムの「Pro Pen 3」よりも視界が悪いのは気になります。
斜線の揺らぎやペン先の沈み込みなどの、昔の海外メーカー液タブにありがちだった問題がないことも一通り確認してあります。
Pro Pen 3に対しての妥協点は、上記の視界に加えて
- かなり強い筆圧への余裕がそれほどでもない
- 超軽い筆圧への反応で一歩譲る
- 細かく震えるようなストロークは、少しなめされていると感じる
ぐらいだと思います。制作でその領域に頼った描き方をするかというと何とも言い難く、実用上は差を感じないケースが多いと思います。
お絵かきで実用チェック
さて、今回もお絵かきで実用性をチェックしていきましょう。ラフでは素早い試行と意図の残しやすさをチェックしたいので、遅延の小ささと、強い筆圧の使いやすさに注目しています。いずれも違和感なく、イメージを素早く散らして、アタリ感・メモ感・影感を筆圧で描きわけていく作業を快適に進められました。
本機は120Hz対応の液タブで、60Hzに対して実際に詰められる遅延は、システム全体の中では大したことはないはずで、計算上でも手元の実測でも、7/120秒か6/120秒か、ぐらいのものです。なのですが……実用しているとサクサク素早く感じます。スクロールや描線が表示されていく滑らかさが、そう感じさせるような気がしますね。
線画では意図したとおりのストロークを追っていけるかと、線の強弱のために中程度の筆圧が気持ちよく使えるかを見ていました。これも快適で、妙にめんどくさい内容の線画をちまちまと描き進められました。
自分があまり得意でない大型機で、普段より広く手を動かすので、楽とは言えない腕の位置で描いたり、そこで線を安定させるために筆圧を上げたりと、腕の疲れやすさは感じました。
彩色では薄いグラデーションからベッタリと濃い塗り方まで使うので、軽い筆圧のコントロール性と、そこから強い筆圧までを自然に扱えるかを見ています。実用ではない比較ではPro Pen 3の方が軽い筆圧にも自然に反応していたのですが、自分の作業スタイルだとその領域はほぼ使わないので、本機も違和感なく進められました。
というわけで完成です。自分にとって画面が大きすぎる以外に、描き味に関してここは嫌だなと感じる点もなく、最後まで作業できました。
発熱は正直、気になりました。夏の暑い日だったこともありますが、デフォルトの輝度で使っていると、画面の右の方が、手袋をしていても気になるぐらいの暖かさになっていました。本機はファンレスなので、輝度の設定にも影響を受けやすいです。
画面が広大なので、右の方をあまり触らない使い方はいくらでもできます。暖かい部分には資料なり、チャットアプリなり、好きな配信者のライブなりを置いておけばいいわけです。とはいえ、これくらいの妥協ない最上位機がそれでいいかと言うと、疑問は残ります。
ワコムがうるさいうるさいと言われながらも、上位機にはかたくなに冷却ファンを載せ続けているのも、それなりの理由があるわけですね。
また、ドライバアプリにいつのまにかうれしい改善が入っていました。「Ctrl+Shift+N」→「Alt+P」のような、途中で装飾キーが変わるキーボードマクロが登録できるようになっています。さまざまなアプリの煩雑な操作をサッと登録できるのはありがたいです。
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