MacBookに数枚の紙を挟んで持ち運んだだけで、ディスプレイが損傷した……? 薄い紙でも油断できない理由
ノートPCを持ち運ぶとき、ちょっとしたメモやプリントをキーボードの上に挟んでパタンと閉じていないだろうか。実はそれ、MacBookでは「絶対にやってはいけない禁忌」かもしれない。
「買ったばかりのMacBook Proに紙の資料を挟んで持ち運んでいたら、ディスプレイが破損した」──そんなショッキングな投稿がSNSで話題を呼んでいる。
硬いペンや分厚い手帳ならともかく、「たかが数枚の薄い紙で画面が割れるなんて……」と驚く人も多いだろう。しかし、近年のMacBookの構造を知れば、これが決して珍しい事故ではないことが分かる。
限界まで削ぎ落とされた、キーボードとディスプレイの隙間
AppleのMacBookシリーズは、薄型デザインを実現するために、極薄のアルミボディーにガラス一体型の液晶パネルを採用している。そのため、画面とキーボードが合わさるクリアランス(隙間)は、極めて厳密な公差で設計されている。
Appleの公式サポートページでも、このシビアな設計については明確に警告されている。「カメラカバー、パームレストカバー、またはキーボードカバーを使用している場合は、ディスプレイを閉じる前に取り外してください」とアナウンスされている。
特に注目すべきは、カメラカバーの厚みに関する指定である。Appleは「一般的なコピー用紙の厚さ(0.1mm)を超えないもの」と明確な基準を示している。つまり、「コピー用紙1枚」が設計上の限界ということだ。
数枚のA4用紙を挟めば、その厚みは完全にアウトだ。おそらく閉じた際のヒンジを支点とした「てこの原理」で強烈な圧力がかかり、表面のガラスは無事でも、内部のもろい液晶パネルだけが割れてしまう可能性がある。
「保護するつもりが破壊している」というわな
ディスプレイにキーボードの跡がつくのを防ぐため、シリコン製のキーボードカバーや画面保護フィルム(ガラスフィルムなど)を使用している人も多いだろう。しかし、これも実は非常にリスキーな行為だ。
AppleInsiderなどの海外メディアや、Redditなどのコミュニティーにおいても、キーボードカバーや保護フィルムを長期間使っていた結果、画面に修復不可能な線が入ったり、割れたりしたという報告があることを多数確認できた。購入時に画面の間に挟まれている極薄の保護布以上の厚みや硬さがあるものを挟むことは、常にディスプレイにストレスを与え続けている状態といえる。
痛すぎる修理費 われわれにできる自衛策は?
一度画面が割れてしまうと、MacBookの修理代は非常に高額だ。有償保証に加入していなければ、保証対象外の修理として、十数万円の請求になることも珍しくない。
そうした悲劇を防ぐための最もシンプルで確実な方法は、「ディスプレイとキーボードの間には、空気以外何も挟まない」ことを強く心掛けることだ。
画面の汚れやキーボード跡が気になる場合は、カバーで保護するのではなく、少量の水を含ませた柔らかいマイクロファイバークロスで定期的に優しく拭き取るのが、一番安全なメンテナンス方法となるだろう。昨今はPCや電子機器の価格が高騰している。デバイスを長く愛用するために、画面を閉じる前の「一呼吸」の確認を、ぜひ習慣にしてほしい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
まるで“狂気の沙汰”──ジョブズ時代のAppleを感じさせる「iPhone Duo」のヒンジと製造工程
Apple初の折りたたみスマホ「iPhone Duo」。1台ごとにヒンジの個体差を測り、樹脂を印刷して折り目を消す“狂気”の量産工程に迫る。ハードとソフトが融合した唯一無二の端末は、今後のAppleの試金石となるか。
ついに登場した「iPhone Duo」と新CEOが掲げるAI時代の新構想「Intelligent Personal Hub」――Appleが描くAI時代のプライバシーと未来
Appleが発表した初の折りたたみスマホ「iPhone Duo」。しかし今回のイベントの核心は、新CEOのジョン・ターナス氏が掲げた「Intelligent Personal Hub」というAI時代の新たな構想にある。同社が描く未来の「正体」に迫ってみよう。
月額0円でも実力派、文字起こし&要約が無制限のカードサイズAIボイスレコーダー「Comu Action Pro」を試す
ランニングコスト不要で文字起こしと要約が無制限に使えるAIボイスレコーダー「Comu Action Pro」の実力を検証した。
会話からToDo生成やNotion連携も! SwitchBot「AIマインドクリップ」を試して分かった“記憶の外部化”の実力
SwitchBotのウェアラブルAI「AIマインドクリップ」を1週間試用。文脈を捉えたAI要約やToDo自動起票、Ask AI機能に加え、OpenAPI CLIによるNotion連携など「記憶の外部化」の実力を解説します。
「iPhone 18 Pro」は“カメラの原点”に回帰する――機械式絞りとAI時代の“真正性”証明技術に見た新生Appleの挑戦
Appleの新型「iPhone 18 Pro/Pro Max」は、一見すると前モデルから外観の変化が少ないように思える。しかし、その内部には機械式の可変絞りを備えたプロ仕様のカメラや、AI加工前提の時代に写真の“真正性”を担保する新技術など、革新的な進化が隠されていた。本機の実力をチェックした。


